2009年12月24日木曜日

神の子どもたちはみな踊る/村上春樹

1995年1月、地震は全てを一瞬のうちに潰滅させた。
そして2月、流木が燃える冬の海岸で、あるいは、小箱を携えた男が向かった釧路で、かえるくんが地底でミミズ君と戦う東京で、世界は静かに共振を始める。大地は裂けた。神は、いないのかもしれない。でも、おそらく、あの震災のずっと前から、僕たちは内なる廃墟を携えていた。

・UFOが釧路に降りる
・アイロンのある風景
・神の子どもたちはみな踊る
・タイランド
・かえるくん、東京を救う
・蜂蜜パイ




天使の梯子/村山由佳

天使の卵の続編。

卵の内容は忘れていましたけど、後半で思い出した。
きっちりとした物語を書く人だな。

最後の歩太の言葉は、10年間、考えに考えてきたんだなと言うのが伝わってくる。
夏姫のそれまでの行動もしかり。
罪と赦し、、、春妃が死んだのは誰の責任か、明確な答えの無いことに対して、時間、投げかける明確な言葉、自分の感情、など色々な要素で、残されたものの生き方が変わる。

<誰に何を言われても消えない後悔なら、自分で一生抱えていくしかないのよ。>

<けど、お前はあれからほんとはつらかったろ。あの朝、春妃にぶつけた言葉は掛け値なしの本心だったはずなのに、その後すぐに死んじまったから、もうそれ以上何もいってやれることもできなくなっちまって、、、おまけに自分の言葉があんまり重くて、お前としては、もうお姉ちゃんを恨んでないって思いこむしかなかったんだろ。>




魔王/伊坂幸太郎

会社員の安藤は、弟の潤也とその恋人の詩織。
ムッソリーニを髣髴とさせる犬飼。

不思議な世界観。
夢の中の出来事で、読んでいるときは入り込めるけど、ふと物語から離れると、「おかしな世界だな~」と感じる。




2009年11月22日日曜日

水滸伝(19)/北方謙三

[宋江]

最終決戦の秋が訪れる。童貫はその存在をかけて総攻撃を仕掛けてきた。梁山泊は宋江自らが出陣して迎え撃つ。一方、流花寨にも趙安が進攻し、花栄が視力を尽くし防戦していた。壮絶な戦いによって同志が次々と戦死していく中、遂に童貫の首を取るチャンスが訪れる。史進と楊令は、童貫に向かって流星のごとく駆けた。この国に光は射すのか。漢たちの志は民を救えるのか。
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バランスの良い呼延灼。
劉唐の死に際し、自分の過去を語ってからどこか人間味が増してきた公孫勝。
花栄、しぶとい趙安。

済まんな。きれいに殺してやれなかった。


杜興。
呉用殿は、お前らにはわからんだろうが、そういうことは遺漏れなくやる。呉用殿がいて、初めてできることじゃな。
お前ら、暴れるだけでなく、頭の中身も搾り出してみよ。梁山泊の命運は話し合って決めるべきであろうが。

李逵だけは死なない。俺はそう思っていました、宋江様。


呼延灼から、届けられた、見よ。
童貫の兜だそうだ。斬ったのは、吹毛剣。ほんのわずか下だったら、首を切っていたことになったはずだ。

呼延灼が、なぜこれを送ってきたのか、私には読めぬ。童貫の首を獲るのは難しくない、といっているようでもあるし、梁山泊の運はここまでだった、といっているようでもある。




水滸伝(18)/北方謙三

[史進]

童貫軍の猛攻撃が始まった。呼延灼は秘策を持ってそれを迎え撃つ。梁山湖では、李俊率いる水軍が、巨大な海鰍船と対峙していた。梁山泊に上陸される危険を背負いながら、幾百の線群に挑む。一方、二竜山も陥落の危機を迎えていた。超安の侵攻を一年以上耐え抜いた秦明は、総攻撃を決意する。楊春、解宝が出撃、そして、青面獣の名を継ぐ楊令が初めて騎馬戦の指揮を取る。
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「最後まで諦めないのが、軍人だ。血の一滴が残っている限り、戦い続けるのが軍人だ。」

秦明、解珍、郝思文が二竜山と共に最期を迎える。
耐える戦いばかりだった、秦明。
野戦の場面も見たかったものです。

丁得孫のような死に方もあり?

どうやれば、海鰍船がとめられるのか。
童猛は、李俊からの指令を待つしかなかった。いま、思いつくことは何も無かった。
「これだから俺はだめなのだ。」
最後の最後で諦めてしまうところがあった。
「どうすればいい、兄者?」

そのとき、李俊の船に、旗が上がった。
「連環馬?」

水の上の連環馬など、何度か話し合って準備はしてきたが、実際にやるとは思ってもいなかった。

頼むから、乗って逃げてくれ。生涯に一度くらい、女を助けた男になりたい。
俺は、女の命を救いたいのだ。女の命も救えない男に、俺をしないでくれ。

呼延灼が全員を手で制した。
「林冲騎馬隊は、楊令が指揮を取る。」

あいつが林冲より強くなったら、どうしようと思う。一番心配していたのは、林冲だったろうがな。まだ自分のほうが強いと思えるときに、くたばった。ほっとしているだろう。





水滸伝(17)/北方謙三

[関勝]

童貫と鄷美が、怒涛の猛攻を開始した。董平率いる双頭山が総力を挙げて迎え撃つが、次々と同志は討たれていく。更なる禁軍の進行を止めるため、候健は偽の講和案を進めていた。巧みに高俅を信じさせるが、そこには思わぬ落とし穴が待ち受けている。一方、致死軍と高廉の軍の決戦がまじかに迫っていた。闇の中で両者は息を潜め、刃を交えるときを待っている。
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「その犬にだまされ、いいように利用されていたお前は犬以下ではないか。」

「おまえにかしずきながら、いつも反吐が出るような思いがしたものだ。それも、もうなくなる。よいか、高俅。梁山泊の志は、不滅なのだ。それは、人の心の清い部分に宿るものだからだ。お前の野望は、酷い汚れた部分に宿っている。後世、お前はどうしようもない男として、扱われるのだろうな。犬以下の馬鹿として。」


「共に戦えないのは無念であるが、わが魂魄はこの梁山泊にある」

「私の身代わりになって、劉唐が死んだからかな。劉唐に私は弟に対するような感情を持っていた、という気がする。」
「俺は何も聞かなかったよ、公孫勝。お前は虫の好かない、いやな野郎のままだ。こういう話は、お前らしくないしな。」

「志を全うしようと思えば、病んでもならんのだ、楊令。俺は病んだ。腹の中にいる病ごときに殺されるのが無念でならん。」




2009年11月21日土曜日

水滸伝(16)/北方謙三

[公孫勝]

梁山泊は戦によって、潰滅寸前にまで追い込まれていた。回復時を稼ぐため、候健と戴宗が偽の講和案を持って高俅に近づく。
また、晁蓋を殺した史文恭が再び動き出した。名を変え、商人に成りすまし、次なる標的のそばで暗殺の機を待ち続けている。それに対し、公孫勝は袁明の首を狙っていた。堅牢な守りをかいくぐり、いま、致死軍が青蓮寺を急襲する。
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「豹子頭と九紋竜が、二人そろって私に頭を下げている。そう思うこととするか。」

「兵たちを、あれほどしっかり見られるのに、倅は見えぬか。どうせ、まだ何か足りないとでも思っているのだろう。何が足りぬか言ってやろうか。将校であるということが足りぬのだ。だから、将校にすればよい。」

郝思文と郝瑾のやり取りに涙。

瞬間、全身の毛が逆立ったようになった。見えたのは、剣を抜き放った扈三娘の姿だった。

好きになった男を殺す史文恭、、、柴進、

時ができれば、済州の人の出入りを見張っていた。

なかなかのものだと思うぞ、劉唐。わしを追って、こうして捕らえた。わしはお前が目の前に現れるまで、これほど執拗に追われていることさえ気づかなかったのだからな。

洪清と燕青、公孫勝と袁明、今までに無い闇の戦いが。
「失礼なことを申しました。おいておられるなど、とんでもないことでした。」



水滸伝(15)/北方謙三

[花栄]

どの塞が崩れても、梁山泊は壊滅する。極限状況の中、各塞は必死の防戦をしていた。特に激しい攻撃に晒された流花寨、花栄らが死を覚悟して戦い続ける。しかし、官の水軍の進行が始まり、それも限界が近づいていた。一方、宣賛は起死回生の策を考え出す。ひそかに李応や索超、扈三娘を北京大名府に急行させた。梁山泊の命運を握る作戦が今、静かに始まる。
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宋清、楽和、李応に、朱武、欧鵬、穆弘など多くの者が亡くなって行った。
穆弘が風にさえぎられ、無くなる。

流花寨での防戦、双頭山での兵糧死守、二竜山での膠着。
花栄の矢、黄信・単廷珪の復活など、目まぐるしい戦い。

宿元景の最期。


2009年11月18日水曜日

水滸伝(14)/北方謙三

[張清]

梁山泊は、
威勝の田虎の反乱が、青蓮寺の策略だと看破した。近くの石梯山に魯達や鄒淵らを派遣し、切り崩しを図る。しかし、田虎に雇われた張清が精強な傭兵部隊を率いて、立ちはだかった。一方、官は梁山泊の完全殲滅を決意する。禁軍・地方軍・水軍合わせて、20万の軍兵を投入してきた。兵力で圧倒的に劣る梁山泊に対し、空前の規模の攻撃がついに始まる。
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鮑旭の機転で、飛竜軍の救援に向かった扈三娘が矢で射られようとしたところを、またもや王英が救う。
張平が出てきた。
二竜山の燕順が、清風山で退路を断ち、董万の進入を防ぐ。

李俊の活躍がいつになるのか、、、気になる。


水滸伝(13)/北方謙三

[朱仝]

官は十万以上の兵で、梁山泊への進行を開始した。流花寨には超安の軍が押し寄せ、呼延灼、関勝、穆弘がそれを迎え撃つ。呉用は流花寨の防衛に執心するが、官の狙いは別のところにあった。
董万の大軍が息を潜め、急襲の時を待っている。一方、孔明と童猛は官の造船所の襲撃を計画した。強固な防備の中、百名の寡兵で潜入を試みる。
そして、ついに董万が疾風のごとく動き出した。
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奇襲に晒された双頭山。
董万の羊や敵兵の死体を使って罠を回避するなど慎重な攻めでの、李忠・朱仝の最期。

崩れ落ちた船の先が孔明の上に落ち、一度見えなくなったものの、炎の中で立ち上がり、剣を中天から二度振り下ろす。

いよいよ、総力戦の前触れ。


2009年11月16日月曜日

水滸伝(12)/北方謙三

[盧俊義]

青蓮寺は執拗に闇塩の道の探索を続け、ついに盧俊義の捕縛に成功した。過酷な拷問を受ける盧俊義を救うために、燕青は飛竜軍とともに救出へ向かう。一方、北京大名府に残る闇塩の道の証拠を回収すべく、宋江自らが梁山泊全軍を率いて出動する。それに対して青蓮寺は、雄州の関勝将軍に出陣の命を出した。宣賛と策を練り、梁山泊の盲点を見極めた関勝が静かに進軍する。
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「私はここで、弔いの言葉を述べるべきであろう。しかし、そんなことはしたくない。私は、ただ戦い続ける。晁蓋と共に戦い続ける。」

「その弔旗が、見るものを奮い立たせた。打ちひしがれていたものたちに、力を与えた。私は、はじめて旗の意味を知ったような気がする。」

燕青が、盧俊義を担ぎ、一人で梁山泊まで連れてくる。
わざと闇塩の道の秘密の反駁を間違えたり、必死に盧俊義の気力を持たせようとする姿、梁山泊に到着したときには、盧俊義よりも危険な状態だったと言う。

物語の中で、印象が徐々に、着実に変わった人物の一人で、非常にカッコいい。




2009年11月15日日曜日

水滸伝(11)/北方謙三

[索超]

梁山泊の頭領の対立が深刻化していた。兵力をもっと蓄えたい宋江。今すぐ攻勢に転じるべきだと主張する晁蓋。しかし、青蓮寺はひそかに暗殺の魔手を伸ばしていた。刺客の史文恭は、梁山泊軍に一人潜入し、静かにその気を待ち続ける。滾る血を押さえきれない晁蓋は、自ら本隊を率いて、双頭山に進行してきた官軍を一蹴し、さらに平原の街を落とした。
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杜興が戦で心に傷を負った戦士たちに声を掛ける。

新でも泣いてくれるものが一人も居ない。そんな風に自分が死ぬのがお前は怖いのだ。だから、その男のために泣いてやれ。自分が死んだときも誰かが泣いてくれると信じろ。

史文恭の元へ、劉唐と楽和が向かい、晁蓋の元へ誘う前に色々と試すシーンは、水滸伝の中でも印象に残っているシーンの一つ。


2009年10月27日火曜日

水滸伝(10)/北方謙三

[呼延灼]

官はついに地方軍の切り札・代州の呼延灼将軍に出撃命令を下した。呼延灼は、一度だけなら必ず勝てると童貫に宣言し、韓滔・彭玘とともに、戦の準備を着々と進めていく。
凌振の大砲をはじめとして、恐るべき秘策を呼延灼は仕込んでいた。一方、梁山泊は、晁蓋自らが本体を指揮し、万全の布陣で戦に臨む。精強な軍同士の衝突が、静かに始まろうとしていた。
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「ひとりで、高俅に突っ込んでいけ、林冲」

公孫勝が、少し好きになった。

「こうして、お前に会えただけでも、私には充分すぎるほどだ。一度は、行ききった。陳麗とともに、行ききった。」




2009年10月25日日曜日

水滸伝(9)/北方謙三

[呉用]

死んだはずの妻、張藍が生きている。そのほうを受けた林冲は、勝利を目前にしながら戦を放棄し、ひとり救出へと向かう。一方、呉用は攻守の要として、梁山泊の南西に「流花寨」を建設すると決断した。しかし、新寨に楊戩率いる三万の禁軍が迫る。周囲の反対を押し切って、晁蓋自らが迎撃に向かうが、禁軍の侵攻に青蓮寺の巧みな戦略が込められていた。
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宋江とともに、歴史を変えようと言う夢。それさえも、自分は捨ててきていた。女一人救えなくて、何の志が。何の夢か。

お前が、官軍を恐れて二人を無視するような男でなくて、俺は良かったと思っている。

ここで、踏ん張るのよ。3日、4日眠らねえから、何だってんだ。男はよ、語り継がれるようにならなきゃならねえ。わかるか、楊林。あいつはすげえって、皆に言わせるんだ。今だけじゃなく、俺たちが老いぼれても、死んでもな。




2009年10月24日土曜日

水滸伝(8)/北方謙三

[解珍・解宝]

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解珍・解宝親子は、祝家荘に大量の兵が入っていることに気づく。官軍が梁山泊の喉元に、巨大な軍事拠点を作ろうとしていたのだった。
宋江、呉用らは、それを阻止しようとするが、堅固な守りと、張り巡らされた罠によって攻めきることができない。勝利を確信した官軍に対し、梁山泊軍が繰り出した秘策とは。
最初の総力戦が、今幕を開けようとしていた。
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「死ねば土。どこからでもいいぞ、来い。」

鄭天寿のような、死に方もあるのだ。。。

お前は今までに、大人でも背負いきれないものを背負わされ続けてきた。これ以上何かを背負わせるには、心痛むものがある。しかし、これはお前の星だ。私もしっかりお前に伝えておく。その男のためにもな。

これは、鄭天寿の命だ。私が本営に戻ったとき、お前の熱はもう下がり始めていた。だから、この蔓草が役に立つことは無かった。これが鄭天寿の命だとしたら、情けないほどどうでもいい命でもある。しかし、ひとりの、この世でただ一人の人間にとっては、無上に大切な命だ。

人の死はそんなものだ。お前の中で、杜遷はいき続けている。お前がやることは杜遷がやっていることでもある。お前の考えは、杜遷の考えでもある。


2009年10月21日水曜日

水滸伝(7)/北方謙三

[雷横]

聞煥章が宋江の場所をつかんだ。宋江は太原府の山中に追い込まれ、一万数千の官軍に包囲されてしまう。陶宗旺が石積みのわなを仕掛け、攻撃に備える。官軍は包囲網を狭め、ついに火攻めを開始した。飛竜軍、朱仝と雷横の兵、さらに、林冲の騎馬隊が宋江の元へ駆けつけていく。一方、青蓮寺は史進率いる少華山の殲滅を目論む。その謀略に対して、史進はある決断を下した。


「志があるべきかなど、一人一人で違う。お前は土を捨て、戦いを選んだ。大事なのは、それなのだ。戦い抜くことができるのか。自分が選んだことをやり遂げられるのか。志は、難しい言葉の中にあるのではない。お前のやることの中にある。」
「立ち止まらずに、考えろ。戦いながら、考えろ。それで、見えてくるものがある。立ち止まっていれば、今と同じものしか見えん。そういうものだぞ。」

