2009年7月4日土曜日

竜馬がゆく(7)/司馬遼太郎

同盟した薩摩と長州は着々と倒幕の体勢を整えていく。が、竜馬はこの薩長に土佐を加えた軍事力を背景に、思い切った奇手を案出した。大政奉還---

薩長による倒幕が盛り上がってきた京都。
長崎に居る土佐の参政後藤象二郎のもとに、土佐の大殿様山内容堂から京都への召し状が届いた。
一緒に来てくれと、頼む後藤に、竜馬は一日考えた末、一緒に行くと決意する。

翌早朝、短艇で夕顔丸に近づき、乗り込むシーンが印象に残っている。

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竜馬は頭上に手を伸ばしてはしごを大きくつかみ、するすると登り始めた。
そのとき、奇瑞のように陽が昇った。短艇上で見上げている者たちが、(あっ)と声をのんだほどにそれは劇的な効果があった。陽の中を、竜馬が登っていく。隊士たちは見上げつつ、声をうしなった。
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船中八策
1.天下の政権を朝廷に奉還せしめ、政令よろしく朝廷より出づべき事
2.上下議政局を設け、議員をおきて、万機を参賛せしめ、万機よろしく講義に決すべきこと
3.有材の公・諸侯、および天下の人材を顧問に備へ、官爵を賜ひ、よろしく従来有名無実の官を除くべきこと
4.外国の交際、広く公議を採り、新たに規約を立つべきこと
5.古来の律令を折衷し、新たに無窮の大典を選定すべきこと
6.海事よろしく拡張すべきこと
7.御親兵をおき、帝都を守護せしむべき事
8.金銀物資、よろしく外国と平均の法を設くべき事




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