2009年6月28日日曜日

楊家将(上)/北方謙三

楊家の魂、ここにあり。
宋建国の英雄・楊業とその一族。

それぞれ特徴を持ち、独り立ちした7人の息子を中心とする楊家。
息をつかせずに、一気に読んでしまう。
特に、戦のシーンは文章から伝わる臨場感があって、止まらなくなってしまいます。

北平寨で、四郎が耶律休哥の赤騎兵を中心とした200兵に攻められたあと、楊業と六朗の騎馬隊とともに易州を攻撃し、涿州からの援軍をも蹴散らして遼に打撃を与える。

その後、耶律休哥は、楊業などが帰っていないと思った宋の領土に侵入したが、谷を挟んで楊業と鉢合わせる。
なんだか、鳥肌が立ちました。



2009年6月18日木曜日

世界の日本人ジョーク集/早坂隆

・ハイテク国家像
「不良品を1000個に1つにすること」
ロシア「不良品を1000個に一つというのは、大変困難な条件です。期日にどうしても間に合いません。」
日本「期日に向けて順調に進んでおります。ただ、不良品用の設計図が届いておりません。早急に送付してください。
青いキリン
もしも青いキリンを私に見せてくれたら、膨大な賞金を出そう。
イギリス人:そんな生物がいるかどうか、徹底的に議論を重ねた。
ドイツ人:そんな生物がいるかどうか、図書館へ行って文献を調べた。
アメリカ人:軍を出動させ、世界中に派遣して探し回った。
日本人:品種改良の研究を昼夜を問わず重ねて、青いキリンを作った。
中国人:青いペンキを買いに行った。
技術者の違い
ロシア:我が国では、機密性を試すために、猫を一晩車の中に入れておきます。次の日に猫が車の中にいれば、機密性は十分だと判断します。
日本:我が国では、機密性を試すために、猫を一晩車の中に入れておきます。次の日に猫が窒息死していたら、機密性は十分だと判断します。
ソ連の工場での話
始業時間10分後に来る人:怠慢で逮捕
始業時間10分前に来る人:西側のスパイで逮捕
始業時間ちょうどに来る人:日本製の時計を持っているに違いないから逮捕
最先端技術オリンピック
アメリカは直径1ミリのグラスファイバーチューブを作り、ドイツへ送った。
ドイツはチューブの内側に細いワイヤーを通し、香港へ送った。
香港は、さらに細いワイヤーを通し、日本へ送った。
日本は・・・香港チームのワイヤーに「MADE IN JAPAN」と刻印を彫った。
新製品の4段階
アメリカの企業が新製品を開発する。
ロシア人が「自分たちは同じものをもうすでに30年前に考え出していた。」と主張する。
日本人がアメリカ製以上のクオリティのものを作り、輸出し始める。
中国人が日本製のものに似せた偽物を作る
女性国家論
18〜20才:アフリカまたはオーストラリア。まだ手つかずの魅力溢れる大地。それは訪問者に感動を与える美しさである。
21〜25才:中国またはインド。成長期に歩くには将来の大いなる夢と希望を抱いている。
26〜30才:アメリカまたは日本。国土は隅々まで開発され、成熟期を迎えた政府は自由貿易を標榜する。現金と車を多く持つ相手であれば、貿易はより積極的なものとなる。
31〜35才:ブラジルまたはメキシコ。蒸れるほどの熱を持っていて、そこにあるのはまさに情熱である。
36〜40才:フランスまたはアルゼンチン。長きにわたる激しい戦闘により国土の半分ほどが痛んでいるが、それでもまだ訪れるものの数は少なくない。
41〜50才:ロシアまたはバルト三国。国は開かれているのに、訪れるものは少ない。
51〜60才:イラクまたはユーゴスラビア。戦いに敗れ、政府は過去の失敗にとりつかれている。大規模な再建工事が必要であるが、その費用は莫大なものとなりそうだ。訪れようとするものはよほどの変人である。
61〜70才:イギリスまたはモンゴル。過去の栄光ばかり思いふける日々。出てくるのは諸国征服の昔話ばかりである。未来はない。
・お金持ちの国
アメリカ=独善的、傲慢、自慢好き
イギリス=紳士、堅苦しい
ドイツ=真面目
フランス=好色、グルメ
イタリア=情熱的
ロシア=酒好き、ものがない
ユダヤ=狡猾、金儲けが巧み、議論好き
ポーランド=愚か者
スコットランド=ケチ、抜け目がない
ギリシャ=絶倫、男色
日本人=金持ち
電球ジョーク
電球を新しいものに変えるのに何人のポーランド人が必要か?
5人。一人が椅子の上に立って電球を持ち、4人が椅子を回す。
日本の不況
折り紙銀行=倒産(fold)
相撲銀行=倒産(belly)
盆栽銀行=支店を縮小(branch)
カラオケ銀行=捨て値で売られている(go for a song)
神風銀行=株価は暴落(nose-dive)
空手銀行=人員削減(chop)