「俺は軍人だ、陶宗旺。だから死に様は大事にしている。邪魔はするなよ。」


俺は、まだ立っている。雷横は思った。男は、決して倒れたりはしないのだ。


「お前は、穢れてはおらん。人は、自ら穢れるのであって、他人に汚されるのではない。そうなのだぞ、金翠蓮。」




2009年10月18日日曜日

水滸伝(6)/北方謙三

[秦明]

楊志を失った梁山泊は、その後継者として官の将軍・秦明に目をつけた。
秦明を梁山泊に引き入れるため、魯達は秘策を考え出す。
また、蔡京は拡大する梁山泊に危機感を抱き、対策を強化するため青蓮寺に聞煥章を送り込む。聞煥章は李富が恐怖を覚えるほどの才覚を持っていた。
聞煥章が最初に試みたのは、宋江の捕縛である。強力な操作網が宋江を追い詰めていく。

「人は誇りに生き、死するものだ。私の誇りは、誰にも踏み躙ることはできん」

水滸伝は、医者の安道全をはじめ、戦さだけでなく、裏で活躍する人物についても書かれている。
魯達の秘策でも登場する、字をまねるのが巧い蕭讓や、印鑑の偽装を担当する金大堅などだ。

かたちではない、なにか。真似るというより、自分のものにしてしまう。それで本当にその人間の字が書ける。

この巻では、馬の医者、皇甫端、走ることが得意な、王定六などが登場する。

七日かかるといわれたところを五日で双頭山まで駆けてきた。
「長く走ることについちゃ、誰にも負けねえんだよ。雷横とかいったな、おまえ。そう思わないか?」

こういった、戦以外でも活躍する人物がいることが物語を引き立てている。




2009年10月17日土曜日

水滸伝(5)/北方謙三

[楊志]

宋江の居場所が青蓮寺に発覚した。長江の中洲に築かれた砦に立てこもるが、官軍二万に包囲される。
圧倒的な兵力に、宋江は追い詰められていく。
魯智深は、遼を放浪して女真族に捕縛される。鄧飛ひとりが救出へ向かうが、幾多の危難がそこに待ち受けていた。
そしてついに、青蓮寺は、楊志暗殺の機をつかむ。妻子と共に闇の軍に囲まれ、楊志は静かに吹毛剣を抜いた。

「父を見ておけ。その眼に、刻み付けておけ!」

楊志と、一瞬眼が合った、と石秀は思った。そして、楊志は微笑んだ。

なにか、別の世界を、李富は見ているようだった。戦場ではない。殺し合いでもない。これだけの人数がいるのに、見えているのはたった一人の生き様だけだった。あの男は、なぜあそこにいるのか。なにが、あの男を生かし、輝かせているのか。

5巻は、北方水滸伝で最高の巻の一つだと思う。

官軍の許定将軍の陣営から戦いとは無縁だった青蓮寺の李富が見た男の生き様。
このシーンは、小説全体の中で、一番と言っても過言ではない。


2009年10月13日火曜日

水滸伝(4)/北方謙三

[李逵]

馬桂は愛娘を殺され、悲嘆にくれていた。青蓮寺は、彼女をだまして梁山泊への密偵に仕立て上げ、ひそかに恐るべき謀略を進めていく。一方、宋江は、民の苦しみと官の汚濁を自らの目で見るため、命を懸けて過酷なたびを続けていた。
その途中で、純真さゆえに人を殺してしまった李逵と出会う。李逵は次第に宋江に惹かれていくが、そこに思わぬ悲劇が待ち受けていた。

本巻から、雷横や朱仝、李逵、穆弘、李俊など主な人物が出てきて、青蓮寺の手も李富に黄文柄などをはじめに活発になり、読み足が止まらなくなってきた記憶がある。

「志は志なりに皆正しい。俺はそう思う。そして、志が志のままであれば、何の意味も無い。」
「お前が官軍で抱いていた志が実現されれば、それはそれで立派なことだっただろう。」

林沖の楊志への言葉は、非常に共感できる。


2009年10月10日土曜日

水滸伝(3)/北方謙三

[魯智深]

楊志は盗賊に教われた村に遭遇する。人々は惨殺され、金品は奪い尽くされていた。
何も手を打とうとしない政府に衝撃を受けた楊志は、魯智深とともに、盗賊の根城・二竜山に乗り込む。
そして初めて吹毛剣を抜く。
一方、国を裏から動かす影の組織・青蓮寺は、梁山泊の財源である「塩の道」を立とうと画策する。それに対抗するため、公孫将率いる闇の部隊・致死軍が動き出す。
荒ぶる北方水滸、灼熱の三巻。

怒りは燃えているが、それに狂うことは無かった。ひとり二人と、確実に楊志は、賊徒を切り倒して行った。

おまえは、ここを出たら、また無為に流浪するだけであろう。男として、誇りを抱いていたのは分かる。軍人としてもな。一度そんなものを全て捨てて、自分を見つめてみろ。自分がどんな風に国に役立つか。考えてみるのだ。

過去の誇りを捨てきれず、今一歩、踏み出せないままの楊志。
裏切られた孔明に、斬りかかろうとするシーンでの孔明の言葉が印象に残っている。

国に腹を立てているが、戦い方が分からない、桃花山の李忠、周通。
自分の能力に素直になるシーンも印象に残っているな。

そろそろ、形ができつつある。


2009年8月14日金曜日

水滸伝(2)/北方謙三

[武松]

梁山湖に浮かぶ天然の塞には、世直しを志すものたちが集まっていた。
しかし頭領である王倫の堕落により、今は盗賊同然の集団となっている。
宋江の命を受けた林沖は、安道全とともに塞に入り込んだ。
一方、晁蓋は、巨額の税が賄賂として宰相に送られることをしる。
民の苦しみの結晶であるその荷を奪うための秘策とは・・・・。

秘策は、楊志の心を擽る実にうまい方法で、呉用らしい。
梁山湖の山塞の宋万や杜遷の活躍も好きだな。。。

黄泥岡で、義挙をなし、この山歳をおとなった七名のものたちは、いわばわれらの同士である。本来なら、黄泥岡での財物の没収も、この山塞の力でやるべきことだったのだ。
しかし、王倫殿はあの七名のものたちを、打ち払う決定をした。それは許せぬ。最初の指揮者を失うのは痛恨の極みだが、王倫殿はもはや同士ではない。よってわれらが打ち倒した。
われらは、新しい同士を、七名の英雄を、この山塞に迎え入れる。



2009年8月8日土曜日

iPhone 3GS perfect manual/野沢直樹・村上弘子

ほとんど使ってたら分かる無いようだけど、予想通り分からない内容のものもあって、それだけでも価値があったかなと思う。

特に
・Googleカレンダーと同期するCalDIV
・マイクリモコンの存在(音量の調整だけしかできないと思ってた・・・・)
・音声操作(使い物にならんけど・・・・)


2009年8月7日金曜日

死神の精度/伊坂幸太郎

一週間の調査のうち、対象者の可否の判断を下し、翌8日目に死は実行される。
クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う六つの人生。

CDショップに入り浸り、苗字が町や市の名前であり、受け答えが微妙にずれていて、素手で他人に触ろうとしない・・・・そんな人物が身近に現れたら、死神かもしれません。

一心不乱にヘッドフォンを耳にあて、ちっとも立ち去ろうとしない客が居たら、おそらく私か私の同僚だろう。

・死神の精度
苦情処理係の女性の声に魅了された音楽プロデューサ。
彼女が音楽を作るのであれば・・・・ということで、見送り

人間というのは実に疑り深い。自分だけ馬鹿を見ることを非常に恐れていて、そのくせ騙されやすく、ほとほと救いようが無い。

・死神と藤田
ヤクザの構想
死ぬのは明日だから、今日は死なない。

・吹雪に死神
人影があっさり、「私の同僚」ということで、片付けられるあっけなさ・・・・・・

・恋愛で死神
「外見だって、本質でしょ?」

・旅路を死神
「ここはよ、川の上流、スタート地点だろ。それがこの滝だ。ここは派手だし、人も多いじゃねぇか。それってよ、俺たちが生まれてきたときとにてねぇか?」
「下流のほうも、悪くなかったと俺は思う。」

・死神対老女
なるほどねぇ。。。。つながってるのね。


2009年7月25日土曜日

I LOVE YOU / 伊坂幸太郎、石田衣良、市川拓司、中田永一、中村航、本田孝好

恋愛には未知の物語がある。始めて恋心を意識したとき、幼馴染に異性を見出したとき、彼女との間に微妙な心の距離を感じたとき、初恋の同級生と再会を果たしたとき、彼女と恋愛のルールを決めたとき、そして連れ添った相手との別れを予感したとき・・・・・

伊坂幸太郎の世界観は相変わらず良いなぁ。

伊坂幸太郎/透明ポーラーベア
「だって、クイズって、答えが出るじゃないですか」

石田衣良/魔法のボタン
透明になるボタンと、石になるボタン。

市川拓司/卒業写真
同姓の異性友達と初恋の相手の話。

中田永一/百瀬、こっちを向いて
近所の先輩の頼み。

中村航/突き抜けろ
ぶっ飛んだ木戸さん。

本田孝好/Sidewalk Talk
水周りを共有しただけのワンルームマンション

その一瞬。自分を襲った劇場が何なのか、僕にはわからなかった。すっと僕の前を通り過ぎる彼女。その途端、圧倒的な何かが僕の体を通り抜けた。めまいすら感じて、僕は思わず目を閉じた。

嗅覚をつかさどるのは大脳の旧皮質なの。そして、旧皮質の両側にあるのが海馬って言って、これが記憶を司っているのね。

だから?

だからね、嗅覚は五感の中で一番記憶に直結している部分なの。

今日、香水をつけてきた理由。あなたはきっと、この香水をかぐたびに今日のことを思い出す。あなた自身の中で、言葉にすら変換されていない、一番ピュアな感情をね、思い出してくれるんじゃないかって。

私ね、素直じゃないから、けんかしても、自分から謝れないこともあると思うの。いっぱいあると思うの。だから、そういうときには、この香水をつけていく。この匂いをかいだら、今日のことを思い出して。思い出したら、私は胸の中で一生懸命に謝ってるんだと思って。ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいって。



水滸伝(1)/北方謙三

[林冲]

12世紀の中国、北宋末期。
重税と暴政のために国は乱れ、民は困窮していた。
その腐敗した政府を倒そうと、立ち上がった者たちが居た。
世直しへの強い志を胸に、漢たちは圧倒的な官軍に挑んでいく。
地位を捨て、愛するものを失い、そして自らの命を懸けて戦う。
彼らの熱き生き様を刻む壮大な物語が今、幕を開ける。

禁軍武術史範、王進
禁軍武術史範代、林沖
鄆城役人、宋江
東渓村の役人、晁蓋
医師、安道全
放浪の僧、魯智深
北京大名府の大商人、盧俊義
梁山湖の盗賊頭、王倫
盗人、鮑旭

壮大な物語のため、まだまだ序章という感じのする始まりで、これから徐々に登場人物も増えてきて、詳しく人物形成がなされていくんだろうと思う。

晁蓋
「私は確かに役所とやりあったりする。だから役所にも睨まれているのだろう。しかし、それは村人のためにやっているのではないのだ、朱貴殿。私は私のためにやっている。生きている。そう思いたいからだ。」


2009年7月11日土曜日

砂漠の薔薇/新堂冬樹

お受験を通し、平凡な主婦が狂気を増幅させる様を描いたミステリー

お受験を目指す主婦たちのおかしな執着心、執念を描いています。
う~ん、奥さんがこういう風になった場合に、旦那は何もしてあげられないのかな。
まさに狂気です。お受験なんてやめましょう・・・。

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女という生き物は、男への未練は断ち切れても、自分への未練は断ち切れないのはなぜでしょうね?

あなたがたに、人生の全てをかげとして生きてきたもののつらさが分かりますか?どんなに頑張っても、何を言っても、私の姿は誰にも見えないし、私の声は誰にも届かない。なのに誰もが、彼女が口にする言葉には耳を傾け、振る舞いの一つ一つに瞳を輝かせる。

そして、この世から彼女の肉体が消滅した瞬間に、影も消えるんです。馬鹿ですね。本体が無くなったら影も存在できるわけ無いのに。


2009年7月7日火曜日

ナポリ/田之倉稔

確かに、タクシーをのると、広い道路を勝手に横断する歩行者を見たり、交通規則を無視して走る車に出会ったりする。そんなとき運転手は「ナポリ人はみな、プルチネッラだ」などという。それほどナポリの大衆はこの道化に自己の分身を見ている。

今まで訪れた都市で、もっとも興味深かったのがナポリである。

ナポリは治安の悪い都市として有名である。「サファリ・ルック」などという意地の悪い冗談を観光業者は使うようである。バスから降りずに市内観光することを指すのだそうだ。

ヴォイエッロというパスタには、プルチネッラが描かれている。
元来、スパゲッティはナポリからイタリアに広まり、やがて国境を越えていったものであるから、このプルチネッラ印が、本場のしるしといえよう。

市民の食であったピッツァを宮廷が取り寄せ、王妃のマルゲリータが食べた。
ピッツァマルゲリータの由来である。

「地球で最も美しい国に、最も愚かなものが住んでいる」
美しい歌を歌う人魚の街・・・ナポリ。

トマトソースの考案とパスタとの融合はナポリ料理の最大の功績である。

他の地域の人にとっては、ナポリ語は喜劇的に響くようである。


2009年7月6日月曜日

血涙(下)/北方謙三

楊家将とは異なり、全ての物語が終わったという終わり方でした。

下巻は戦というよりも、心の戦いがメインになっていたためか、楊家将の楊業軍のような凄みのある戦闘の雰囲気が無かったように思う。
そういう意味でも、ハードボイルドらしい小説だったと思います。

それぞれ無くなっていく将軍らの、最後の描写が泣かせます。

まさに血の涙。

最後に蕭英材が語った言葉も熱い。
「私は楊四郎の息子ではありません。石幻果の息子です。祖父は耶率休哥、祖母は大后様と思い定めております。」



2009年7月5日日曜日

血涙(上)/北方謙三

楊家軍再興と耶率休哥軍との新たな戦い。

楊家将を読んだだけでは、中途半端なところがあって終えられないでしょうっていうことで、続編をすぐに読んでしまいました。

まず、登場人物紹介の一人目の説明を見て、タイトルの意味がなんとなく想像できた。

楊家将に引き続いて、戦や調練のシーンは迫力があって面白いが、この物語のメインは心の戦いでしょう。

上巻の最後、吹毛剣と吸葉剣がぶつかることで・・・。

下巻でどうなっていうくのか・・・もう止まりません。


2009年7月4日土曜日

竜馬がゆく(8)/司馬遼太郎

慶応三年十月十三日、京は二条城の大広間で、十五代将軍徳川慶喜は大政を奉還すると表明した。
時勢はこの後、坂を転げるように維新にたどりつく。
しかし竜馬はそれを見届けることも無く、歴史の扉を未来へ押し開けたまま、流星の様に。

「全て西郷らに譲ってしまう。おれは日本を生まれ変わらせたかっただけで、生まれ変わった日本で栄達するつもりは無い。」
「こういう心境でなければ大事業というものはできない。おれが平素そういう心境で居たからこそ、一介の処士にすぎぬ俺の意見を世の人々も傾聴して来てくれた。大事を成し遂げえたのも、そのおかげである。」
「仕事というものは、全部をやってはいけない。8分まででいい。8分までが困難の道である。あとの2分は誰でもできる。その2分は人にやらせて完成の功を譲ってしまう。それで無ければ大事業というものはできない。」

「世界の海援隊でもやりましょうかな」


竜馬がゆく(7)/司馬遼太郎

同盟した薩摩と長州は着々と倒幕の体勢を整えていく。が、竜馬はこの薩長に土佐を加えた軍事力を背景に、思い切った奇手を案出した。大政奉還---

薩長による倒幕が盛り上がってきた京都。
長崎に居る土佐の参政後藤象二郎のもとに、土佐の大殿様山内容堂から京都への召し状が届いた。
一緒に来てくれと、頼む後藤に、竜馬は一日考えた末、一緒に行くと決意する。

翌早朝、短艇で夕顔丸に近づき、乗り込むシーンが印象に残っている。

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竜馬は頭上に手を伸ばしてはしごを大きくつかみ、するすると登り始めた。
そのとき、奇瑞のように陽が昇った。短艇上で見上げている者たちが、(あっ)と声をのんだほどにそれは劇的な効果があった。陽の中を、竜馬が登っていく。隊士たちは見上げつつ、声をうしなった。
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船中八策
1.天下の政権を朝廷に奉還せしめ、政令よろしく朝廷より出づべき事
2.上下議政局を設け、議員をおきて、万機を参賛せしめ、万機よろしく講義に決すべきこと
3.有材の公・諸侯、および天下の人材を顧問に備へ、官爵を賜ひ、よろしく従来有名無実の官を除くべきこと
4.外国の交際、広く公議を採り、新たに規約を立つべきこと
5.古来の律令を折衷し、新たに無窮の大典を選定すべきこと
6.海事よろしく拡張すべきこと
7.御親兵をおき、帝都を守護せしむべき事
8.金銀物資、よろしく外国と平均の法を設くべき事




