2010年10月16日土曜日

変身/東野圭吾

平凡な青年・成瀬純一をある日突然、不慮の事故が襲った。そして彼の頭に世界初の脳移植手術が行われた。それまで画家を夢見て、優しい恋人を愛していた純一は、手術後徐々に性格が変わっていくのを、自分ではどうしようもない。自己崩壊の恐怖に駆られた純一は自分に移植されたドナーの正体を突き止める。
----

物語として割り切りきれず、なかなか入り込めなかったが、下の台詞は印象に残った。

「生きているというのは、単に呼吸しているとか、心臓が動いているとかってことじゃない。脳波が出ているって事でもない。それは足跡を残すって事なんだ。後ろに足跡を見て、確かに自分がつけたものだとわかるのが、生きているということなんだ。後ろにある足跡を見て、確かに自分がつけたものだと分かるのが、生きているということなんだ。だけど今の俺は、かつて自分が残してきたはずの足跡を見ても、それが自分のものだとはどうしても思えない。20年以上生きてきたはずの成瀬純一は、もうどこにもいないんだ」

読んでいて、「これは!」って思える文章が出てくる。


0 件のコメント: