2011年9月15日木曜日

雇用融解/風間直樹


「がんばる人も報われない」現代日本の雇用の実態を描いたルポ
ルタージュ。名だたる大企業が「人」をどのように扱っているか、その一面を鋭
くえぐる。低収入で不安定な立場の非正規社員。かたや過労死に至ってもおかし
くない水準で働き続けても相応には報われない正社員。これが、過去10年あまり
にわたる財界の雇用改革が生み出した日本人の姿だーー。
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失われた10年の新卒採用世代
トヨタ本体こそ期間工など非正規社員からの正社員登用も勧めるがこれはまだ例外的。
現在30歳前後の就職超氷河期世代で新卒時の就職に失敗した若者の多くは、このまま一生今の状態から浮上できないことに成りかねない。

コストは格安、いつでも解雇できる業務請負会社

個人請負の活用に当たり、コスト削減、生産変動への対応などの動機は非常に顕著であるが、外部専門人材の動機は顕著でない。

謝金雇用で旧帝国大学で働く教授秘書。休暇制度そのものが該当しない。

医者の当直は労働基準法とその施行規則では、労働時間としてカウントされない。
医療行為による死亡事故での逮捕者続出。
「聖職者さながらの自己犠牲。」




任せる技術/小倉広

忙しくて教える時間がない、自分でやったほうが早い、失敗の責任を負うのがイヤだ…。そんな悩みを解決、さらに部下・後輩の育成に役立ち、自分のレベル・アップも図れる手法を伝授。
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できるようになってから任せるのではない。任せるからできるようになる。
既に課長の仕事をしている人を後から課長にする。
定例反復的な仕事は100%部下に任せる。
作業ではなく責任を部下に任せる。
もしも下足番を命じられたら、日本一の下足番になって見ろ。さすれば、誰も君を下足番にはしておかぬ。
相手をプロとしてリスペクトせよ。「あいつが捕れないのなら誰も捕れないさ」
子供に魚を一匹与えれば一日は食べられる。しかし、魚の取り方を教えてあげれば一生食べられるようになる。
フィードバックの五段階。2までで抑えよう。
1.事実:チャックが開いているよ。
2.主観:チャックが開いているよ。おかしいよ。
3.評価:チャックが開いているよ。だらしないな。
4.提案:チャックが開いているよ。気をつけた方が良いよ。
5.命令:チャックが開いているよ。早くしめろ。
上司の脳は問題解決したがる。部下の脳は共感を求める。
1秒で理解できないものは見える化ではない。



 

2日で人生が変わる「箱」の法則/アービンジャー・インスティテュート

前書『自分の小さな「箱」から脱出する方法』でカリスマ経営者として登場するルー・ハーバートは、20年前のこの2日間の「奇跡のセミナー」で初めて家庭生活と職場を変えることができる考え方を学んだのだ。自分を変えることができれば、まわりの人も正しい方向へ導ける―人間関係に関するあらゆる問題を解決するための「箱」の法則のすべてを明かす、待望の第二弾、ついに登場。
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共謀の図式
1.彼女の行動
尋ね、不満を漏らししつこく頼んで私が行うことを強く要求する。
2.私の味方
もの:
要求がきつい、理不尽、小うるさい、じゃまもの
3.私の行動
講義する、彼女に教える、傲慢な態度で応じる
4.彼女の味方
もの:
自己中心的、思いやりが無い、未熟
1へ
堂々巡りで、相手にこっちが不満に思う行動を取らせている。
気持ち/願望(モルデカイに効果を拾ってあげる。)
→気持ちに従う
→気持ちにそむく
私に対する見方
・優越、被害者、悪い、よく見られたい
モルデカイに対する味方
・そこにいる権利は無い、私から平和を奪う、シオニストの恐れあり、偏狭、
感情
・怒り、憂鬱、苦々しい、自己正当化
世の中に対する見方
・不当、不公平、過酷、私に不利
私が自分に背いたとき、他人の過ちが私の中で急速に膨れ上がります。
つまり、それを実際よりも悪いものにし始める。それが悪ければ悪いほど、私は正当化されたと感じるからです。
優越の箱
世の中に対する見方
・競争的、不安定、自分を必要としている
他人に対する見方
・劣等、無能/問題にならない、不確実/間違っている
感情
・苛立ち、侮蔑的な気持ち、無関心
自分自身に対する見方
・優等、重要、有徳/正当