2009年7月3日金曜日

竜馬がゆく(6)/司馬遼太郎

幕府を倒すには、薩摩と長州が力をあわせれば可能であろう。しかし、互いに憎悪しあっているこの両藩が手を組むとは誰も考えなかった。
奇跡を、一人の浪人が現出した。

戦国の武士には、己の男を立てることと己の功名を立てることしかなかった。くだって徳川氏全盛の世の武士は主君と藩への忠義しかない。
今は違う。融資はそのココロザシに殉ずる時勢になっている。

竜馬の平等思想の根拠は、この用語(日本人)の中に込められている。

幕府を倒して、政府ができてもみなは役人になるな。一方では海軍を興し、一方ではこの亀山社中を世界一の商社にする。そのつもりでやれ。

年上の人を相手に猥談をしちゃならん。図に乗って、淫談戯論をするうちに、どうしてもその語中に見下げられるところが出てくる。年者は面白がりながらも心中、軽蔑する。

静止などは取り立てて考えるほどのものではない。何をするかということだけだと思っている。
世に生を得るは、事を成すにあり、と自分は考えている。

武士の道徳は、煮詰めてしまえばたった一つの徳目に落ち着くであろう。潔さ、ということだ。



竜馬がゆく(5)/司馬遼太郎

池田屋ノ変、蛤御門ノ変と血なまぐさい事件が続き、時勢は急速に緊迫する。
次々死んでゆく同士を思い、竜馬は暗涙に咽んだ。

「諸事、この眼で見ねば分からぬ」というのが、勝と竜馬の行き方である。現場を見たうえ、物事を考える。身もせぬことをつべこべ言っているのは、以下に理屈が面白くても空論に過ぎぬ、というのが、、この二人の行き方であった。

とにかく、勝には、妖精のにおいがする。そのいたずらっぽさ、底知れぬ知恵、幕臣という立場を超越しているその発想力、しかも時流の脇にいながら、神だけが知っているはずの時流の転轍機がどこにあるかを知っている。

竜馬がいつ来ても鈴虫が生きているように、入念に飼い育てていたものに違いない。心づくしという言葉がある。茶道の言葉である。
「人をもてなす心の働き」という意味であろう。

こういう年少者の熱っぽい語調で語られる報告を頭に入れると、どうも冷静な客観的判断を失うと思ったのである。




竜馬がゆく(4)/司馬遼太郎

志士たちで船体を操り、大いに交易をやり、と聞いたらば倒幕のための海軍にする。
竜馬はついに一隻の軍艦を手に入れたのであった。

どう見事に腹を切るかが、「おれはこんな男だ。」と自分を語る最も雄弁な表現法であるとされた。
だから、武士の家では、男の子が元服する前に、入念に切腹の作法を教える。

筆者は、日本人に死を軽んずる伝統があったというのではなく、人間の最も克服困難とされる死への恐怖を、それを押さえつけて自在にすることによって精神の緊張とびと真の自由を生み出そうとしたものだと思う。その意味で切腹は単にその表れに過ぎないが、その背後には世界の文化史の中で屹立しているこの国の得意な精神文化がある。

北添、人がことをなすには天の力を借りねばならぬ。天とは時勢じゃ。時勢、時運という馬に乗ってことを進めるときは、大事は一気呵成になる。その天を、洞察するのが、大事をなさんとするものの第一の心がけじゃ

一粒、涙の玉が転がると、涙への義理のようなもので、本当に悲しくなってきた。




2009年7月2日木曜日

楊家将(下)/北方謙三

面白い。グングン読み進んでしまった。

宋が大敗して、親征を決意するくだりまで、ずっと宋の視点で書かれているのが、読者としてはドキドキさせられて心憎い演出だった。

そして、終盤では、視点が宋・遼とめまぐるしく変わっていく。
最後の展開を、敵軍の耶率休哥の視点から書かれているのが、秀逸。

もう、とめられませんでした。

解説より、
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北方さんは、
「楊業という男に呼び止められ、書けと命じられているような気がした。」
と、ご自分の霊感(インスピレーション)について語られた。

今まで日本に「楊家将」が伝わらなかった原因は、ひょっとすると、伝説の英雄の魂が、北方謙三という書き手を、ずっと待っていたからかもしれない。

本作は、そんな空想をしたくなるほどの傑作である。
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2009年6月28日日曜日

楊家将(上)/北方謙三

楊家の魂、ここにあり。
宋建国の英雄・楊業とその一族。

それぞれ特徴を持ち、独り立ちした7人の息子を中心とする楊家。
息をつかせずに、一気に読んでしまう。
特に、戦のシーンは文章から伝わる臨場感があって、止まらなくなってしまいます。

北平寨で、四郎が耶律休哥の赤騎兵を中心とした200兵に攻められたあと、楊業と六朗の騎馬隊とともに易州を攻撃し、涿州からの援軍をも蹴散らして遼に打撃を与える。

その後、耶律休哥は、楊業などが帰っていないと思った宋の領土に侵入したが、谷を挟んで楊業と鉢合わせる。
なんだか、鳥肌が立ちました。



2009年6月18日木曜日

世界の日本人ジョーク集/早坂隆

・ハイテク国家像
「不良品を1000個に1つにすること」
ロシア「不良品を1000個に一つというのは、大変困難な条件です。期日にどうしても間に合いません。」
日本「期日に向けて順調に進んでおります。ただ、不良品用の設計図が届いておりません。早急に送付してください。
青いキリン
もしも青いキリンを私に見せてくれたら、膨大な賞金を出そう。
イギリス人:そんな生物がいるかどうか、徹底的に議論を重ねた。
ドイツ人:そんな生物がいるかどうか、図書館へ行って文献を調べた。
アメリカ人:軍を出動させ、世界中に派遣して探し回った。
日本人:品種改良の研究を昼夜を問わず重ねて、青いキリンを作った。
中国人:青いペンキを買いに行った。
技術者の違い
ロシア:我が国では、機密性を試すために、猫を一晩車の中に入れておきます。次の日に猫が車の中にいれば、機密性は十分だと判断します。
日本:我が国では、機密性を試すために、猫を一晩車の中に入れておきます。次の日に猫が窒息死していたら、機密性は十分だと判断します。
ソ連の工場での話
始業時間10分後に来る人:怠慢で逮捕
始業時間10分前に来る人:西側のスパイで逮捕
始業時間ちょうどに来る人:日本製の時計を持っているに違いないから逮捕
最先端技術オリンピック
アメリカは直径1ミリのグラスファイバーチューブを作り、ドイツへ送った。
ドイツはチューブの内側に細いワイヤーを通し、香港へ送った。
香港は、さらに細いワイヤーを通し、日本へ送った。
日本は・・・香港チームのワイヤーに「MADE IN JAPAN」と刻印を彫った。
新製品の4段階
アメリカの企業が新製品を開発する。
ロシア人が「自分たちは同じものをもうすでに30年前に考え出していた。」と主張する。
日本人がアメリカ製以上のクオリティのものを作り、輸出し始める。
中国人が日本製のものに似せた偽物を作る
女性国家論
18〜20才:アフリカまたはオーストラリア。まだ手つかずの魅力溢れる大地。それは訪問者に感動を与える美しさである。
21〜25才:中国またはインド。成長期に歩くには将来の大いなる夢と希望を抱いている。
26〜30才:アメリカまたは日本。国土は隅々まで開発され、成熟期を迎えた政府は自由貿易を標榜する。現金と車を多く持つ相手であれば、貿易はより積極的なものとなる。
31〜35才:ブラジルまたはメキシコ。蒸れるほどの熱を持っていて、そこにあるのはまさに情熱である。
36〜40才:フランスまたはアルゼンチン。長きにわたる激しい戦闘により国土の半分ほどが痛んでいるが、それでもまだ訪れるものの数は少なくない。
41〜50才:ロシアまたはバルト三国。国は開かれているのに、訪れるものは少ない。
51〜60才:イラクまたはユーゴスラビア。戦いに敗れ、政府は過去の失敗にとりつかれている。大規模な再建工事が必要であるが、その費用は莫大なものとなりそうだ。訪れようとするものはよほどの変人である。
61〜70才:イギリスまたはモンゴル。過去の栄光ばかり思いふける日々。出てくるのは諸国征服の昔話ばかりである。未来はない。
・お金持ちの国
アメリカ=独善的、傲慢、自慢好き
イギリス=紳士、堅苦しい
ドイツ=真面目
フランス=好色、グルメ
イタリア=情熱的
ロシア=酒好き、ものがない
ユダヤ=狡猾、金儲けが巧み、議論好き
ポーランド=愚か者
スコットランド=ケチ、抜け目がない
ギリシャ=絶倫、男色
日本人=金持ち
電球ジョーク
電球を新しいものに変えるのに何人のポーランド人が必要か?
5人。一人が椅子の上に立って電球を持ち、4人が椅子を回す。
日本の不況
折り紙銀行=倒産(fold)
相撲銀行=倒産(belly)
盆栽銀行=支店を縮小(branch)
カラオケ銀行=捨て値で売られている(go for a song)
神風銀行=株価は暴落(nose-dive)
空手銀行=人員削減(chop)

・勤勉な人々

無人島にて
ある時、大型客船が沈没し、男2人と女一人という組み合わせで、各国の人々が無人島に流れ着いた。
イタリア人・・・男二人が女を巡って争いを続けた
ドイツ人・・・女は男のひとりと結婚し、もう一人が戸籍係を勤めた
フランス人・・・女は男のひとりと結婚し、もう一人と浮気した
アメリカ人・・・女は男のひとりと結婚して子供が生まれたが、その後に離婚し、真剣を争うために、もう一人の男に弁護士役を頼んだ。
オランダ人・・・男二人はゲイであり、結婚した。女は無視された。
日本人・・・男二人は、女をどう扱ったらよいか、東京本社に携帯電話で聞いた。
ブラジル人・・・3人で楽しそうにカーニバルを始め、飽きることなく踊り続けた。
ロシア人・・・女は愛していないほうの男と結婚し、3人で果てしなく嘆き悲しんだ。

・日本人的アイデンティティ

集団主義
豪華客船が沈みかけたとき、
アメリカ人、「飛び込めばあなたは英雄ですよ。」「飛び込んだときの保険はかかっている」
イギリス人、「飛び込めばあなたは紳士ですよ。」
ドイツ人、「飛び込むのがこの船の規則となっています。」
イタリア人、「飛び込むと女性にもてますよ。」
フランス人、「飛び込まないでください。」
日本人、「みんな飛び込んでますよ。」
有能な議長
インド人を黙らせ、日本人を喋らせるものである。
アジア最低の英語力
あるとき、ホワイトハウスに日本政府からバイアグラが一万ケースも送られてきた。なぜか?
「アメリカの選挙で深刻な問題が生じている」というニュースを聞いたから。
遅刻の対処法
国際的な会議で、遅刻してしまい、持ち時間が半分になったときの対応
アメリカ・・・内容を薄めて時間内に収める。
イギリス・・・普段通りのペースで喋り、途中で止める。
フランス・・・普段通りのペースで喋り、次の人の時間に食い込んでもやめない。
ドイツ・・・普段の2倍のペースで喋る。
イタリア・・・普段の雑談をカットすれば、時間内に収まる。
日本・・・遅刻はありえない。
・神秘の国日本

人生
最高の生活
「アメリカで給料をもらい、イギリスの住宅に住み、中国人のコックを雇い、日本人を妻にすることさ」
最低の生活
「中国で給料をもらい、日本の住宅に住み、イギリス人のコックを雇い、アメリカ人を妻にすることさ」
・歴史・政治・外交

軍隊比較
世界最強の軍隊
アメリカ人の将軍、ドイツ人の参謀、日本人の兵
世界最弱の軍隊
中国人の将軍、日本人の参謀、イタリア人の兵
日本を怒らせる方法

中国
「わが国は潜水艦で日本の領海を侵犯した。それでも日本は攻撃してこなかった」
韓国
「わが国は竹島を占領した。それでも日本は攻撃してこない。」
ロシア
「わが国はもう永きに渡って、北方領土を占拠している。それでも日本は攻撃しない。」
北朝鮮
「そんなこと簡単です。核兵器を日本に使いましょう。」
アメリカ
「無駄だね。それはもうやったもの。」

・世界で活躍する日本人アスリート

メジャーリーグの不思議
ヤンキースファン「ヤンキースの四番が日本人だ何て、なんかチーム名と合わないね。」
「そんなの、たいした問題ではないと思うがね」とインディアンズのファンが言った。
こんな人も居る
紅茶の嫌いなイギリス人
対人恐怖症のイタリア人
空手のできない日本人
自転車に乗れない中国人
踊りの苦手なブラジル人
サンタクロースを信じないフィンランド人
日本人のうそ
不況だと言うのに、グランドキャニオンは日本人旅行者だらけではないか。
忍者はもう存在しないというのに、シアトルに居たではないか。
グローバリズムとは?
イギリス王室に居た女性がエジプト人と故意に落ち、パリでドイツ製の車に乗っていたところを、日本製のバイクに乗ったフランス人のパパラッチに追い回され、その結果起きた事故のこと。
・新たなるニッポン像

日中の仲
日中の仲は最悪だと聞いていたパキスタン人が、日本の中華街を見て、驚いた。
「日中の仲が悪いなんてうそだ。パキスタンにインド街があったら廃墟になっている」

イギリスの哲学者、フランシス・ベーコンの言葉、「冗談は、しばしば真実を伝える手段として役立つ」



2009年6月7日日曜日

急に売れ始めるにはワケがある/マルコム・グラッドウェル

ヒットを作るには、膨大な予算が必要というわけではありません。小さな変化が大きな結果を生むのです。本書は流行現象をクチコミによる感染と捉え、そのメカニズムを説き明かします。
「少数者の法則」「粘りの要素」「背景の力」は、マーケティングに興味を持つ人には、必須の知識。

先見性溢れる「ティッピング・ポイント」。
あるアイディアや流行もしくは社会的行動が、閾値を超えて一気に流れ出し、野火のように広がる劇的瞬間のこと。

ティッピング・ポイントの世界とは、予期せぬものが予期されるものとなる世界である。

・少数者の法則
80対20の法則。
これはどのような状況にあっても、「仕事量」のほぼ80%はそれに関わった人の20%によって達成されるという考えである。

マスコミが発達し、数百万ドルもの資金を投じた広告宣伝が珍しくない現代においても、クチコミが人間の意思疎通の最も重要な形式であることは間違いない。
食事・映画・洋服、あなたがお金を気前よく使うとき、友人の薦めで決断を下す場合がどれくらいあるだろうか?

