2010年8月28日土曜日

はじめてのiPhoneプログラミング

iPhoneアプリ開発は、この一冊で十分です。
アプリ開発の基礎からワンステップ上の応用知識まで、サンプルコードを交えながら詳細に解説。
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GUI開発をしたことがないけど、ある程度のプログラミングをやったことがある人には最適でしょう。

Microsoft Visual Studioなどで、MAC以外のGUI開発をやったことがある人も、一度は目を通した方が良いくらいのレベル。
ちなみに私はこれ。

XcodeでCocoaプログラミングをやったことがある人にとっては、必要ないかもしれません。

基本的なユーザインタフェースの実装方法と、iPhoneのGPS機能、モーションセンサ機能、各国の言語に対応するLocale機能、カメラ機能の使い方など、一通り理解することができます。

これ一冊やれば、あとは自分の思う通りのアプリを開発できると思います。
もちろん、独自に色々調べていかないと行けませんけどね。

サンプルコードを全て書いて実装していきましたけど、サンプルコードが結構間違っているので、著者のウェブサイトに登録して、最新サンプルプログラムをダウンロードした方が良いでしょう。


2010年8月22日日曜日

分身/東野圭吾

函館市生まれの氏家鞠子は、18歳。札幌の大学に通っている。
最近、自分にそっくりな女性がテレビに出演していたと聞いた。小林双葉は、東京の女子大生で20歳。
アマチュアバンドの歌手だが、なぜか母親からテレビ出演を禁止される。
鞠子と双葉、この二人を結ぶものは何か?現代医学の危険な領域を描くサスペンス長篇。
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そっくりな女性、それぞれが自分の過去について調べ、徐々に明らかになっていく過程はそれほど意外性もなく、淡々と進んでいった。
「現代医学の危険な領域」といわれている部分の、当事者や研究者達の考えには、色々と考えさせられるものがあった。

「あなたが自分の未来にそろそろ限界を感じ始めた頃、今のあなたと全く同じ姿、同じ遺伝子を持った男が突然あらわれてごらんなさい。あなたはきっと、その若い男を激しく憎むわ。嫉妬すると言ってもいいかもしれない。」

2010年8月11日水曜日

30万円台でぐるり夢の世界一周/角田直樹

世界一周堂という世界一周航空券専門の旅行会社を営む著者。

この世界一周航空券について、存在は知っていて、いつか使いたい or 使わなければならない?時が来ると思っていたので、下調べをしておこうと、本書を買いました。

世界一周航空券とは、
・出発地から出発地まで戻るまでの、片道航空券の束。
・太平洋と大西洋を一回ずつだけ渡ることができる。
・アライアンスごとに、利用できる経由地が異なる。

世界を半周して、往復航空券で帰ってきて、しばらくした後、またさらに世界半周が有効なこととか、知らなかった。

世界一周航空券を購入し、旅程を立てるときには、5W1Hに加え、次の3つのHが必要だと言う。

How Long: どのくらいの期間か?
How Much:いくらぐらいの予算か?
Have:何を持っていくか?

また、様々な利用例を紹介しているので、色々と参考になります。


2010年8月8日日曜日

天空の蜂/東野圭吾

奪取された超大型特殊ヘリコプターには、爆薬が満載されていた。無人操縦でホバリングしているのは、稼働中の原子力発電所の真上。日本国民全てを人質にしたテロリストの脅迫に対し、政府が下した非常の決断とは。そしてヘリの燃料が尽きるとき・・・。驚愕のクライシス、圧倒的な緊迫感で魅了する傑作サスペンス。
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東野圭吾、やはり面白い。

社会的メッセージを、高度な技術的要素を絡めて話を展開するあたり・・・個人的には凄く好きな作品でした。

フライ・バイ・ワイヤー技術を初めて搭載した、超大型特殊ヘリコプターのお披露目当日の朝、何ものかに遠隔操作され、原子力発電所の真上で停滞。
そして、犯人から、「全国の原子力発電所を止めよ、さもなければヘリを墜落させる」との脅迫状が届く。
わずか10時間足らずの間に、犯人捜しに奔走する警察や、ヘリに乗ってしまっていた子供を助けるシーンなど、手に汗握る展開だった。
そして、新型ヘリコプターや、原子力発電に関する技術的な記述はさすが。
個人的には、こういう現実的な技術が関連してくる小説を書き続けていって欲しいと思う。

「世の中には無くちゃ困るが、まともに目の前にあると嫌われるものがある。」

メインテーマは、原子力発電所。原子力発電所で働く人(清掃者、運営者)、発電所を作る技術者、反原発派の人々、そして無関心なその他大勢、と様々な視点からの原子力発電所が描かれている。

そして、一番大きな問題として浮かび上がってくるのが、犯人の動機に繋がってくる。

「沈黙する群衆の、あの不気味な仮面に向かって、石の一つでも投げつけることができないだろうか?」