2010年10月22日金曜日

EXIT 売却/奈部真・勝間和代

実際に筆を取らずに、監修したのが面白さを生んだように思う。

小説とはいえ、ファンドの世界を疑似体験させていただきました。
凄い世界ですね。仕事にのめり込むのも分かる気がします。

自分の立ち位置として、どうなりたいか、考えさせられた小説でした。

ある日いなくなっても誰も困らないような仕事をしていた。

2010年10月17日日曜日

ウインクで乾杯/東野圭吾

パーティ・コンパニオン小田香子は、恐怖のあまり声も出なかった。仕事先のホテルの客室で、同僚牧村絵里が、毒入りビールを飲んで死んでいた!現場は完全な密室。警察は自殺だと言うが。やがて絵里の親友由香利が自室で扼殺され、香子にまで間の手が迫ってきた。誰が、なぜ、何のために・・・。ミステリー界の雄が放つ長編本格推理の傑作!
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軽く読める本格推理小説という感じでしょうか。2時間ドラマのようなイメージ。


パラレルワールド・ラブストーリー/東野圭吾

親友の恋人を手に入れるために、俺は一体何をしたのだろうか。「本当の過去」を取り戻すため、「記憶」と「真実」のはざまを辿る敦賀崇史。錯綜する世界の向こうに潜む闇、一つの疑問が、更なる謎を生む。精緻な伏線、意表をつく展開、ついに解き明かされる驚愕の事実とは!?傑作長編ミステリー
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記憶が改変される前後の話が、交互に展開され、最初から「どうなってるんだ?」と読者に抱かせる。
最先端のリアリティを研究している人達ならではの、友情、愛情、嫉妬の話。

女性は強いな。

大前流心理経済学/大前研一

・日本は打ち手の全てを持っている
・従来の経済学が通用しない日本経済
・日本人の不思議な経済心理
・新たな繁栄のための心理経済学
・心理を動かし、人を動かす
・資産運用を国技にせよ
・心理経済と集団IQ
・一人の人間が世界を変える
・日本人の新しいライフプラン
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たまりに溜まった、日本人の個人貯蓄1500兆円を、「使おう」と思うようなものやサービス、社会の仕組みが必要。
ヤフーBB、電機産業、航空券の値下げなど、過去にも移り始めると一気に動くのも日本人の心理の特徴。
打ち手の全てを持っている日本が、集団IQを一気に高められるか。

渋滞中の抜け道を見つけて喜ぶ心理、というのは日本人の特徴として良く分かる。
困難な状況を受け入れて、なんとか対策を見つけ出す、というのは、本質を解決しようとする努力を怠っている。とも考えられるなぁ。

海外と資産運用に関しては、相変わらずいつも必要だと感じさせられる。

金利を上げる
ボーダレス社会では、金利を下げると経済が活性化するという従来の理念は通用しない。金利を上げ、消費者の紐を緩める必要がある。いつまでも、利息を銀行ばかりに取られるな。

相続、贈与等に関する税制を見直し、資産の若年層への移動
将来が不安で無目的に貯蓄をする若者と、お金の使い道がない年寄り。
平均2500万円の資産を遺していく。この資金を若者へと循環させる。

住宅の建て替えを奨励。

アクティブ・シニアのコミュニティを作る。
ロスの南のラグナ・二ゲルという街のリタイアメントタウン。
港湾都市、ハブ空港、横浜を日本のベニスへ、都債、世界へ競争力のある街づくり。

いくらあれば生活できるのか、ライフプランを提示する。

ベンチャー企業のエンジェルとなる。
資産運用を国技にする。

引退して、もう仕事もしていない人に、イザという時の保険はいらないのではないか?


2010年10月16日土曜日

変身/東野圭吾

平凡な青年・成瀬純一をある日突然、不慮の事故が襲った。そして彼の頭に世界初の脳移植手術が行われた。それまで画家を夢見て、優しい恋人を愛していた純一は、手術後徐々に性格が変わっていくのを、自分ではどうしようもない。自己崩壊の恐怖に駆られた純一は自分に移植されたドナーの正体を突き止める。
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物語として割り切りきれず、なかなか入り込めなかったが、下の台詞は印象に残った。

「生きているというのは、単に呼吸しているとか、心臓が動いているとかってことじゃない。脳波が出ているって事でもない。それは足跡を残すって事なんだ。後ろに足跡を見て、確かに自分がつけたものだとわかるのが、生きているということなんだ。後ろにある足跡を見て、確かに自分がつけたものだと分かるのが、生きているということなんだ。だけど今の俺は、かつて自分が残してきたはずの足跡を見ても、それが自分のものだとはどうしても思えない。20年以上生きてきたはずの成瀬純一は、もうどこにもいないんだ」

読んでいて、「これは!」って思える文章が出てくる。


2010年10月11日月曜日

ジェネラル・ルージュの凱旋/海堂尊

チーム・バチスタの栄光、ナイチンゲールの沈黙、でおなじみ海堂尊が贈る、大人気<田口・白鳥シリーズ>三度登場。伝説の歌姫が東城大学医学部付属病院に緊急入院した頃、不定愁訴外来担当の田口公平の元には、匿名の告発文書が届いていた。
”将軍(ジェネラル)"の異名をとる、救命救急センター部長の速水晃一が特定業者と癒着していると言う。高階病院長から依頼を受けた田口は調査に乗り出す。
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ナイチンゲールの沈黙、と平行して起こっていた事件の話。

救命救急センター部長の速水や、医師の佐藤、看護士の花房、如月、エシックス・コミティの沼田。
皆、キャラが立っていて、周りの誰かに置き換えられそうだ。

特に、委員会でその色が際立つ。

速水の最優先事項を的確にズバッと射抜く言葉と、ネチッコ~イ沼田。
ロジカル・モンスター白鳥の論理的で嫌味のある話し方。
ここぞと言うときに、かっこいい田口。

議論しているシーンは、非常に面白かった。

一番印象に残っているのは、速水が佐藤副部長に対して行った口頭試問。

この回答にも、現役医師である著者ならではの、読者に伝えたいものがあったように思う。


フィッシュストーリー/伊坂幸太郎

最後のレコーディングに望んだ売れないロックバンド。
「いい曲なんだよ。届けよ、確かに」テープに記録された言葉は、未来に届いて世界を救う。
時空をまたいでリンクした出来事が、胸のすくエンディングへと一閃に向かう瞠目の話題作他、伊坂ワールドの人気者・黒澤が大活躍の「サクリファイス」「ポテチ」など、変幻自在の筆致で繰り出される中篇4連打。
爽快感あふれる作品集
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フィッシュ・ストーリーとポテチがよかったなぁ。

この人は、音楽が好きだなぁ。
変に玄人ぶらなくて、素人として。

ポテチは、登場人物が明るくて良いな。
黒澤もやっぱり良い味出してます。


2010年10月7日木曜日

宿命/東野圭吾

高校時代の初恋の女性と心ならずも別れなければならなかった男は、苦闘の青春を過ごした後、警察官となった。男の前に10年ぶりに現れたのは学生時代のライバルだった男で、奇しくも初恋の女の夫となっていた。刑事と容疑者、幼なじみの2人が宿命の対決を果すとき、余りにも皮肉で感動的な結末が用意される。
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