見るグラムはほとんどの手紙が、相手に届くまでに、5段階か6段階経ていることを発見した。この実験から、関係の6段階分離という概念が産まれた。

- コネクター
社会的に河の役割を果たす。
関係の6段階分離説は、全ての人が自分をのぞく全ての人とちょうど6段階で繋がっていることを意味しているのではない。ごく少数の人がわずかな段階でその他全ての人と繋がっていることを意味する。
残る人々はこの特別な少数者を通じて世界と繋がっているのである。
どんな職種の人にも、友人や知人を作る並外れたコツを体得している一握りの人がそこかしこにちりばめられている。
例えば、コネクターは、豊かな人脈を形成するための直感的で自然な才能のようなものが備わっている。彼は過剰に社交的な人ではない。人に取り入ろうとする態度が見え見えのやたらに愛嬌を振りまくような人ではない。彼はむしろ観察家だ。

人とのつきあいを持続するようにして居るんだよ。
切手を集める人のように、知人を集めている。

ロッドスタイガーが全ての俳優と競演している俳優といえるのは、俳優として関わることができる様々な業界、サブカルチャー、隙間産業を股にかけ、レベルの違う仕事を縦横無尽にこなしてきたからである。

この人達は、可能性を見ているのだ。我々はつい忙しさに紛れて自分が知り合いになりたい人だけを選び、うさんくさい人や何年もあって居ない人などを捨ててしまうが、コネクターは全てを受け入れているのである。
弱い絆の達人。

- メイヴン
データバンクの役割を果たす。
どうすれば良い買い物ができるかが分かったら、それを他人に教えたがっている。
クチコミによる伝染を指導させるための膨大な知識と社交的技術が備わっている。

- セールスマン
説得する技術を持ったグループ
影響力の強い個性があるということは、他人を自分のリズムに引き込み、相互作用の流れを支配する力があるということなのだ。
カリスマ的な人だけが自分の感情を相手に感染させることができるのである。

私たちは、互いに似ているから友人になるだけでなく、同じ活動をしていることからも友人になる。

・粘りの要素
メッセージをより感染性の強いものにするにはどうしたらよいか、製品やアイディアをより多くの人に届けるにはどうすればいいか。
コミュニケーションの難しい部分は、つまるところ、あるメッセージが相手の一方の耳から入って、もう一方の耳から出て行かないようにするところにある。
つまり、記憶に粘り着く。

・背景の力
集団で居ると責任感が薄れ、行動を起こす人が少なくなる。
何かを語るときにそれを取り巻いている状況のほうが、語られた内容よりも重要になる場合があるのだ。
ヘッドホンの聴取試験だと行って、頭を左右と上下に振る被験者と、動かさない被験者の授業料値上げに対する意見の違い。


・粘りの要素
相手に覚えてもらおうと思ったら6回は繰り返さなければならないというのは、鉄則。金の箱というアイデア(広告に金の箱を書き込み、コマーシャルでその意味を宣伝する)というアイデアは、視聴者に粘りの要素を与えた。
情報提示の仕方にさりげなく、しかし有意義で実践的な情報を付加する。
セサミ・ストリートの製作背景、粘り測定装置(目線、実験)幼児は、ある事柄が2つの名前を持つことに困難を覚える(相互排他性)ブルース・クルーズの繰り返し効果、幼児の学習過程(理解と予測)に沿った番組作り。
・背景の力感染は、それが起こる時と場所の条件と状態に敏感に反応する。看守と囚人の実験、決定要因が一掃されるような状況が存在する。正直さのような特徴は、背景に大きく左右される。性格は、背景によって決まる。困った人を助ける実験、善きサマリア人を主題にした学生か否かではなく、急いでいるかいないかによって決まる。
・150の法則という背景脳の大きさは、グループの規模によって、決まってくるという説。霊長類の新皮質率と集団生活規模の関係から、人間は150という数字が割り出される。150以下であれば、規範なしでも同じ目標が達成できる。仲間内でのプレッシャーは、上司からの管理構造よりもはるかに強力。
・商品はどのように感染するのか?高度に専門化されたアイディアや製品を、一般の私たちにも分かりやすく説明してくれる翻訳者が重要。何か新しいことを始めるイノヴェータを発掘し、彼らの流行や考えを主流派に分かりやすく落とし込む。主流派の言葉を、主流派のために翻訳しては感染は終わる。
・自殺と喫煙喫煙は決してかっこよくない。タバコを吸う人がかっこいいのだ。感染要因と、習慣に粘る要因は異なる。喫煙をやめさせるためには、習慣に粘る要因のティッピングポイントを探し、変化を促せばよい。
・ティッピングポイントを押せば、世界は傾くその場しのぎのバンドエイド的な処理を侮ってはいけない。バンドエイドは、最低限の努力と時間と費用で、問題を解決してくれるという最善の策だ。自分の努力を一点に集中する。世界は直感とは一致しない。

2009年5月19日火曜日

会社に人生を預けるな/勝間和代

日本人は、リスクを取ると言う訓練を金融以外でほとんどしていないのに、金融だけでリスクをとれといっても、それがどういうことか分からないのだ。

親から
「危ないことをするのはやめなさい」
「自分でそう思うなら、失敗しても良いから自分の思うとおりにやってみなさい」といわれて育つかでは大きな違いが生まれるでしょう。

整理解雇の四要件
1.人員削減の必要性があること。
2.解雇回避の努力を行っていること。
3.整理基準と人選に合理性があること。
4.解雇手続きに妥当性があること。


・会社に人生を預けるな
これまで、日本では会社は単なる働き場にとどまらず、所属する社会であり、福利厚生であり、自分たちの階級や生涯賃金を決めてしまうところでした。小作農・奴隷制に近い。
南北戦争は、奴隷が人権上の問題のある制度だから内戦が起こったというものではなく、雇用主福利厚生を含めた扶養義務を受ける従業員といった視点で見ると、奴隷を抱えているコストを負担しきれなくなったというのが現実。
終身雇用が有効なのは、次のような前提が必要。
1.勤めている会社の業績が成長を続けること。
2.今の会社で十分な能力開発ができること。
3.会社は従業員に対して十分に報いてくれること。
幸福度の推移。
外資系はなぜ給料が高いかというと、日本と違って雇用に流動性があるから。
経済はネズミ講である。
「全ての経済は、バブルに通じる/小幡」

・リスク・リテラシーを磨く
80%で生活する。
リスクマネジメントとは、過度の変動を抑えることでもあるのです。
仕事だけに限らず、自分の子供の成長だけが生きがいとか、夫の出世だけが生きがいとか、自分のシュミだけが生きがいとなると、もしそのバランスが崩れたとき、にっちもさっちも行かなくなります。
それよりも、自分にはこの仕事もある、社会貢献もしている、家族に対する貢献もある、自分のシュミもあるといった形でバランスよく管理していると、もし何かの原因で一箇所にリスクが生じた場合でも管理がしやすくなります。
金融の運用は余裕資金で行う必要がある。
食品の表示を見て、リスク管理。摂取するときに生まれるリスクを理解しておく。

リスク管理とは、日常的な行動範囲に入ってくる物事に対して、管理する対象物の損失幅をコントロールすること。
そして、リスクは決してゼロにならない。

リスク分散の習慣化。


・「お上」に人生を預けるな

日本のヒーロー像。
水戸黄門、銭形平次、ウルトラマン、仮面ライダー、○○船隊・・
圧倒的に「お上」で占められている。

アメリカのヒーロー像。
スーパーマン、スパイダーマン、スタートレック・・・・
市民によって多く占められている。

すなわち日本において、私たちを守ってくれるヒーローというのは、政治家であり、官僚であり、、警察であるということが心象風景としてあることが分かります。
逆に言えば、私たちが私たち市民の手でリスクを管理するという発想があまり無かったということを示しています。

日本の仕組みでは、弁護士にしろ、官僚にしろ、政治家にしろ、リスクを果敢にとる人ではなく、与えられた問題を粛々とこなしていくタイプの人たちがどんどん支配層の地位に上り、日本を支配しているという構造が読み取れます。
「お上」リスクを取り、リスクを上手に管理する人たちではないのです。

所得の再配分や格差の是正において、決して民主的ではありません。

自己責任論ではなく、「お上」にだけ頼るのはやめよう。
お肉屋さんで買うのではなく、パッケージングされたお肉を買うようになり、リスク感覚が鈍るのは当たり前。

アメリカの場合、仏教で言うところの因果応報や、他人に対してなぜ貢献しなければならないのかとか、彼らはモラル教育を、教会を中心とした教育と学校教育、家庭教育で徹底的に受けて育ちます。

これはリスクマネジメントという観点から見た場合、非常に優れたシステムです。

・21世紀のパラダイムシフト
「なるべく、化粧品など余計な手入れはしないこと。それより、正しい食生活、睡眠、運動を心がけること。」です。
エステに行くということも、自分の皮膚管理の責任を相手に預けてしまうという行為になります。

本来のリスク教育とは、家庭内教育の分野になります。やはり、普段の親の言動や、親がどのようにそのリスクをマネージしているのか、あるいはリスクとリターンの関係をどのように教えるのか、ということの蓄積になるのです。
肝は、「将来に対する想像力」

よりよく生きるために何が大事かというと、やはり自分が自分の力でリスクをコントロールできることを理解することだと思います。

0.2%の日々の改善が、一年間で二倍の効果を生む。
いきなり転職のような大きなリスクをとる必要はありません。身近なちょっとしたリスク、たとえば日常の通勤炉を変えてみたり、いつもとは違うランチを頼んでみたり、いつもより少し冒険度の高い服を選んだりすることでいいのです。



2009年5月10日日曜日

イタリア人の働き方ー国民全員が社長の国ー/内田洋子 シルヴィオ・ピエールサンティ

この本では、15人のイタリア人経営者の紹介をしている。
確かに素晴らしい経営者たちだが、それよりもイタリアという国について、新たな側面を知れたのが、私にとっては大きい。

  人口5700万人の国で、法人登録が2000万社。国民全員が社長の国・イタリアの底力。
  現在、イタリアでは、新生児より新企業の数のほうが多い状態である。

まず、始めにこれを見て驚いた。2000万社・・・単純に計算すると、約3人に1人が社長。
個人的に調べてみると、日本の法人登録は、300万社弱だそうだ。

この数は世界でも例を見ないほど、圧倒的な数らしい。
イタリアは、中小の零細企業が支えているという国なんだ。


生きることは、楽しいことでなければならない。人生を満喫したい。そういった享楽優先が、ときには怠惰に見える場面を生むのかもしれない。しかし<自分の持つ価値観を優先する>ということと<怠惰>は、やや異なる。
人生を楽しむために、お金は必要不可欠である。お金は、ふつうは働いて手に入れる。よって、イタリア人は働くのである。それはもう、懸命に働く。人生を楽しむために。

「イタリア人は、規則を守らない」これも確かにあたっている。イタリア人には、無政府主義的な血が流れている。ローマ帝国が崩壊して以来1500年余り、イタリア半島を支配してきたのは、統治能力のない、頼りにできない統治者や政府ばかりだった。
そうした長い歴史の中で、上にたつものは当てにできない、自分たちで頑張るしかない、という思いがイタリア人の意識に強く刻み込まれたのである。

人を驚かせることが好きなイタリア人は、感動を生むために、観客席に座って鑑賞するより、たとえ失敗の危険を犯してでも舞台の上に立つほうを選ぶ。

「事業を起こした理由は、自分だけの独創的な企画を実現したかったから。会社の活動を通して自分が生活する地域社会の環境をより高めたい」

・イタリア一の靴磨き
俳優のロベルトベニーニは、「短期間にこれだけの成功を収めることができたのは、ロザリーナは、ただ靴を磨くだけではなくて、客の気持ちまでピカピカに、まるで新品同様に美しく磨き上げてくれるから」と絶賛する。
「靴磨き名人探しはやめて、私が名人になることにするわ。」
一足を続けてはかないこと。履かない靴は、木型を入れて休ませる。
靴には足からの熱や、湿り気が移ります。これを木型はきちんと吸収して、皮革を元の状態に戻すのです。
臆面も無く申し上げますが、自分が女性に生まれて、そしてそこそこの外見に恵まれているのを、私は最大限に利用します。女性だからこそ母のように妻のように、客の心に静かに入って、聞き役になって上げられるのだと思います。
・ヴェネツィア一の水上タクシー運転手
どんなお客でも、料金はもちろん常に一律です。私は仕事を始めてこのかた半世紀、常に澄み切って綺麗な仕事をする姿勢を貫いてきたことに誇りを持っています。
・パーソナル・ショッパー
次々と買い物を重ねるという行動は、自分に対する深い愛情があり、他人にも愛情を与えたいという気持ちの表れでもあります。注意しなければならないのは、贈り物を買うことで愛情を得ようとしてはならないこと。贈り物をもらったらすぐに返礼しなければならないというような押し付けになってはならないのです。
相手に負担を感じさせないためには、高額で大げさな贈り物をしてはならない。贈り物の進化は価格に関係なく、根底にある愛情、気持ちであることを忘れてはなりません。
・イタリアの鉄打ち名人
手がさかさまにつ自分の店を開こうと決意する。けられて運ばれてきた彫像を見て、父と私は大慌てで責任者だった建築羽化に連絡しましたが、彼は逃げたのです。私たちは思案した挙句、鉄を打ってぶどうのつたを作り、豹皮のマントの上から手にかけて蔦が柔らかく垂れ下がり、手先を包み込んでいるように見せたのでした。
・絵画修復の魔術師
私がついていたのは、貧乏な家に生まれたということ。
・自転車界のフェラーリ
療養中にコルナーゴはプロのサイクリストとしての将来は断念し、その代わりに
有望な選手に、「貸しておくから」といって、素晴らしい自転車を贈る。
その後、レースで優勝するようになってからも、一切お金を受け取ろうとはしませんでした。
・年間生産量1500本の幻のハム
必要以上に高い価格はつけません。私がハム作りにかける手間隙に対する評価分と、上質の原材料代が組み込めればそれでいい。
・世界最高のラガー・ビールメーカ
現在、目なぶれあのブランドの所有者は、イタリアのメーカー<フォルスト・ディ・メラノ>になっていますが、けっして会社や製品の現状を変えない、というのが売却の条件でした。
・フィアット社の切り札の女性エンジニア
あらゆる物の仕組みを知るのが好きでした人形を買ってもらっても、その顔つきよりも、寝かせると目を閉じる仕組みのほうが気になるような子供だったのです。
・世界一美しいカシミア製品メーカー
会社の経営の第一目的を、人間としての尊厳を保つこととしているのである。
ただ利益を出すことだけが目的でない。私はk、自分が作る商品を通して夢を広めたいのです。
普通の経営者なら、利益が出たらすぐに別荘を建てたりするだろう。ところが、事業利益は社員の住居や労働空間の環境を向上させるために還元する。
・家業を売り払い、ゼロからスタートした玩具メーカ
ジオマグ。ジオマグやスーパーマグは、子供の創造性を高めて、工作能力の向上を助けるのに非常に有効と絶賛している。
<あなたたちはみんな、ヤギ同然の頭しかない。島民がそんなあなたたちに従っていれば、サルデーニャは永遠にヤギの島から抜け出すことは無いだろう>
玩具購買量は、アメリカ一国だけで、世界の残りの国全部をあわせた量に上ります。
・板金プレス業界のリーダー
夫は仕事場で事故にあい、怪我をして入院することに成りました。なのに会社の経営者は、入院中に夫を見舞いにすら来なかったのです。
社長の経営方法は、人材の少数精鋭主義にある。必要最低限の人数にスタッフを絞り込み、幹部とも工員とも家族同様のごく密接した濃い関係を築きあげる。
子供たちは、賢明で向上心にあふれています。大学に進んでも、しっかりと勉強していい成績を収めたに違いありませんでした。それを私は、自分のおろかな恐怖心のために妨げてしまった。人生をもう一度やり直せるのなら、何はさておき、子供たちを大学に進学させてやりたいですね。
・世界一のシェアを誇るスポーツ用ネットメーカ
私たちの船作りの哲学は、美しさと伝統、文化の究極を作ること。こうした船を生み出すためには、20年の修行が必要だと思います。
・悪魔祓いの第一人者
エクソシストの製作の際、コンサルタントとして現場へ呼ばれました。映画に登場するシーンなど、実際に見てきた恐ろしい光景とは比較になりません。
カネは、悪魔の大使です。悪魔祓いをするために金を要求するようなものは、まさに悪魔の代理人です。
・世界一のパパラッツィ



2009年4月29日水曜日

この世で一番大事な「カネ」の話/西原恵理子

生まれる場所を人は選ぶことができない。
だとしたら、ねぇ、どう思う?
人って、生まれた環境を乗り越えることって本当にできるんだろうか?

みっともないから、やめなさい。母親からそういわれるのが本当に嫌いで、言われるたび、「この人は体裁や世間体ばっかり気にして、何にも分かっていない。」って心のそこから反発していた。

最下位の人間に、勝ち目なんてないって思う?
でもね、最下位の人間には、最下位の戦いってもんがあるんだよ。

お父さんが死んで、自分だってこの先どうやって生きていくのか分からないときだったのに、そうやってかき集めた全財産百四十万円のうち、百万円を私に手渡してくれた。
「これで東京に行きなさい」

プライドで飯が食えますかっての!
私に言わせるなら、プライドなんてものはね、一銭にもならないよ。

ひとつの仕事が次の仕事を呼んで、仕事の道ができていく。
だから私は思うのよ。才能って、人から教えられるもんだって。

今、じぶんっがいる場所が気に入らなくって、つらい思いをしてる子だって、その「いやだ」って気持ちが、いつか必ず、きっと、自分の力になる。

あからさまに馬鹿にされたら、ふつうは心が折れちゃうけど、あとで漫画に描けると思えばオイシイったらありゃしない。
大事なのは、単に金があるってことじゃない。働くこと。働き続けるってことが、まるで自家発電みたいに、私がその日を明るく頑張るためのエンジンになってくれたのよ。

「負けてもちゃんと笑っていること」これはギャンブルのマナーの基本中の基本。
ギャンブルって言うのはどうやって勝つかじゃない。負けたときにどう切り返すかだ。

魚のにおいがするお金。それはものを作った対価としての金。その日働いた対価としてのカネだよね。

手で触ることのできない、ただの情報みたいに見えてしまうカネと、そういうにおいや手触りのあるカネとでは、なにがどうちがうんだろう?
やっぱり、カネの重み、カネのありがたみってものが違ってくるんじゃないかって思う。

若いうちに、このお金は今日一日稼いだ稼ぎだと実感できるような体験を積んでおくことが凄く大事だと思う。

みんなで外でご飯を食べたのに、自分だけ食事代を払わないで、知らん顔してる子もいる。払わないで住むんなら、払わないに越したことがないという態度で、自分からは絶対に出そうとしない。でも、財布の中に払えるだけのお金がないわけじゃないのよ。あれって何だろうね?
「損したくない」ってことばかり考えていると、人って、ずるくなるんだよ。少しでも人より得しようって思うから「だったら、ずるしちゃえ」っていう気持ちが出てきてしまう。
そういう意味では、「女の子なんだから、おごられて当然よね。」っていう文化があるよね。私はれもどうかと思ってる。
うちのお父さんなんて、私が男の子と会う日には、「おごられるくらいならお前がおごれ!」って、お小遣いを余分にくれたりした。

