2009年11月22日日曜日

水滸伝(18)/北方謙三

[史進]

童貫軍の猛攻撃が始まった。呼延灼は秘策を持ってそれを迎え撃つ。梁山湖では、李俊率いる水軍が、巨大な海鰍船と対峙していた。梁山泊に上陸される危険を背負いながら、幾百の線群に挑む。一方、二竜山も陥落の危機を迎えていた。超安の侵攻を一年以上耐え抜いた秦明は、総攻撃を決意する。楊春、解宝が出撃、そして、青面獣の名を継ぐ楊令が初めて騎馬戦の指揮を取る。
----

「最後まで諦めないのが、軍人だ。血の一滴が残っている限り、戦い続けるのが軍人だ。」

秦明、解珍、郝思文が二竜山と共に最期を迎える。
耐える戦いばかりだった、秦明。
野戦の場面も見たかったものです。

丁得孫のような死に方もあり?

どうやれば、海鰍船がとめられるのか。
童猛は、李俊からの指令を待つしかなかった。いま、思いつくことは何も無かった。
「これだから俺はだめなのだ。」
最後の最後で諦めてしまうところがあった。
「どうすればいい、兄者?」

そのとき、李俊の船に、旗が上がった。
「連環馬?」

水の上の連環馬など、何度か話し合って準備はしてきたが、実際にやるとは思ってもいなかった。

頼むから、乗って逃げてくれ。生涯に一度くらい、女を助けた男になりたい。
俺は、女の命を救いたいのだ。女の命も救えない男に、俺をしないでくれ。

呼延灼が全員を手で制した。
「林冲騎馬隊は、楊令が指揮を取る。」

あいつが林冲より強くなったら、どうしようと思う。一番心配していたのは、林冲だったろうがな。まだ自分のほうが強いと思えるときに、くたばった。ほっとしているだろう。





0 件のコメント: