奇跡を、一人の浪人が現出した。
戦国の武士には、己の男を立てることと己の功名を立てることしかなかった。くだって徳川氏全盛の世の武士は主君と藩への忠義しかない。
今は違う。融資はそのココロザシに殉ずる時勢になっている。
竜馬の平等思想の根拠は、この用語(日本人)の中に込められている。
幕府を倒して、政府ができてもみなは役人になるな。一方では海軍を興し、一方ではこの亀山社中を世界一の商社にする。そのつもりでやれ。
年上の人を相手に猥談をしちゃならん。図に乗って、淫談戯論をするうちに、どうしてもその語中に見下げられるところが出てくる。年者は面白がりながらも心中、軽蔑する。
静止などは取り立てて考えるほどのものではない。何をするかということだけだと思っている。
世に生を得るは、事を成すにあり、と自分は考えている。
武士の道徳は、煮詰めてしまえばたった一つの徳目に落ち着くであろう。潔さ、ということだ。
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