2009年10月24日土曜日

水滸伝(8)/北方謙三

[解珍・解宝]

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解珍・解宝親子は、祝家荘に大量の兵が入っていることに気づく。官軍が梁山泊の喉元に、巨大な軍事拠点を作ろうとしていたのだった。
宋江、呉用らは、それを阻止しようとするが、堅固な守りと、張り巡らされた罠によって攻めきることができない。勝利を確信した官軍に対し、梁山泊軍が繰り出した秘策とは。
最初の総力戦が、今幕を開けようとしていた。
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「死ねば土。どこからでもいいぞ、来い。」

鄭天寿のような、死に方もあるのだ。。。

お前は今までに、大人でも背負いきれないものを背負わされ続けてきた。これ以上何かを背負わせるには、心痛むものがある。しかし、これはお前の星だ。私もしっかりお前に伝えておく。その男のためにもな。

これは、鄭天寿の命だ。私が本営に戻ったとき、お前の熱はもう下がり始めていた。だから、この蔓草が役に立つことは無かった。これが鄭天寿の命だとしたら、情けないほどどうでもいい命でもある。しかし、ひとりの、この世でただ一人の人間にとっては、無上に大切な命だ。

人の死はそんなものだ。お前の中で、杜遷はいき続けている。お前がやることは杜遷がやっていることでもある。お前の考えは、杜遷の考えでもある。


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