「アルバイトと世界放浪は、男の子の必修科目だからね!」って、今のうちからいってあるんだよ。
男の子は外の釜の飯を絶対に食べなきゃいけない、アルバイトをしてできるだけいろんな仕事を経験して、外の世界の大人からたくさんしかられてきなさい、って。

そんな不安定な時代に「旦那から愛される」ことだけを担保に生きていくなんて、危険があまりにも大きすぎる。人の気持ちと人の金だけは、あてにするな。

自分が稼いだこの金は、誰かに喜んでもらえたことの報酬なんだ。そう実感することができたら、それはきっと一生の仕事にだってできると思う。

働けることの幸せ、働く場所があることのありがたさについて、考えてみたことがありますか?
「餌をもらって生きる」だけじゃ牛や馬と同じになってしまう。人でなくなってしまう。
そうじゃなくって、やっぱり「働くことができる」「働ける場所がある」ってことが、本当の意味で、人を「貧しさ」から救うんだと思う。



2009年4月28日火曜日

断る力/勝間和代

この本を2時間後に読み終わったとき、そして、「断ること」を能動的に始めたそのときから、あなたの生産性は何倍にも、何十倍にも向上するのです。
ただし、「断る力」は大変強力な武器であるため、扱いもとても慎重に行わなければなりません。撫養にやたらに断るのではなく、どういうところでは断り、どういう場面では逆に歯を食いしばって引き受けてベストを尽くすべきなのか、その判断能力をこの本をきっかけに、みなさんの生活の中で培っていってほしいと思います。
同調傾向は悪いことばかりではありません。相手を気遣い、空気を呼んでチームワークをとることができます。
しかし、同調傾向が高い人は、うつ病になりやすいとの筑波大学の松崎一葉教授の研究もあります。

2軸に分ける
努力を惜しむ・惜しまない
評価を他人に預ける・自分に預ける

あなたはシゾフレ人間か、メランコ人間か。和田秀樹さん

・「断る力」の効力を知る
全ての人はエスパーではないのだから、言葉でコミュニケーションしない限り、分かり合えない。
指示を出したときに質問が少なすぎる。受身の姿勢では断るための材料すら、判断して、考えて、用意することすらできないのです。
事実なんてない。あるのは認識だけだ。

自分が正しければ、いつかは周りが認めてくれる。
自分さえしっかりしていれば、最終的に周りが助けてくれる。
そんなことはない。

アサーティブの4つの柱
1.誠実(自分の気持ちに気づいて、ごまかさないこと)
2.率直(気持ちや要求を伝えるときは、相手にきちんと伝わる形で行うこと)
3.対等(自分を卑下したり、相手を見下したりしないこと)
4.自己責任(自分の行動の結果を全て、自分で引き受けること

自分の評価の軸がある人/他人に評価をゆだねてしまう人
努力が成果に結びつくことを信じる人/努力を重んじない人

うつ病になりやすい・負け組み・ストレスなく成功しやすい・体育会系

断る力を持たないと、言われることをこなすだけの子供サッカーになる。
高学歴な人間は、良い意味でも悪い意味でも、環境適応性が高い。

私たちが24時間365日、全ての人たちに良い顔をして、相手の望むように行動して、相手に成果を出し続けるそういうことができるでしょうか?
全ての人に好かれる必要はない。

嫉妬のコントロールを行うには、自己肯定感を持つしかないのです。
嫉妬されるようになったら、それを自分の才能が伸びてきた証拠だと考える。

なにか活躍したい、大きなことを成し遂げたいと思った場合には、嫌われるリスクを果敢にとらないと、そのリターンは確保できないことになります。

相手を軽蔑している感じ
相手を嫌っている感じ
相手に対する絶対的な無関心

を出さないように心から努力をする。

特定の人たちに後ろ指を指されることを恐れて、これまであった突出したやる気を失うこと。
私たちが相手からどのように対応してほしいか、取り扱ってほしいかは、私たちの言動が相手に教えている。

・自分のゆるぎない軸を持つ
自己評価が正しくない人は、転職しても高い確立で失敗する。
自分の得意・不得意な分野を明文化すると、不得意な分野で秀でている人がいても、嫉妬や落ち込んだりすることが少なくなる。
他社にどう移っているのかを情報として仕入れて、自分としては自分をどのように評価するのか、あくまでもその判断材料に使う。
「自分の軸」を持つのは30台前半までに。


・相手への建設的な影響力を発揮する。私たちが、自分が正しくて相手が間違っている、というのはあくまで、私たちの認識です。
空気を読んだ上で、相手のことを無視できる力を持つ。
上司は思いつきでものを言う。
日本人は、何も考えずにいわれたことに対して、従うという思考の癖がついている。
断る力が自己確信を強める。

・「断る力」で自分と周囲の好循環を作る
断る力を持たないということは、
自分の世界に閉じている。
自分の成長機会を放棄している。

全ての人に好かれるのは不可能
全ての相手に真剣な係わり合いを求めるのも不可能
だからこそ、
互いが生まれ持った素質をなるべく発揮する関係性を築けるのか、この人であれば長い間、お互いを高めあえるという最愛の人を探し続けることが、他者を尊重しながらも断る力をつける最良の方法なのかもしれません。



2009年4月10日金曜日

「起きていることはすべて正しい/勝間和代」

ハイブリッドめーるhttp://hbm.post.japanpost.jp
ネット上からテキストを送って送り先を指定すると、普通の封書の郵便物をオンラインから出せるサービス。
行動が早くなる。

オーラというのは、メンタル筋力のあらわれ。
1.行動力がある
2.性格が良く、応援したくなる
3.ディープスマート力がある
4.新しいことに興味が強い
5.全てを客観視する習慣がある

迷ったときには、とりあえず新しいこととか、よりリスクが高めなことをやってみる。
ごく単純な発音の違いを、しつこいくらい基礎の発音練習をネイティブの先生と繰り返し行う。

スポック博士の育児書、定本 育児の百科
育児をすることで、セルフエスティーム、自己肯定感が芽生える。

メンタル筋力度自己診断
A脳内フレーム120%活用力(5)
B即断即決力(3)
Cパーソナル資産力(2)
D人間関係力(5)

メンタル筋力を鍛える心構え
1.うれしがりすぎない、悲しがりすぎない
2.現状を多面的な視点から受け入れる
3.メンタル筋力が強い友人と付き合う
4.利他の精神を養う
5.小さな成功体験を積み重ねる
6.失敗の芽をあらかじめ摘んでおく
7.能動的に考える時間を増やす

自分が考えている自分と、人から見られている自分をなるべく狂わないようにしておく
どうやって無意識、潜在意識で処理されてしまうプロセスを自分の味方につけるか
日常的にネガティブな言葉を使わないこと

成長パスの土台となるNLP
NLPについては、内容を疑う人が多く、また全ての問題やパフォーマンス改善が必ずしも、NLPだけで解決しないのも事実。
しかし、その仕組みを知っていることは決して無駄にならないはず。
オススメ本
「神経言語プログラミング」
「リフレーミング」

マインドマップは、概念の固まり(スキーマ)をグラフ化することで、顕在意識だけでなく潜在意識に対してのアクセスをしやすくなること。

両親を持たない人たちーー25人に一人という恐怖(ソシオパス)

努力はすべきだと思います。しかし、大事なことは、むやみやたらに努力するのではなく、正しい部分に集中して努力をすることなのです。

自分のやりたいことを良く理解し、相手にハッキリ伝えていくことで、だんだん自分が望まない仕事が減ってくるのです。

なかなか改善が進まない人については、「自分の能力を過大評価していて、失敗したときに全て原因が自分以外にあると思いこむ思考習慣」があることなのです。

相手が何に困っているのだろうと言うことに集中し、自分ができる範囲で他人の問題を取り除くにはどうしたらいいかを考えることで、本質的な解に近づくことができます。

「売れる仕組み」を作る3つの要素
1.少数の目利きに対してきちんと浸透する
2.記憶に粘ること
3.環境が後押しする


パーソナル資産、
経験・・・時間は平等だが、濃度は違う。できるだけ色々な人にあって、新しい経験をする仕事をすることをオススメします。
技術・・・「無意識レベルにまで高めることができた能力」
お金・・・将来に投資することができるお金
人脈・・・どれだけ周囲の人に恵まれているか。

決断とは、「これまでとは違う状態に自分を変えること」
新しい経験やアイデアは人とのコミュニケーションの量で産まれてきます。
本を読むことが大事
普段からなるべく自分の体験について、勇気を持って新しいこと、違うことをやってみることが大事です。

「起きていることは全て、自分に対するメッセージ、あるいは何らかのチャンスとして受け止めよう。そして、そのメッセージを分析し、そこに対して自分の持っているパーソナル資産を正しく割り当て、使い切り、最大の成果になるように行動を続けよう。」

成功とは、「自分の能力を最大に発揮することで、周りの人の助力を得ながら、自分の好きなことを達成し、それで他の人に貢献できること」

職場に限らず、ちょっとしたコミュニティでもメーリングリストを活用することで、相手を気持ちよく褒めることができる。

アサーティブの基本は、情報を包み隠さずに共有し、互いに知恵を出し合って、共同で問題を解決していこうという発想です。

上昇志向と言うよりは、毎日を楽しく、自分の力を最大限に発揮しようとする志向が、結果敵意に上昇志向に見える。

「勝間和代だからできた」のではありません。ほんのちょっとした考え方の違い、習慣の違いであり、また、技術の違いでも誰もができることだと確信しています。

2009年3月31日火曜日

非常識な成功法則/神田昌典

成功法則が嫌いな人が成功するための実用書。

誰でも、望むことは実現できるというシンプルな法則。
凡人にとっては、お金を稼ぐことに対する懐疑心を持つのは致命的。儲かり始めた途端に自分で自分にストップをかける。謙虚であることも不利。

2つの軸で切る。

お金:貧しい、富
心:悪、善

本当の豊かな金持ち、宗教家?、成金、凡人

まずは、悪のエネルギーを活用する。その後、必死になって、心の面でも豊かになるように努力するんだ。


目標は紙に書くと実現する。

やりたくないことを書き出してから、本当にやりたいことを探し出す。
やりたいことを見つけたいなら、やりたいことを見つけようとしてはいけません。
 本当にやりたくないのか?さらに一番やりたくないことはいったい何か?
 次のステップに進むために、すでに十分な学びを得たか?
 もしまだだとしたら、十分な学びを得るためには、いったい何をする必要があるか?

ミッションを書き出す。
自分の命があと半年しかなかったら、いったい何をやらなければならないのか?
やりたいことを時間単位で細分化し、最後の最後で出てくることがやらなければならないこと、ミッションとなる。
その半年の間に、お金を一銭ももらえなくてもやるべき事は何か?

ハードディスク(右脳)の入った情報を、画面(左脳)に引っ張り出してくる。

潜在意識を使うためには、質問がスイッチとなって、アンテナを張り出す。

記憶は脳の一部に貯蔵されているのではなく、思い出す瞬間に、毎回再構築される。

目標を書いた紙を、夜寝る前にボヤ〜っと眺める。
次に、目標を眺めながらニタニタするというのが効果的だ。
クリアファイルを持ち歩く。

目標の形式のチェックをするSMART
S(Specific)具体的である・・・年収アップ
M(Measurable)計測ができる・・・1000万円
A(Agreed upon)同意している・・・この年収は確かに必要だ
R(Realistic)現実的である・・・そのぐらいは達成可能な数字だ
T(Timely)期日が明確・・・期日が明確

目標を毎晩10個書く
特に重要な目標の一つに○をつける。
どんな小さな行動でも良いから、行動できることを書く。

目標自体に、やりたいこととやりたくないことが同居している。
そこで、やりたくないことを明確化し、やりたいことを考える。
その目標を潜在意識にプログラミングする。
まず目標を紙に書く。そして、クリアファイルにとじて、寝起きと寝る前に、ニタニタと眺める。
できれば鞄の中に入れて持ち歩く。さらに目標の実現を加速化したければ、目標を毎晩寝る前に10個書き出す。

「セルフイメージ」
自分は凡人だというイメージを持っていたら、成功者にはなれない。

「スーパー・ラヴィング・ファーザー」
年収を上げたいという目標を持って居るんだったら、肩書きを変えて、セルフイメージを持たせる。
それにふさわしい、服装や態度を取るようにする。

愚者は自分でできると考える。賢者は先人の知恵から学ぶ。
フォトリーディングのススメ。
美術館で絵を見る場合には、絵全体を眺めるだろう。
いきなり絵の具の色や筆使いを細かくチェックする人は居ないよね。
「優れた人との人脈を大切にすれば成功する。」
伝説級の人に、「乗らないと損になる提案」をする。

マーケティングとは、「優良な見込み客を営業マンの目の前に連れてくる」
営業は、「その見込み客を、成約すること」
あなたが今買わなくても、私は別に構いません。

感情マーケティング
殿様セールス

セールスの目的は、相手を説得することではなく、相手が買う確率が高いかどうかを判断すること。
購入する確率が低い客は、さっさと断らなければならない。

商品を批判しまくった小売店常務に、高飛車な態度で判断を仰ぐ。

見込み客から早くNOを引き出すようにすると、お客の側から売ってもらおうという努力を無意識に始める。

顧客リストに空席が出たとき、それを埋めようとする力が働くのだ。だから、あなたにふさわしくない客は積極的に切って、顧客リストから外さなければならない。
すると、もっとふさわしい客に出会えることになる。

お金に縁遠くなるのは簡単で、「人生、お金じゃないよ」と言えば良いんだ。
「お金を稼ぐことがそんなに重要なのかね」と良いながら、お金持ちに嫉妬していればいい。

ぽたぽた落ちてくるミズノしたにコップを置いて、水をためているとする。のどが渇いたからって、まだ半分しか貯まってないのに飲んじゃうだろ?これは最低。
なみなみ一杯になるのを待って、それでも飲んじゃダメ。一杯になって溢れてたれてくるやつを舐めて我慢するの。

マーフィーの成功法則
結局は、自分が考えた人間に、自分はなる。年収ですら、自分の決めた額になる。

だいたい、本を読んで、実行に移せる人は、10人に一人。9人は評論家であって、何もしない。
残念ながら、その人の現実はどう転んでも変わらない。行動だけが現実を変える。

現在と将来
悪い面と良い面

このマトリックスで考えると、現在の良い面と、将来の悪い面が自分を引き留めて、どうにもこうにも前に進むことができない。
決断をする際には、実現したい状況に至までのシナリオを描いている。
現在の良い面を最大限、残しながら、同時に将来の悪い面を最小化する。

現在の良い面を残そうとするから、決断できないのではないか?
→決断力のある人は、4つのバランスを無意識に意識できている人。

エレベータというタイムマシンに乗って、成功している2年後の自分に会い、どのように2年前に立てた目標を実現したか、、、を話してもらう。

その初めの一歩を教えてもらうことで、未来と繋がる。

成功に向かっては知るときにすでに、失敗の萌芽が生まれつつあるのである。
1.完璧を目指さないこと!
2.家族を大事にすること!
3.稼いだお金を有効に使うこと!

お金ではない。新しい自分に出逢うことが重要なんだなぁ。
今までも自分の枠を取り外していく。今まで見えなかった現実が開ける。

こんな当たり前のことに気付くために、ずいぶん回り道をした。
TRUST YOURSELF

*やりたくないことの明確化
*やりたいことの明確化
*私のミッションを書き出す
*目標を難なくこなせるセルフイメージを書き出す
*そのようなセルフイメージにふさわしい服装、髪型、持ち物か?自分の外見も変える。

2009年3月17日火曜日

草食系男子の恋愛学/森岡正博

タイトルの草食系男子とは、新世代のやっしいだんせいの事だ。異性をがつがつと求める肉食系ではない。
草食系男子にとって必要なのは、モテるためのテクニックではない。心の中の「誠実さ」を、具体的な行動に表して、異性へ届けるための技術なのだ。

2009年3月14日土曜日

ビジネス<勝負脳>/林成之

北島康介選手に、「勝負脳」を伝授した著者が、人間の限界、130%の力を引き出す方法を徹底解説!