当然の箱
世の中に対する見方
・不当、不公正、私に借りがある
他人に対する見方
・勘違い、ひどい扱いをする、恩知らず
感情
・権利がある、恵まれない、憤慨
自分自身に対する見方
・賞賛に値する、ひどい扱いをされる/被害者、真価を認められない

体裁の箱
世の中に対する見方
・危険、注視している、私を評価する
他人に対する見方
・批判的、脅迫的、私の聴衆
感情
・不安/心配、愛情に飢えている/圧力を受けている、圧倒されている
自分自身に対する見方
・立派でなければならない、偽者であるという思い

 劣等感の箱

世の中に対する見方
・厳しい/困難、私に敵対的、私を無視している
他人に対する見方
・有利な点を持っている、特権を持っている、恵まれている
感情
・無力、ねたましい/つらい、憂鬱
自分自身に対する見方
・劣等、不完全、運命づけられている

「今の地位を謳歌するのは行けないことか?」
私が職務を果たすために不可欠なのはどの特典で、単に個人的なわがままによるものはどれか。
つまり、どれが、キャンディ・バーとエア・マットレスで、どれが無線機と救急箱か。

人を無理矢理変えることはできないが、変わろうという気にさせることはできる。

澄んだ平和な心を取り戻す(4つの要素)
1.箱の徴候を探す
非難、正当化、冷酷さ、優越感、当然、体裁を整える、劣等感
2.箱の外の場所を見つける
箱の外の人間関係、記憶、行動、場所
3.状況を改めて考える
すなわち、箱の外の観点から
ーこの人やこの人々の難題、試練、重荷、苦しみは何?
ー私や私の所属するグループが、その難題、試練、重荷、苦しみをどのように増大させているか?
ーこの人このグループのために、私は何をすべきか?助けるために何ができるだろうか?
4.私が見つけたことに基づいて行動する
私がすべきだと感じていることをする。

和平ピラミッド
正す
教え、伝える
聴き、知る
関係を築く
影響力を持つ他社との関係を築く
箱から脱出する、平和な心を獲得する

教訓1
ピラミッドの下段に時間と努力を注ぐこと

教訓2
ピラミッドのある段の問題の解決策は、その段より下にある。

教訓3
ピラミッドの各段階で効果を上げられるか否かは、ピラミッドの最下段ーーあり方にかかっている

外面的な逃走は避けられないとしても、心は平和な状態で戦うことができる。





2011年9月13日火曜日

若者はなぜ「就職」できなくなったのか?/児美川孝一郎


★「日本的雇用」、「新規学卒就職」モデルの崩壊!★

「就職内定率」悪化、下落率は過去最大!
もはや勝ち組ではない、燃え尽きる「正社員」!
技術を得る機会を与えられない「非正規労働者」!
「職業的レリバンス」の低い教育を続ける学校現場・・・。
「日本的雇用」「新規学卒就職モデル」の崩壊をきっかけに、
就職できない若者があふれるニッポン社会。
いま、学校や親には何ができるのか?
若者たちは何を知るべきなのか?
ルール無き時代を生き抜くための「リアルな入門書」が遂に登場!!

就職できない若者が溢れる現在、学校や親には何ができるのか?
若者たちは何を知るべきなのか?
ルールなき時代を生き抜くためのリアルな入門書が遂に誕生!!
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2009年の高卒求職者:19万1000
2010年の高卒求職者:15万3000


高卒者:1992年、180万7千人
     2009年、106万3千人(40%減)
大学数、1992年、523校
    2009年、773校(48%増)


新卒採用<ー>既卒者採用、通年採用、非正規雇用、


欧米諸国では、年齢制限なし、通年採用が原則。


学校から仕事へのスムースな移行が変容したのは、新卒採用が縮小し、非正規雇用が急増した。


新卒一括採用では、応募した生徒の職業適性や志望動機、意欲といったものではなく、学業成績によって決められていた。
trainabilityが重要とされていた。


日本的雇用:三種の神器
1.終身雇用、2.年功序列賃金、3.企業別労働組合


1.同一価値労働・同一賃金
「オランダモデル」制度疲労無き成熟社会。
非正規雇用者の賃金が改善される。


2.採用における「新卒」主義が緩和され、卒業後何年かして正社員を目指すものにも均等な門戸が開かれること。


3.企業横断的な職業能力。


自分から出発しない、キャリアガイダンス。
就労経験をじっくりと振り返ることができない学生では限界がある。


オーストラリアの中等学校の中への職業教育訓練科目の拡充。


http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3130.html