・勤勉な人々

無人島にて
ある時、大型客船が沈没し、男2人と女一人という組み合わせで、各国の人々が無人島に流れ着いた。
イタリア人・・・男二人が女を巡って争いを続けた
ドイツ人・・・女は男のひとりと結婚し、もう一人が戸籍係を勤めた
フランス人・・・女は男のひとりと結婚し、もう一人と浮気した
アメリカ人・・・女は男のひとりと結婚して子供が生まれたが、その後に離婚し、真剣を争うために、もう一人の男に弁護士役を頼んだ。
オランダ人・・・男二人はゲイであり、結婚した。女は無視された。
日本人・・・男二人は、女をどう扱ったらよいか、東京本社に携帯電話で聞いた。
ブラジル人・・・3人で楽しそうにカーニバルを始め、飽きることなく踊り続けた。
ロシア人・・・女は愛していないほうの男と結婚し、3人で果てしなく嘆き悲しんだ。

・日本人的アイデンティティ

集団主義
豪華客船が沈みかけたとき、
アメリカ人、「飛び込めばあなたは英雄ですよ。」「飛び込んだときの保険はかかっている」
イギリス人、「飛び込めばあなたは紳士ですよ。」
ドイツ人、「飛び込むのがこの船の規則となっています。」
イタリア人、「飛び込むと女性にもてますよ。」
フランス人、「飛び込まないでください。」
日本人、「みんな飛び込んでますよ。」
有能な議長
インド人を黙らせ、日本人を喋らせるものである。
アジア最低の英語力
あるとき、ホワイトハウスに日本政府からバイアグラが一万ケースも送られてきた。なぜか?
「アメリカの選挙で深刻な問題が生じている」というニュースを聞いたから。
遅刻の対処法
国際的な会議で、遅刻してしまい、持ち時間が半分になったときの対応
アメリカ・・・内容を薄めて時間内に収める。
イギリス・・・普段通りのペースで喋り、途中で止める。
フランス・・・普段通りのペースで喋り、次の人の時間に食い込んでもやめない。
ドイツ・・・普段の2倍のペースで喋る。
イタリア・・・普段の雑談をカットすれば、時間内に収まる。
日本・・・遅刻はありえない。
・神秘の国日本

人生
最高の生活
「アメリカで給料をもらい、イギリスの住宅に住み、中国人のコックを雇い、日本人を妻にすることさ」
最低の生活
「中国で給料をもらい、日本の住宅に住み、イギリス人のコックを雇い、アメリカ人を妻にすることさ」
・歴史・政治・外交