人間の本能的欲求は、「いきたい」「知りたい」「仲間になりたい」の3つです。
それぞれ、家族、科学、教育、文化、社会、ビジネスとなっていく。

勝負脳とは、表現知能を考えて活かす思考知能、それに表現知能と思考知能をつなげるもう一つの、人間性、人となりの能力である性格知能の三つを一本化させて、人間の持つ才能や能力を最高に発揮する脳を意味します。

「仲間になりたい」
1.前向きで明るい性格でいること
2.医療チームに参加する仲間の悪口を言ったり、意地悪をしたりしないこと
3.人とのコミュニケーションを考え、面倒見の良い人格を持つこと
4.どんなことがあっても、「疲れた」「難しい」とか否定的なニュアンスを含む「否定語」を使わないこと

自分を守りたいが故に、周りをイエスマンで固めてしまった瞬間から、組織の崩壊は始まっている




自己チェックシート
1.自分に勝つ力
 自分のチームの弱点を明確にして、期限付きで対策を立てる
  何か意見を言って、反対意見が出た場合は、3・4日後にもう一度考え直す。
 常に自分の限界に挑戦することができる
  最初から100%集中して、力を出すことが、怠け者の脳をフル回転させるためには大事。
 目的と目標を常に正しく区別して作業する
  常に「目的は何か」を意識し、それを実現するためには、どうしたらいいのか、という具体的な「目標」のプロセスに集中する習慣が大切です。
 目的のためには自分の立場を捨てることができる
  嘘をついてまで自分の立場にしがみつくようなリーダーに、部下やお客さんはついていくでしょうか?
 決断・実行を早くする
2.理解する力
 2つ以上の情報を重ねて理解することを習慣にする
  声を出して読むなど、複数の感覚を使って、情報を得る
 理解した内容を四日後に再度確認する
 人の話を感動して聞く
  人を熱烈に動かそうと思ったら、相手の言い分を熱烈に聞きなさい。
 空間認知脳を鍛えている
  バランス、字を書く、絵を描く、姿勢を意識する、スポーツをする
 脳の「統一・一貫性」のデメリットを理解している
3.指導者としてのカリスマ性
 うそをつかない
 常に自分を高めようとしている
  後天的に身につけることができるカリスマ性は、達成率。
 自分の仕事のロマンを語ることができる
  夢が語れないリーダーは、リーダーたる資格がありません。
 ワクワクする環境を作り出せる
  ワクワクしながら聞くと、話してる相手に自信が付き、自分も触発され新しいアイデアが生まれやすい
 豊かな表情・笑顔を鍛えている
  性格が明るくないと、一流にはなれないんです。
4.独創的思考能力
 2つ以上の専門性を磨いている
  複眼的な幅広い視野に立って物事を判断しなければならない
 たくさんの文化に触れている
  思考のうねりに乗せて、新しい考えを生み出す
 知識を物語の絵や図にしてまとめることができる
  情報や内容を一枚の絵や図に残す
 自分の考えに執着しない力を鍛えている
  似たようなものを好む傾向があるので、人の意見に耳を傾ける姿勢が重要。
 素直さと、”否定語”を使わないことを信条にしている
  まっさらな集中力という素直さと、好きというレッテルを貼りまくれる思考能力
5.人間力
 人脈が多い
  ホームパーティを組織育成に使っていく
 意見や立場の違いを認める力を鍛えている
  意見が食い違う人を受け入れるには、相手を好きになること。
 共存・存続を守る脳の機能を理解している
  自分も儲かるが相手も良い思いをするという、共存の方向が、永続的なビジネスを作り上げるためには必要
 ほめる力を鍛えている
  相手の良いところを認めて、指示を与える
 人類・社会に貢献する素晴らしさを大切にする
  看護師一人一人に、看護師を目指した原点や、人生で大事にしていることなどをヒアリングし、本来の目的を思い出させていった。
6.過去の体験や訓練を活かす力
 想像を絶する力を発揮したことがある
  絶対目標を達成するという強い気持ちを持つことです。
 途中で勝ったと思わない
  勝負の前に、「リラックスして」とかは脳の仕組みから言うと、とんでもない。勝ってやるぞ、という意気込みが大きいほど、パフォーマンスが上がる。
 気持ちが良いほどの達成感や高揚感を味わったことがある
  4拍子半のリズムは、自然にドンドン加速が付き、気分が盛り上がる。
 会話を楽しみ、コミュニケーションを大切にしている
  会話を楽しみ、言語能力を起点に色々な脳を鍛えることができる。
 時間をおいて、繰り返し考えることができる
  思考のうねりは、ワールプールの水で育つそこからこけや鳥や魚の生態系が作られており、それに似ている。

2009年3月4日水曜日

最強の集中術/ルーシー・ジョー・パラディーノ

膨大な情報が容易に入手できるようになった現代社会では、集中力の価値が急騰している。
人生という法廷で判決を下すのは、他の誰でもなくあなた自身である。
あなたが何に注意を払うか教えてくれれば、私は、あなたがどんな人間か当てられる。

私の心の中では、2匹の狼のすさまじい戦い。一匹の狼は不安・怒り・罪・強欲の化身。もう一匹は、信頼・平和・真実・愛・理性の化身。これと同じ戦いが、あらゆる人の中で続いている。
どっちの狼が勝つの?
お前がえさをやって育てた方だよ。

集中力を削ぐ最大の的は、「あのボールを取れていれば」「ラケットを下げていれば」という自己批判の声
自分の失敗や過ちを素直に認められるなら、おそらく「フロー」状態にあると判断できる。
もう一つの見分け方は、邪魔されても気分を害さずにいられるか。



集中ゾーンを知る
 アドレナリンを数値化する。

1.まずは自分を知る。
 心の番人
  「○○さんなら、こんなときなんて言うだろう?」
 アドレナリン・スコア
  0:ハンモックで昼寝、5:集中し仕事中、万事順調、10:大切な人が事故に遭い、安否不明
 「自分は今、何をやっていないか?」
2.気分転換のスゴ技
 4点呼吸法
  4秒息を吸う→止める→吐く→笑顔
 パワーブレイク
  戻って最初にする仕事は、自分が好きな作業に、
  次の休憩をいつ取るか決め、先の楽しみを作る
 「ながら作業」を使いこなす
3.先延ばし撃退法
  先延ばしにすると考える人が増えている
 自信を培う
 やる気に火をつける
  行動を起こせば心は熱くなる、取りかかればその課題は成し遂げられる。(ゲーテ)
  初めから良い結果を出す必要はないが、とにかく始めなければいい結果は出せない。(メアリー・マーシャル)
  今を生きよ。(ホラチウス)
  例え正しい道にいても、じっと座っているだけでは轢かれてしまう(ウィルロジャー)
  先延ばしは時間泥棒と同じ(エドワード・ヤング)
 過去を語り直す
4.不安を打ち負かす
 現実性をチェック
 対処プランを考える
 思考の置き換え
  今できることを考える。自己批判の声を黙らせるのではなく、むしろ準備不足を指摘してくれた自分の潜在意識に感謝する。
5.緊張をコントロール
 クールダウン
  世の中には、口を閉ざすべき場面が2つあるという。一つは水中にいるとき、もう一つは怒っているときだ。
  いらだちの原因から離れてジョギングしたり運動すれば、頭がすっきりし、前頭葉も支配力を取り戻す
 不安を暴く
 自己主張スキル
  自分の権利を正しく理解し、意識することから始まる。
  誰かが自分より楽しい思いをしているのではないかと、不安がるのはやめよう。自分が今一番必要としているのは何か?
  後でできることは、ノーといい、何か一つイエスと言えることを考えよう。
6.やる気を奮い起こす頭の使い方
 意味ある目標を見つける
  目標設定の技術とは、必要な労力と期待される報酬によって、ゴールを抗しがたく魅力的なものにすることである。
 やる気を長持ちさせるツール
  結果ではなく、最善を尽くすことを目標に
  成功への会談
  風にたわむ木
 死の間際にどう思うか?
  毎日を人生最後の日のごとく生きれば、いつか必ず正しい道に至る。
7.段取りを整える
 セルフトーク
  3項目のやることリスト
  自己指示
  心の錨
   自分にとって価値ある成功体験を最低3つ思い出してみよう。
  自己肯定
   友人・親戚を見せた後、彼らが自分の目標を理解し、応援していると感じている場合には、集中力・問題解決能力が飛躍的に向上した。
   私は出来る人間だ、今日これを仕上げる、できる、集中ゾーンがある、やる気がある
  思考の置き換え
 姿勢の見直し
  「成功とは、失敗を重ねても熱意を失わない才能のことだ。」
 メンタルリハーサル
8.生活習慣から意識する
 集中できる人の生活習慣
  食事のバランス刺激物の活用
   カフェインの摂取量を減らす。飲むなら午前中だけ。
   毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きる
   就寝時にリラックスできる日課を作る
  運動
  リラックスとユーモア
 頼りになる友人
  集中力を高めたければ、自分と同じ価値観を持つ友人を選ぶこと
 身の回りの整理整頓

2009年2月25日水曜日

あなたもいままでの10倍本速く読める/ポール・R・シーリィ

フォトリーディングの考え方と実践方法について書かれた本。

読んだだけでは、正直よく分からなかったが、やってみると、なるほど・・・効果的だと思うし、なかなか興味深い。

すこし修正を加えながら、自分なりのやり方を見つけていこうと思う。

フォトリーディングのプロセスとは、
・準備
・プレビュー
・フォトリーディング
・アクティベーション
・高速リーディング

五日間テスト
1日目
2日目
3日目
4日目
5日目

シントピック・リーディング
目標設定
文献目録を作成
アクティベーション前に、全てフォトリーディング
大きなマインドマップを作成
スーパーリーディング、ディッピングで関連箇所を見つける
自分の言葉で要約
テーマを見つける
論点を定義
自分自身の見解を導出
活用する

2009年2月15日日曜日

史上最強の人生戦略マニュアル/フィリップ・マグロー

勝間和代さんが、影響を受けたという本を、ご自身で翻訳された本。

この本から、4つの大切なキーワードを見つけました。

・現実主義
 自分の至らないところは、素直に認める
 問題となっているところと、真剣に向き合い、安全地帯に逃げ込むな
・夢と目標
 今、私が手に入れたいものは、本当に自分が求めているものだろうか?
 常に、夢と目標を具現化していくことが重要
・行動主義
 「絶好の時」なんてものは、今をおいて他にない。
 知識や意識、洞察や理解は、行動に変えないと何の価値もない。
 全てのヒトは、あなたの意志ではなく、行動だけに関心を抱いている。
・自己責任
 思考は現実化するので、マイナス志向をやめる。
 他の誰も自分のためには戦ってくれない。
 考えを選択する、という感覚を持つ。
 あなたの人生に起きることに、あなたが持たせる意味は、あなただけのものだ。

課題1:書き出して欲しい。心の奥では問題だと分かっていながら認めていない、あるいはとにかく辛すぎて避けていることは何か?
→問題に向きあう
課題2:作文。「この本を読んで勉強しても、私は、有意義で長続きする変化を作り出せなかった。その理由は・・・」
→自分の人生をよりよいものに変えるのを妨げる考えを知る。
課題3:人生の中で盲目的に信じて受け入れた、あるいは伝統や歴史に従って行ったことがあれば、書き並べよう。あなたと同じくらい何も分かっていない他の誰かがそうしたからという理由で、ある種のやり方を取っているケースが沢山ある。
→知るべき事がもっとあるということ、そして自分の知識が間違っている可能性があることを気付かせる
課題4:心の中で犠牲の役を演じていたかも知れない過去の出来事を5つあげる。
→酷い結果になったのは、自分の責任であることを確認すること。
課題5:あなたが聴いているマイナス思考の「テープ」のベストテン・リストを書いて欲しい。
→どれだけマイナス思考を行っているか、確認してみよう。
課題6:自分の人生の中で特に不満に思っているのに、なかなかやめられないマイナス指向の悪い行動パターンや状況を5つ書き出す。
課題7:マンネリ度診断テスト
1.自由な時間があると、テレビでお笑い番組などを見る
2.Tシャツとだぶだぶのズボンやパジャマ姿と言ったように、「制服」と言えるくらい家では同じ服を着ている。
3.5分前にのぞいた時には無かったものが見つかるかも知れないとばかりに、冷蔵庫の中をじっと見つめる。
4.まるでスポーツ観戦するかのように、それも安い席で観戦するかのように、人生を扱っている。
5.テレビを見ていて、登場人物になりきるくらいにまで感情移入して、実在の人間であるかのように話す。
6.思い切ってお急ぎ用のレジに並ぶ前に、カートの中にある商品の数を何度も数える。
7.クチにする話題は、仕事や子供の話ばかりだ。
8.珍しく、出かけようと決心しても、行き先を決めるのに30分かかる。
9.外食するときには安い店にしか行かず、高級店には入らない。
10.セックスするのは、年に4回で、それもテレビのコマーシャルの時間に合わせて4分以内で終わらせる。
11.現実には絶対にしないことについて、空想にふける。
12.幸せ一杯に見える人が居ても、そんなに幸せになれるはずがないと思っているので、疑いの目を向ける。
13.人と居るときより一人だけで居るときの方が、行動の基準が低い。
14.自分の人生で起こりうる最も胸躍ることは、すでに起きてしまった。
15.目覚めたとき、また新しい一日を始めるのが怖い。
16.人の中にいても孤独を感じる。
17.自分の容姿や身だしなみの基準が下がってきたように思う。
18.人生の目標は、あと一週間、あるいはあと一ヶ月、何とか暮らしていくことである。
19.どんな質問かにかかわらず、「ノー」と返事することが多い。
20.知らない人に会おうと思ったら、車のボンネットの上に身を投げ出してもらうか、自分が見ているテレビの前に座ってもらわなければならない。
→如何に違うことをしていないかを知る。
課題8:人生の中でもっとも大切な人を今すぐ5人から10人書き出し、このまま死んだら言葉にしないで終わることを正直になって書き出してみよう。
→「言葉にしなくても、向こうは分かっている」といった言い逃れは許さない。は、通じない。
課題9:人生のそれぞれの分野の欄に、とる必要があると感じている行動を必要性が高い順に4,5つ書く。個人面・対人関係・仕事・家庭・精神
→皇后が必要な人生の主な分野を把握する。
課題10:心の中を探って、毎日あなたについて回っている否定的信念を見つけて欲しい。
→否定的信念をチェックする。
課題11:自分で意識している人生の決断のを、当たり前のことだと片付けずに、全て書きだそう。
→自分の人生に大いに必要とされる秩序を探り出す
課題12:「大事な人」との関係シート
1.正直なところ、私は与える側だ。
2.私たちの関係は、2人の大人の関係と言うより親子の関係に似ている。
3.2人のけんかはますます頻繁に、激しくなっている
4.やたらと謝っている
5.一人だけで過ごす時間と空間が必要だと感じる
6.この一年の関係を振り返って、犠牲を払ったり変わったりしたのはたいてい自分だ
7.2人の関係を他人に言い訳をする
8.感情面で必要なものが満たされていない
9.そのせいで、実質的には自分を騙している
10.相手の関係で性的欲求不満を感じている
11.夫婦の関係よりも仕事や子供が優先されている
12.相手の知らない大きな秘密がある
13.自分は利用されていると思う
14.こんな関係のまま生きるよりも、人生にはもっと何かがあってしかるべきだ
15.自分もしくは相手の両親の夫婦関係と全く同じパターンが、見られるようになってきた
16.怖くて、本当に親密な関係になることができない。
17.2人の関係で正しい行動を取っているのは僕だけだ
18.2人の関係で罪悪感が大きな要素になっている
19.2人の関係で、自分はただお義理に振る舞っているだけだと感じる。
20.夫婦と言うより、同居人の関係に似ている
21.現在のような関係ではなくなったときのことを空想する
22.相手と波風を立てないようにするためには、本当の自分を出してはいけないと感じている
23.二人の関係のために努力するのをやめ、ただ現状を受け入れているだけだ
24.今のような関係で居るのは、自分が心から望んでいるからと言うより、昨日も相だったからに過ぎない。
→如何に自分が見返りを要求しているかを認識し、それを絶つ
課題13:あなたを憎しみや怒り、憤りでがんじがらめにした人間が誰か突き止め、ノートに書き出すのだ。
課題14:人生に求めるものをつかむ問い
1.何が望みか
2.そのためには何をしなければならないか?
3.望みが適ったら、どんな気分になるのか?
4.ということは本当の望みは何か?
5.そのためには何をしなければならないか?
→自分の望みを正確に特定する
課題15:人生の次元、それぞれについて自己評価を行う。
理想
1.私の行動には・・・の特徴がある
2.私の内なる感情には・・・の特徴がある
3.なくなるであろうマイナス要因は・・・だ
4.存在するであろうプラス要因は・・・だ
現実
1.関連する私の実際の行動は・・・だ
2.私の実際の内なる感情は・・・だ
3.存在するマイナス要因は・・・だ
4.今はないが必要なプラス要因は・・・だ
現実にある否定的信念や判断をすべて赤で囲む
現実を理想に変えるために、乗り越えなければならない障害をあげる
この次元で理想に変えるために、利用できる資源をあげる
あなたの自覚的障害単位を評価(理由も)
必要性の緊急度を選べ
→現状と理想の差を正確に認識し、優先順位を決める
課題16:全ての次元について15の評価を終えたら、優先順位一覧表を作る
→行動を起こすべき優先順位を認識する
課題17:自分の性格プロフィールを書いてみる。
→自分を把握する
課題18:自分自身の成功例を導き出す。
→成功例を研究する



「つまづくことがあるだろう」→それはわかっているし、それに対処するつもりだ
「あなたは成功しないかも知れない」→すぐには成功しないかも知れないが、最後まで頑張るつもりだ。試みて失敗しても、私の値打ちが減るわけではない。
「人々に拒絶されるだろう」→一度の試みで望むものが手にはいるとは限らない。けれども、望むものが手にはいるまで、求め続け、努力を続ければ、最後には報われるだろう。
「あなたは失敗するだろう」→私が失敗するとすれば、それは問題にぶつかって、諦めた場合だけだ。
「あなたには本当にそれだけの価値と能力があるのか?」→ある。とにかく、行動するのだから、それだけの価値と能力があるのだと思う。




他人を理解する。
1.彼らは自分の人生で何を一番大事にしているのか?
2.彼らは人生はどういうもので、どうあるべきだと期待し、そして信じているのか?
3.彼らは何に反発を抱き、どんな傾向ー恐怖、偏見、先入観ーがあるのか?
4.彼らはどんな姿勢やアプローチ、あるいは哲学を拒絶もしくは認める傾向が強いのか?
5.ある人物が基本的に「いい人」で、信用できるという結論を下すために、彼らは相手からどんな言葉を聞く必要があるのか?
6.彼らはどういったことを適切だと見なすのか?
7.彼らは自分のことをどのように思っているのか?
8.彼らが人生に一番望んでいるのは何か?

