2009年7月3日金曜日

竜馬がゆく(4)/司馬遼太郎

志士たちで船体を操り、大いに交易をやり、と聞いたらば倒幕のための海軍にする。
竜馬はついに一隻の軍艦を手に入れたのであった。

どう見事に腹を切るかが、「おれはこんな男だ。」と自分を語る最も雄弁な表現法であるとされた。
だから、武士の家では、男の子が元服する前に、入念に切腹の作法を教える。

筆者は、日本人に死を軽んずる伝統があったというのではなく、人間の最も克服困難とされる死への恐怖を、それを押さえつけて自在にすることによって精神の緊張とびと真の自由を生み出そうとしたものだと思う。その意味で切腹は単にその表れに過ぎないが、その背後には世界の文化史の中で屹立しているこの国の得意な精神文化がある。

北添、人がことをなすには天の力を借りねばならぬ。天とは時勢じゃ。時勢、時運という馬に乗ってことを進めるときは、大事は一気呵成になる。その天を、洞察するのが、大事をなさんとするものの第一の心がけじゃ

一粒、涙の玉が転がると、涙への義理のようなもので、本当に悲しくなってきた。




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