軍隊比較
世界最強の軍隊
アメリカ人の将軍、ドイツ人の参謀、日本人の兵
世界最弱の軍隊
中国人の将軍、日本人の参謀、イタリア人の兵
日本を怒らせる方法

中国
「わが国は潜水艦で日本の領海を侵犯した。それでも日本は攻撃してこなかった」
韓国
「わが国は竹島を占領した。それでも日本は攻撃してこない。」
ロシア
「わが国はもう永きに渡って、北方領土を占拠している。それでも日本は攻撃しない。」
北朝鮮
「そんなこと簡単です。核兵器を日本に使いましょう。」
アメリカ
「無駄だね。それはもうやったもの。」

・世界で活躍する日本人アスリート

メジャーリーグの不思議
ヤンキースファン「ヤンキースの四番が日本人だ何て、なんかチーム名と合わないね。」
「そんなの、たいした問題ではないと思うがね」とインディアンズのファンが言った。
こんな人も居る
紅茶の嫌いなイギリス人
対人恐怖症のイタリア人
空手のできない日本人
自転車に乗れない中国人
踊りの苦手なブラジル人
サンタクロースを信じないフィンランド人
日本人のうそ
不況だと言うのに、グランドキャニオンは日本人旅行者だらけではないか。
忍者はもう存在しないというのに、シアトルに居たではないか。
グローバリズムとは?
イギリス王室に居た女性がエジプト人と故意に落ち、パリでドイツ製の車に乗っていたところを、日本製のバイクに乗ったフランス人のパパラッチに追い回され、その結果起きた事故のこと。
・新たなるニッポン像

日中の仲
日中の仲は最悪だと聞いていたパキスタン人が、日本の中華街を見て、驚いた。
「日中の仲が悪いなんてうそだ。パキスタンにインド街があったら廃墟になっている」

イギリスの哲学者、フランシス・ベーコンの言葉、「冗談は、しばしば真実を伝える手段として役立つ」



2009年6月7日日曜日

急に売れ始めるにはワケがある/マルコム・グラッドウェル

ヒットを作るには、膨大な予算が必要というわけではありません。小さな変化が大きな結果を生むのです。本書は流行現象をクチコミによる感染と捉え、そのメカニズムを説き明かします。
「少数者の法則」「粘りの要素」「背景の力」は、マーケティングに興味を持つ人には、必須の知識。

先見性溢れる「ティッピング・ポイント」。
あるアイディアや流行もしくは社会的行動が、閾値を超えて一気に流れ出し、野火のように広がる劇的瞬間のこと。

ティッピング・ポイントの世界とは、予期せぬものが予期されるものとなる世界である。

・少数者の法則
80対20の法則。
これはどのような状況にあっても、「仕事量」のほぼ80%はそれに関わった人の20%によって達成されるという考えである。

マスコミが発達し、数百万ドルもの資金を投じた広告宣伝が珍しくない現代においても、クチコミが人間の意思疎通の最も重要な形式であることは間違いない。
食事・映画・洋服、あなたがお金を気前よく使うとき、友人の薦めで決断を下す場合がどれくらいあるだろうか?

見るグラムはほとんどの手紙が、相手に届くまでに、5段階か6段階経ていることを発見した。この実験から、関係の6段階分離という概念が産まれた。

- コネクター
社会的に河の役割を果たす。
関係の6段階分離説は、全ての人が自分をのぞく全ての人とちょうど6段階で繋がっていることを意味しているのではない。ごく少数の人がわずかな段階でその他全ての人と繋がっていることを意味する。
残る人々はこの特別な少数者を通じて世界と繋がっているのである。
どんな職種の人にも、友人や知人を作る並外れたコツを体得している一握りの人がそこかしこにちりばめられている。
例えば、コネクターは、豊かな人脈を形成するための直感的で自然な才能のようなものが備わっている。彼は過剰に社交的な人ではない。人に取り入ろうとする態度が見え見えのやたらに愛嬌を振りまくような人ではない。彼はむしろ観察家だ。