「拒絶」を拒み、「受入」を必要とする。
動かすには自尊心を傷つけないこと。
皆、自分はどうなるのかという不安を持つ。全ての人には、「外面」がある。
自分が理解でき類事だけを聴き、個人的に大事なことを話したがる。

目標設定の7つのステップ
1.具体的な出来事や行動の形で自分の目標を表現する
2.達成度を測れるような形で、目標を表現する
3.目標に期限を設けよう
4.コントロールできる目標を選ぶ
5.目標達成に繋がる戦略を立てる
6.段階的な目標を定める
7.目標達成までの進捗状況に責任を持とう

成功者が必ず持っている10の要素
ビジョン、戦略、情熱、真実、柔軟性、リスク、人の輪、行動、優先順位、自己管理、


2009年2月4日水曜日

名作コピーに学ぶ読ませる文章の書き方/鈴木康之

文章は書くものではない、読んでもらうものである。

施しを集めた詩人の一言
「私は目が見えません。」→「春はまもなくやってきます。でも、私はそれを見ることができません。」

書くこと以上に難しいことが、読んでもらうことです。

コピーは、商品やサービスや企業のことを、優しく親切で分かりやすく、端的で要領が良くて読みやすく、言葉が魅力的で、面白くて気持ちよく、そして発信する広告主企業の方も、読者の方も、実際に顧客となった人の方も、それぞれに得をする。

広告の場合は、無からの想像ではなく、有の発見というアプローチとなる。

メガネは、涙をながせません。

片仮名三文字の「絵」と、漢字一文字の「絵」を表現している。
そのため、流すは、漢字ではない。

どんな文章であれ、どんな得であれ、読み人が得する話を書いてください。限りなくある「人が得すること」を想像してみてください。


地球温暖化ののどかな響きはおかしい。

最初の書き出しは、軽いほど良く、三行より一行。


どんな文章にも伝えたい話にふさわしい気持ちがあるはずです。
その気持ちで書きなさい。
読んでもらいたい人の前に出たらするはずの顔つきをして書きなさい。

「これは人にぜひ聴かせたい」と思わず膝を叩きたくなるいい話を聞き出せたら持ち帰って書く。
このことを「コピーは読者への土産話である」といっている。

一つのメッセージがどうやったら一番届くかという方法論を探ること。
個性を出すとか言う事じゃない。デザインを感じさせないデザイン。
それがデザインだと思う。

君が思わずすらすらと読んでしまった物、それを何度も読み返して、なんですらすら読めたのか、考えてみたらどうだ!

一行目はどうやって書けば良いんですか?
二行目を読みたくなるように書くことだよ。

是非誰かに聴かせたいという、強い衝動に襲われるまで待ちなさい。
聞き上手の後は、上手に読まれる書き上手になりなさい。

発想を変えると言うことは、なれない人にはなかなか難しいでしょう。
要領は視点を変えてみる、鳥のように空から見下ろすのを鳥瞰といい、虫のように地べたから見るのを虫瞰といいます。
男の目、女の目、老人の目、子供の目、外国人の目、色々な立場から物事を考えてみましょう。
一発で百点満点の完成品に到達することなどできるわけがない。
毎日毎日考えて、〆切時間が来たら、もうこの時点ではこれで良いだろうか・・・と不安なまま手放している。

今日から一年で十分、自分自身について色々な視点から短くて面白い文章で書き続けてみませんか?

「人と同じ事を思い 人と違うことを考えよ」


一文一義。文章は読む人のため。

家族も家財も「動揺しない」家

名品は、どんな言葉の形容よりまさるから名品なのです。

説明のために、あらゆる言葉、あらゆる日本の文字を駆使しましょう。言葉を過信しないで、時には写真や絵や図表の力も。

クリエイティブの仕事を志望しているのなら、こんなテーマは他の人も書くだろうな、くらいのことは気付かなければダメです。
人と同じようなことをすることは恥ずかしいと思って避けなさい、独創的オンリーワンでありなさい。

Y式幕の内弁当
情報・整理・表現のチャート図

書くことは、書き直すことである。


文章は書くものではなく、読んでもらうものです。
読む人が、知って得するように、読んで満足するように書きなさい。
文章は中身が大事。
中身探しのために知らない話の世界を訪ねなさい。
書き上手になろうと思わずに、聞き上手になりなさい。
調べ上手になりなさい。
人と違うことを考えなさい。
書き直しなさい。文章を書くとは、書き直すことです。

2009年2月2日月曜日

靖國論/小林やすのり

小泉首相は、村山談話を繰り返しているのだから、靖国に祀られた戦死者を、「我が国民を含め世界の人々に対して、大きな惨禍をもたらし、とりわけアジア近隣諸国に侵略して苦痛を強いた」人々だとしか認識していない。
「A級戦犯は戦争犯罪人であるという認識をしている」とも言っている。
勝者の報復のために行われた「東京裁判」によって発生した歴史観をそのまま受け入れているらしい。

敗者にも正義があることを、言葉のどこかに少しでもにおわせなければ、国のために死んだものは浮かばれないのではないか?

彼らは単に侵略者で犠牲者に過ぎないのか?

「日本政府は東京裁判については連合国に代わり刑を執行する責任を負っただけで、講和成立後も東京裁判の判決理由によって拘束されるなどと言うことはない。」

靖国神社は明治2年、明治天皇の「我が国のために尽くした人々の御霊は国自ら永久にお祀りすべきである。」との聖旨により御創建された。

そこに祀られている御霊は、幕末の嘉永6年の死没者までさかのぼる。
それが黒船来港の年だからである。

公に殉じたものを「村の守護神」として祀ることは、地域・民間から自発的に起こっていたのだ。
すでに民衆の心に根ざし、行われていた追悼の様式を国家が引き継いだのだ。

先祖崇拝という日本古来の民間習俗。
「家」では、子孫は祖先の御霊を厚く祀りそれを受け手は祖霊の志は子孫を護り続ける。
これと同じような関係が「村」という日本特有の中間共同体では、村を護る「氏神」と祀る「氏子」という形で存在する。
そして国に殉じた人々の御霊を祀る社が作られたとき、民衆は自然に氏子が氏神に対するような感情を持ちその神霊に拝し加護を祈った
靖国信仰はまさに日本の文化・伝統・習俗の上に成立したのである。

我々は、信仰の自由が完全に認められ、神道・仏教・キリスト教・ユダヤ教などいかなる宗教を信仰するものであろうと、国家のために死んだものは、すべて靖国神社に、その霊を祀られるようにすることを進言する。

国のために命を捧げた人たちの御霊を一つの神社に合祀し、国の守り神として国民全体で護るという発想は、日本文化の素晴らしい成果であり、この気持ちこそ宗教観の根底にあり、人類共通の感じでもある。
戦争の目的が何であれ、多くの国民が民族共同体のために、良心的に命を捧げた事実は動かせない。
彼らの行為を国民の誇りとし、後世に模範として伝えることである。
そうすることによって、英霊の犠牲は国民全体の神聖なる遺産となり、国民の道徳観も養成されるのである。

外国人でも異教徒でも敬虔な宗教観があれば理解できるかけがえのない日本人の精神的遺産。

理系のための口頭発表術/ロバート・R・H・アンホルト

口頭発表術のキー・コンセプト「発表者は聴衆に受け入れられるべし」

発表者を調べておけば、特定の人物の業績を紹介できるかも知れない。

リハーサルが役に立つためには、礼儀より正直がものを言うのである。リハーサルに最も必要なのは、必ずしもその分野の高度な専門家ではなく、むしろ広い見識を持つ気さくな友人なのだ。

歴史的背景を紹介する時には、その分野の他の研究者による業績に対して、きちんとクレジットを与え、出典を明示することを忘れてはならない。
1.最大の貢献をした人物が客席にいるかも知れない。
2.先達の研究者や同僚、共同研究者に惜しみなく敬意を表する発表者に対し、聴衆は、暖かい共感を覚える

結論は「簡潔」に
・ズームアウトで最初の原理に立ち返り、関連を再び思い起こさせよ。
・強固で唯一の決定的な結論(お土産メッセージ)を示せ。
・結論を述べたら直ちにきっぱりと幕を下ろせ。

複雑な図を単純化することが、不可能な場合、最良の選択は、図の示す結論を直ちに聴衆に話してしまえ

しゃれた名刺をくれたが、そこにはなんと、連絡先だけでなくミニCDも入っていて、パソコンで履歴書とポスター内容を見ることができたのである。

アクセントを改善するには、英語圏の人と、日常生活でつき合うのがよい。
翻訳する癖をやめて、英語で考えるようになる。

はっきりと発音することと、目を合わせること。この2つが、声を遠くへ届かせるために、最も重要な要素である。

語尾上げは厳禁。

「沈黙の威力」聴衆を見つめて、強調の間を取る。
一瞬の沈黙は、千の言葉に勝る。

分と分の間で考えをまとめるときに、よく「えーと」「んー」などというが、こいつは実に邪魔な癖なので、できれば直そう。

「ほらね」という手振りでのジェスチャー

情熱は、教えることができない。おのれが内なる閃光であり、信念なのだ。

敵対的な質問を受けても、冷静さを失わずに、穏やかで外向的に対処すること。

「それは非常におもしろいポイントです。そういう見方をしたことがなかったので、じっくり考えてみる必要があると思います。あとで、ご一緒に議論しましょう。」

2009年1月24日土曜日

最後の授業 ぼくの命があるうちに/ランディ・パウシュ

無重力の世界へ旅立つためには、指導教授を辞任し、ジャーナリストとしての申込書を出すまで、徹底して交渉の場に臨んだ。
とにかくものごとを交渉の場に持ち出すこと。そうすれば受け入れてもらいやすくなる。

「レンガの壁がそこにあるのは、それを真剣に望んでいない人たちを止めるためだ。自分以外の人たちを押しとどめるためにある。」

時間をお金と同じように管理する。
・計画はいつでも変えられるが、計画がなければ変えることも出来ない
・その電話は本当に必要か・・・(必要なものを机の上におき、それを見ながら立って電話をする)
・代理を頼む
・息抜きをする(新婚旅行中に、義理の両親を説得するような、連絡方法)

教育者の一番の役割は、学生が内省する手助けをすることだ。
人間が向上する唯一の方法は、自分を評価する能力を伸ばせるかどうかだ。自分を正確に評価できなければ、良くなっているのか、悪くなっているのか、知りようもない。

学生に二週間の課題を与えて、彼らはきちんと仕上げてきました。次はどうすればよいでしょう?
なるほど、それなら明日、教室に行って、学生の目を見ながら言いなさい。「課題はとてもすばらしかった。でも、君たちはもっとできる。」とね

「頭のフェイント」では、何かを教えるときに、別のことを学んでいると思わせる。

不満を口にしない
不満を費やすエネルギーの10分の1を、その問題を解決することにまわしたら、ものごとがいかにうまく進むか驚くだろう。
僕はいつもそう信じてきた。

四肢麻痺だと、手足を震わせることが出来ないから、気温の変化はこたえるのだと話した。
しかし、同じ話は二度としなかった。寒ければ、「毛布をとってくれ」と言うだけだった。

「僕が何を考えているか、心配する必要はない。いいことも悪いことも、考えていることは君に教えるから」

チームワークの大切さ
・初対面は礼儀正しく
・共通点を見つける
・集まるときは最高の状態で
・全員が発言する
・自意識は最初に封印
・代案として問いかける

「十分に時間をかけて待っていれば、人は君を驚かせて感動させるだろう」

ずいぶん時間がかかったけど、ようやく気づいたの。自分に言い寄ってくる男性がいたら、気をつけることは簡単。彼の言うことは全て無視して、彼のすることだけに注意すればいいのよ」

幸運は、準備と機会がめぐり合ったときに起こる。
古代ローマの哲学者、セネカの言葉

自分にできると思っても、できないと思っても、それは正しい。


経験とは、求めていたものを手に入れられなかったときに、手に入るものだ。

手書きの手紙を書いたほうがいいときはそうしている。誰かの郵便受けにそれが届いた後に、どんな魔法が起こるかは誰にもわからない。

「引き受けてくださってありがとうございます。同封のクッキーはお礼です。ただし、批評がすむまで食べないようにしてください。」

悪い謝罪の典型
・「僕のしたことであなたが傷ついたなら、申し訳ない」(相手の感情をなだめようとしているが、傷口に薬を塗るつもりがないことは明らかだ)
・「僕のしたことは謝る。でも、あなたも自分のしたことを謝るべきだ」(これは謝罪しているのではなく、謝罪を求めている)

適切な謝罪には3つの要素がある。
1.自分は間違ったことをした。
2.あなたを傷つけたことを申し訳なく思っている。
3.この状況を改善するためにどうすればいいか。

自分が謝罪しても相手が謝罪しないときは、どうすればいいかと、たずねる学生もいる。そんなとき、僕は彼らに言う。「君にはどうしようもないことだから、君が悩む必要はない」

10ドルの塩コショウ入れをお土産に買った。不注意で落としてしまい、割ってしまったが、お店の人は最初の包装が十分でなかったのは、自分たちが悪いのだ、とまで言ったのだ。
「たとえ20歳の人が興奮しすぎて落としても割れないくらい、しっかりお包みしなければいけませんでしたね。」

「郵便の仕分けは自分の能力に値しない仕事だから、うまくできません」という言い訳は、だれも聞きたくない。自分に値しない仕事などない。
郵便を仕分けできないなら、他の仕事ができるという証拠がどこにあるのか・・・。

新入りの能力や技術的な才能について否定的なことを言う上司は殆どない。否定的な評価がある場合、そのほぼ全ては、いかに自惚れているかというものだ。

二つの文化を歩くことができれば、両方の世界のいいところを手にできるときもある。畑違いという困難には、相手の立場からの利益をこちらからの立場で示す、ということだ。

「申し訳ありません、お金の問題だというつもりはありませんでした。全国で15人にしか認められない奨励金なので、ここで述べるのにふさわしい名誉だと思ったのです。お気に触ったのならば、謝ります。」

とにかく頼んでみる!
「バージニアからノースカロライナまでたずねたら、30分だけあっていただけますか?」

「ランディが生きている間に助けを求めてください。そうすれば彼との時間を楽しめます。彼がいなくなったときに助けを求めてください。そうすれば、大切なことのために強くなれます。」

僕が子供たちと関わったことを具体的に語りかけることが大切だと助言してくれた。

感情の保険も必要だな。掛け金は、時間だ。僕と子供たちが一緒にいるビデオをたくさん撮っておかなくてはいけない。

若いときに親を失った人たちは、母親や父親が自分をどれだけ深く愛していたかを知って、慰められたという。そのことを知るほど、その愛を感じることができる、と。
いなくなった親を誇りに思える理由も求めている。自分の親がすばらしい人だったと信じたいのだ。

我が家の決まりの一つは、単語一つだけの質問をしないこと。きちんとした文章で質問する。

親の仕事とは、子供が人生を楽しめるように励まし、子供が自分の夢を追いかけるように駆り立てることだ。親にできる最善のことは、子供が自分なりに夢を実現する方法を見つけるために、助けてやることだ。

講義の終盤で、人生で学んだ教訓をまとめながら、自分だけでなく他人のことを一生懸命に考えることがいかに大切かと話した。そして、部隊の袖を見ながら言った。
「誰かのことを考えている具体的な例があるかな?ここへ持ってきてくれるかい?」

ジェイの誕生日をお祝いしてなかったことを説明し、お願いした。全員で歌った。

がんは、大切なことをジェイと話し合う時間をくれた。心臓発作か交通事故で死ぬ運命だったら、それはかなわなかっただろう。

まず、人の世話をすることに関する最高のアドバイスとして、飛行機の客室乗務員の言葉を二人とも忘れないようにしている。
「周りの人を手伝う前に、自分が酸素マスクを付けてください。」
面倒見のいい人は、自分の面倒を見るのを良く忘れる。

