2009年12月24日木曜日

神の子どもたちはみな踊る/村上春樹

1995年1月、地震は全てを一瞬のうちに潰滅させた。
そして2月、流木が燃える冬の海岸で、あるいは、小箱を携えた男が向かった釧路で、かえるくんが地底でミミズ君と戦う東京で、世界は静かに共振を始める。大地は裂けた。神は、いないのかもしれない。でも、おそらく、あの震災のずっと前から、僕たちは内なる廃墟を携えていた。

・UFOが釧路に降りる
・アイロンのある風景
・神の子どもたちはみな踊る
・タイランド
・かえるくん、東京を救う
・蜂蜜パイ




天使の梯子/村山由佳

天使の卵の続編。

卵の内容は忘れていましたけど、後半で思い出した。
きっちりとした物語を書く人だな。

最後の歩太の言葉は、10年間、考えに考えてきたんだなと言うのが伝わってくる。
夏姫のそれまでの行動もしかり。
罪と赦し、、、春妃が死んだのは誰の責任か、明確な答えの無いことに対して、時間、投げかける明確な言葉、自分の感情、など色々な要素で、残されたものの生き方が変わる。

<誰に何を言われても消えない後悔なら、自分で一生抱えていくしかないのよ。>

<けど、お前はあれからほんとはつらかったろ。あの朝、春妃にぶつけた言葉は掛け値なしの本心だったはずなのに、その後すぐに死んじまったから、もうそれ以上何もいってやれることもできなくなっちまって、、、おまけに自分の言葉があんまり重くて、お前としては、もうお姉ちゃんを恨んでないって思いこむしかなかったんだろ。>




魔王/伊坂幸太郎

会社員の安藤は、弟の潤也とその恋人の詩織。
ムッソリーニを髣髴とさせる犬飼。

不思議な世界観。
夢の中の出来事で、読んでいるときは入り込めるけど、ふと物語から離れると、「おかしな世界だな~」と感じる。