人とのつきあいを持続するようにして居るんだよ。
切手を集める人のように、知人を集めている。

ロッドスタイガーが全ての俳優と競演している俳優といえるのは、俳優として関わることができる様々な業界、サブカルチャー、隙間産業を股にかけ、レベルの違う仕事を縦横無尽にこなしてきたからである。

この人達は、可能性を見ているのだ。我々はつい忙しさに紛れて自分が知り合いになりたい人だけを選び、うさんくさい人や何年もあって居ない人などを捨ててしまうが、コネクターは全てを受け入れているのである。
弱い絆の達人。

- メイヴン
データバンクの役割を果たす。
どうすれば良い買い物ができるかが分かったら、それを他人に教えたがっている。
クチコミによる伝染を指導させるための膨大な知識と社交的技術が備わっている。

- セールスマン
説得する技術を持ったグループ
影響力の強い個性があるということは、他人を自分のリズムに引き込み、相互作用の流れを支配する力があるということなのだ。
カリスマ的な人だけが自分の感情を相手に感染させることができるのである。

私たちは、互いに似ているから友人になるだけでなく、同じ活動をしていることからも友人になる。

・粘りの要素
メッセージをより感染性の強いものにするにはどうしたらよいか、製品やアイディアをより多くの人に届けるにはどうすればいいか。
コミュニケーションの難しい部分は、つまるところ、あるメッセージが相手の一方の耳から入って、もう一方の耳から出て行かないようにするところにある。
つまり、記憶に粘り着く。

・背景の力
集団で居ると責任感が薄れ、行動を起こす人が少なくなる。
何かを語るときにそれを取り巻いている状況のほうが、語られた内容よりも重要になる場合があるのだ。
ヘッドホンの聴取試験だと行って、頭を左右と上下に振る被験者と、動かさない被験者の授業料値上げに対する意見の違い。


・粘りの要素
相手に覚えてもらおうと思ったら6回は繰り返さなければならないというのは、鉄則。金の箱というアイデア(広告に金の箱を書き込み、コマーシャルでその意味を宣伝する)というアイデアは、視聴者に粘りの要素を与えた。
情報提示の仕方にさりげなく、しかし有意義で実践的な情報を付加する。
セサミ・ストリートの製作背景、粘り測定装置(目線、実験)幼児は、ある事柄が2つの名前を持つことに困難を覚える(相互排他性)ブルース・クルーズの繰り返し効果、幼児の学習過程(理解と予測)に沿った番組作り。
・背景の力感染は、それが起こる時と場所の条件と状態に敏感に反応する。看守と囚人の実験、決定要因が一掃されるような状況が存在する。正直さのような特徴は、背景に大きく左右される。性格は、背景によって決まる。困った人を助ける実験、善きサマリア人を主題にした学生か否かではなく、急いでいるかいないかによって決まる。
・150の法則という背景脳の大きさは、グループの規模によって、決まってくるという説。霊長類の新皮質率と集団生活規模の関係から、人間は150という数字が割り出される。150以下であれば、規範なしでも同じ目標が達成できる。仲間内でのプレッシャーは、上司からの管理構造よりもはるかに強力。
・商品はどのように感染するのか?高度に専門化されたアイディアや製品を、一般の私たちにも分かりやすく説明してくれる翻訳者が重要。何か新しいことを始めるイノヴェータを発掘し、彼らの流行や考えを主流派に分かりやすく落とし込む。主流派の言葉を、主流派のために翻訳しては感染は終わる。
・自殺と喫煙喫煙は決してかっこよくない。タバコを吸う人がかっこいいのだ。感染要因と、習慣に粘る要因は異なる。喫煙をやめさせるためには、習慣に粘る要因のティッピングポイントを探し、変化を促せばよい。
・ティッピングポイントを押せば、世界は傾くその場しのぎのバンドエイド的な処理を侮ってはいけない。バンドエイドは、最低限の努力と時間と費用で、問題を解決してくれるという最善の策だ。自分の努力を一点に集中する。世界は直感とは一致しない。