ハイテク専門の僕には、アーティストや俳優を、完全には理解できなかった。
自分のなかにある「伝えなければならないもの」の話だ。
僕にはそれが独善的に思えたのだが、最後の講義が僕に教えてくれた。
僕の中に、どうしても伝えなければならないことがあったのだ。
僕は自分がやりたいから講義をしただけではない。やらなくてはいけなかったから、講義をしたのだ。

「頭のフェイント」

夢をどのように実現させるかという話をしたのではありません。
人生をどのように生きるかという話をしたのです。人生を正しく生きれば、運命は自分で動き出します。夢のほうから、君たちのところへやってくるのです。

この部屋にいる皆さんだけのために話したのではありません。「僕たちの子供のためなんです。」



2009年1月12日月曜日

ほめ言葉ハンドブック/本間正人・祐川京子

部下をほめられることができないという人の約二割が、こうした「ほめられベタ」なタイプといわれます。

俺はどうもほめるのが苦手だ。口先だけのような気がしていけない。
と考える方がいるかも知れません。しかし、実は、「クチ」だけでは人をほめることができません。
耳と目、そして心でほめることが大切です。相手の話を聴き、状況をよく見て、仕事ぶりを心で受け止める。ほめ上手は観察上手。

似合わない服を着て、墓穴を掘ってしまう人、隣の芝は青いからといって、自分に合わないやり方を導入してスランプになってしまう人は多いものです。
そう言ったときは、その人らしさをほめることで本来持っている強みに気付かせます。

成績がトップの人に、この成績が限界ではなく、さらなる可能性があると気付いてもらうには、「次はどんな伝説をつくろうか」と質問するなど、すでにあなたの働きは伝説的な働きになっていると伝えつつ、なおかつ”もっと高い頂上が待っている”とにおわせるほめ方をすると良いでしょう。

○○さん流、○○さん塾など名前を冠でつけられると、より相手の心に響くものです。

運が良いね、よりも、強運だね、運を引き寄せる人だね、の方が相手の高い能力を認め、評価し、賞賛している表現となる。

「○○さんが紹介してくれたおかげです。ありがとうございました。」相手の存在をたたえる意味があります。

先に良いところを見つけて伝え、相手が聞く耳を持ったところで次のステップ、次のビジョン、次のしかるべき目標などを提示することが効果的なしかり方と言えます。

生命保険のセールスレディを指導した際、「経営者から武勇伝を聴いてくる」という宿題を出したことがあります。すると、今までアポイントが取れなかった人が急にアポイントが取れるようになりました。

相手に気持ちよく話をさせるためには、あえてほめるよりも、「それでどうなったんですか?」「では、子供のころは如何でしたか?」など、短いセンテンスでいかに多く質問するかがポイントとなります。

詰問にならないように質問する。
「なぜ、その技術を身につけられたのですか?」→「その技術はどうやって身につけられたのですか?」
「なんでこの世界に入られたんですか?」→「どういった理由でこの世界に入られたんですか?」

職人気質の人をほめるときは、本人をほめずに、道具をほめる。職人気質の人には、このような間接的なほめ言葉の方が抵抗無く受け取られます。

ムードメーカをほめるときは、派手は表現、擬音語を使ってほめる。

あなたの書く文章が綺麗。

人は、綺麗だねと言われると、より綺麗になっていくものです。

身のこなしや動き、言葉づかいやファッションのセンスなどに気品を感じさせる相手の仕草に対して、こうした言葉を伝えても良いでしょう。
「品があるね」

英語で、「クレバー」という表現は、小利口という幹事で余りよい印象を持たれません。
むしろ、「スマート」といった方が良いでしょう。

君じゃなきゃできないね。

一緒に仕事ができて嬉しい。

一日50回は、ありがとうを言うようにしています。




ほめ言葉の6原則
1.事実を、細かく具体的にほめる
2.相手に合わせてほめる
3.タイミング良くほめる
4.先手をとってほめる
5.心をこめてほめる
6.おだてず媚びずにほめる

4つの心がけ
1.ほめる要素を探す
2.ほめ方のレパートリーを増やす
3.力加減をコントロールする
4.あきらめずに実践する

2009年1月11日日曜日

勝間和代の日本を変えよう(Lifehacking Japan)/勝間和代

幸福な人生は、不思議なまでに、よい人生と同じである。

人のために何かでき、人に喜んでもらえたときの幸福感ほど、大きく、また長続きするものはありません。

「経済や国家の最終的な目的は子供達の幸福だ」と私は思っています。

少なくともいま絶望せず、力を蓄えている人たちにとっては、自由度の高い、広い可能性が開けるはずです。

ライフハック:
自身の生活や仕事のスタイルにおいて「気の利いた手段で、もっと快適に、もっと楽して、もっと効率よく」という方法を追求していくこと

勉強のための勉強ではなく、最終的には仕事のための勉強でもない。仕事以外の人生時間をつくるための勉強です。

日本で年収1000万円もらっている人がアメリカで就職したとすると、10万ドルもらえない。なぜならば、スピード感覚が2,3倍は違うから。

日本では、ビジネス・経営の専門教育を受けずに管理職になっている。企画の専門教育を受けずに、企画書を書いている、営業の専門教育を受けずに営業をやっている、ということです。
このままでは日本は国際競争に負けてしまうぞ、という危機感が、今のビジネス書の書き手にも読み手にもあると強く感じています。

潜在力が発揮されないような環境になっているのが問題なのです。

日本で研修といえば、社員を集めて幹部の話を聞くとか、野外活動を一緒にして共同体としての連帯感を高めるようなものが多いようですが、私が外資系企業で体験したのは、個々人の専門的な技能を高めるのが目的でした。

もはや日本ではクリエイティブな仕事しか残っていないと言えるほどです。

「日本の通勤時間と会議時間の長さが創造性を妨げている」インターネットを十分に活用できれば、この2つの障害は減っていくことでしょう。

一般的な大企業は、「男達の運命共同体」のようなもの。
最近は、あまりに変化が激しいので、変化への適合性を高めておいた方が安全なのです。「リスクを取って変化をした方が、かえって安全な時代」

「社内革命ができるのはどんな人か?」と聞かれると、「会社を辞めることができる人だ」と答えます。

家族対策費というのが、GDP比の0.7%しかない(ヨーロッパでは一番多くて4.0%)

私は日本語が好きなんで、普段の生活は日本語に囲まれていたい。

共働き家庭で、私たち女性がパートナーから言われて嫌な言葉:「手伝ってあげようか」

「九州男児と一人っ子は、娘の旦那にもらうな」と。家のことやらないから。

とにかく、根本から教育し直さなきゃいけないとなったら、男をかえちゃったほうが早いもん。

ファミリーテーブル、もっと家族で食事をしましょう。

専業主婦の方が、働くお母さんより閉塞感は強い。

こどもに十分な教育をしないなんて、もったいない、大変な社会損失です。

多少わがままで嫌な子だと思われても、自分のやりたいことを通すほうがいい。

「やってメリットがある。」という段階では、大多数はやらないのです。「やらなければデメリットがある」という段階まで追い込まれないと、状況は大きく動きません。

夫婦間の家事の負担問題は、要するに相手に対する思いやりの問題です。

子供は実際、もってみれば、こんなに楽しいものがあるのか、と感じるはずです。とくに、子育ては「自尊心」を満たします。

家族対策に対しても、ある意味もう少し利権を持たせ、一つのところに力を集中させるようにすればいいと思っています。

1996年からの労働者派遣法の規制緩和、あれは中高年の雇用を守るためだったと・・・。

良い大学を出ても就職できないというのは、やっぱりコミュニケーション能力といわれますね。

奨学金もやたらめったら返さなければいけないですし、国立だって高いですし、やっぱいrお金がかかりすぎるんですよね。

「反貧困ネットワーク」「派遣ユニオン」「フリーター全般労働組合」

これまでの資本主義によるインセンティブ体型は、経済全体が成長する段階では非常に良く機能します。
全体が成長していくと、全体のパイが広がるので、たとえ貧困階級に生まれたとしても、起業や企業内での出世など、様々なルートで自分の生まれた階級を超え、階級移動ができるようになります。

各自に自助努力を要求するが、その代わり階級移動が容易なアメリカ型と、階級の存在はある程度仕方がないと許容し、リーダーがノブレス・オブリージュを発揮して、階級の低い人たちの人権や生活を守りながら共同で発展していこうとするヨーロッパ型があるわけです。
今の日本は2つの中間で中途半端な位置にいます。

アメリカの多様性がもたらすメリットで、私のような若い頃から子持ちになったような社会人を活かしてくれるプラットフォームは、日系にも、欧州系にもなく、米国系だったからかも知れません。

ライシュ「暴走する資本主義」で指摘しているとおり、現在の資本主義の仕組みが持たなくなってきていることを、改めて強く感じました。

「最底辺の10億人の人々」「貧困の終焉」「チャイナフリー」

一次生産品とかがでてしまう国というのは、それの利権争いに走ってしまって、それ以外の産業が成り立ちにくいという実証研究もあります。

16の決意、グルミン銀行

女性が男性の監視から逃れて楽しく暮らせる時間というのが、近所の水辺まで水くみに行く行き来の時間と、そこで水くみをしておしゃべりをしている時間しかない・・・というような文化もあります。

私は「半径1.5メートルの法則」というのを信じていて、人は自分の身近な問題でないと実感できない、動けないと思っているからです。

日本にもお金持ちはいますが、寄付先は主に国内の病院や学校です。
これは、日本人の「ウチ」と「ソト」という概念があるのかも知れません。

全体をかえる
1.一人でも多くの人が投票しましょう。
2.政府の情報公開と数値目標をもっと充実させましょう。
3.終身雇用を考え直し、柔軟な雇用体制をもっと検討しましょう。

男女共同参画・少子化対策
4.家族制作費の対GDP比率を現状の0.7%から1.4%へ倍増させましょう。
5.家族省を創設し、縦割りになっている家族施策を統括しましょう。
6.総労働時間を規制し、ワークシェアリングを導入しましょう。
7.女性に対する統計的差別を撤廃しましょう。
8.税制において、配偶者控除の金額を引き下げ、子供の扶養控除の金額を引き上げましょう。
9.保育園の待機児童ゼロを目指しましょう。
10.非摘出子と嫡出子の差別を撤廃しましょう。
11.パパ・クオータ制を導入しましょう。

ワーキングプア・貧困対策
12.正規雇用と非正規雇用の均等待遇を実現しましょう。
13.最低賃金の引き上げを図りましょう。
14.もっと予算を使うことで公教育を充実させましょう。
15.個人も収入の5%を寄付に、5%以上の時間を社会貢献に充てましょう。

2009年1月5日月曜日

革命社長/吉越浩一郎

理由は何であれ、殆どの人が最後までやらないから、結果を出せないだけです。じゃあ僕はあきらめずになんでもやってきたのかというと、ぜんぜんそうでもない。


いつも笑いを取るようにしているのに、マスコミはそういうところを取り上げてくれない。会議で怖い顔して怒鳴っているカットばかりが前面に出てくるから、世間からそういうイメージで見られているらしいが、本当はユーモアが大好きだし、大事なことだと思っているんですけど。

トップが率先して楽しんでいるところを見せていくことが大事じゃないかと思っています。
社員や周囲の人たちも、楽しもうとする姿勢になりますから。

海外のホワイトカラーに負けないくらい効率よく働けるところを見せて、休暇も十分に取る。

さすがにお酒を飲むことと仕事が重なると疲れて落ち込む。そんなときは、家内から受け売りのマグネシウムを飲みます。

本社の社員だけでなく、アドバイザー(販売員)の方が入院しても、吉越さんは直筆で手紙を書くんです。

100%うまくいく見込みがあることにだけお金を使うなんて、どだい不可能なこと。多少の誤差があっても、社員の「本気」には投資していくべきだと思うんです。

吉越さんのアドバイスは、「つけてる女性のイメージや場面をこんな封に考えてみたらどうか」と僕のイメージを膨らませてくれるような言い方をしてくれる。
調べることに時間をかけるより、思ったことをやってみて、失敗したら修正すればいい。それよりスピードを上げることが大事だってやり方にも慣れてきたかな。

課長としてやっていけるかどうか、まずは課長代行として仕事をしながら、判断する。

6人くらいのグループの中で、一つのテーマをディスカッションさせると、その中でリードして話し始める学生がいる。6人をそつなくまとめながら、役割分担を決めていくタイプ。

うちは新入社員に対して「教育はできません」とはっきり言っています。教育はしてもらうものではなく、自分で育つものなんだと。育つ人には環境を与えます。それは、会社がやらなければならないことですから。

基本的な素地がない人を、将来何かにしてあげられるかというと、僕たちには何も出来ないんですね。

あたりのものを見回して、自分ならこれは候作るとか、こんな封に使ってみるとか、些細な身の回りのことにも気を配って考えてみる。そうやって、普段から頭を働かせていると、何か意見を求められたときでも、気の利いたことを言うことが出来ます。

「知ってるか、その国民レベル以上の政治は出来ないんだぞ」

「商品はこのサイズでいいか」という問題を考えるとき、「小さくてかわいいからいい」という言い方をしますよね。そうではなく、「片手で持ちながら 簡単に操作することが出来るから、このサイズがいい。」といった、ロジカルな面から入っていかないと、客観的な会話が成り立ちません。
アンケートをとろう、と何でもかんでも統計を取ればいいと思ってるから、現場感覚からずれて良いってしまう。直接生の声を聞きに行く。

お互いが入り込んでいって、感情も情報も共有すれば、うまくやっていける。このやり方は、特に日本人の特性にあっている気がします。

常に全てをオープンにするから、フェアにならざるを得ず、平等にやってきた。
発生した問題に対する緊急対策と再発防止、そして横展開をする。

組織が大きくなるというのは、ピラミッドの頂点を上に上げて高くしてしまう拡大の方法を言いますが、そうではなく、高さは変えずに底辺を横に広げ、頂点は低いままで組織を大きくすればいいこと。

「Trust is good, check is better」
信頼することは良いよ、でもチェックして見守ることはもっといいんだよ」

リーダーが以下に経営の自由度を持っているかが重要なんです。そして、リーダーは一人で決断しなきゃならないということです。

日本人は性格的にすごくいいものを持っている。穏やかで和を大事にするし、仏教的なものが、生活に根付いている気がします。
しかし、もっとロジカルな視点から、自分で物事を判断できるようになるべき。まさに、和魂洋才で、結局のところ、大昔から魂や心の持ち方は日本のものが良いけれど、頭の中の考え方では向こうのほうが優れていることをどんどん学ぼうということ。

支持され続けるためには、圧倒的な新製品・品揃え・バリュー、この3つを備えていることが重要になります。

「第4コーナーを回ってから馬券を買えばいい」といってましたが、まさにそのとおりで、商品が売れ始めたのを見てから、支持して作っても間に合うくらいのスピードがあれば、会社として一番いい。

競合他社に対してライバル心を持つというより、どちらかというと、本社に対して負けたくないって言う気持ちが強いですね。

会社を選んだ理由は、商品はとても良いのに、当時は知名度がなかったから。

売り上げの結果は本人のやる気次第で、教育は関係ないと思っていたんです。だから、全てをゲーム感覚で楽しみ、本人たちのやる気を刺激するようにした。

スタッフへのクレームや評価もオープンにしていますが、改善した店舗は、その努力をうんとほめました。ファックスやメールで、オープンに評価したのです。

「100人が100人、皆言うことを聞いたらつまんないでしょ。そういう子を直していくのがまたやりがいじゃない。」といわれて、そういう風に見てくれているんだと、感激しました。
「松が谷さんって怖いだろ?また怒られちゃった?でも、本当はやさしい人なんだよ。でもね、やらなきゃいけない立場だから、分かってやってね。」




2009年1月4日日曜日

アメリカの高校生が読んでいる経済の教科書/山岡道男・浅野忠克

72のプリンシパル。
72を金利で割ると、元金の2倍になるまで何年かかるかが分かる。

希少性
商品に対する人間の欲求が、実際に世の中にある資源を使って生産できる商品の数量を上回っていることを指す

経済学は、目の前にある選択すべき問題について、そのトレードオフの関係は妥当か、選択の結果は妥当か、費用と便益の比較(お金と満足度)は妥当か、社会の資源配分は最適かを考える学問なのです。

名目金利ーインフレ率=実質金利

政府が健全な競争が行われるようにメーカーを指導します。

需要の変化
1.所得の変化
2.嗜好の変化
3.市場の変化

「信用」の3C
人格(Character)
返済能力(Capacity)
担保(Collateral)

株式と債券の違い
株式:償還期間がない。社長としては、払い戻しがないという利点がある。株式市場で売買され、市場で株価が変動する。
債券:償還期間があり、社長としては、払い戻しの資金繰りを考える必要がある。市場で債券が売買され、債券価格が変動する。

金利が上がれば、株価は下がる。
金利が下がれば、株価は上がる。

投資のリスク
1.価格変動リスク
2.信用リスク
3.インフレリスク
4.流動性リスク

GDPとは、その国で一年間に生産した商品の付加価値の総額、つまり、経済主体(家計・企業・政府)が受け取った所得の総額です。

「水は高いところから低いところへ流れるが、金利は低いところから、高いところへ流れる。」