2009年10月18日日曜日

水滸伝(6)/北方謙三

[秦明]

楊志を失った梁山泊は、その後継者として官の将軍・秦明に目をつけた。
秦明を梁山泊に引き入れるため、魯達は秘策を考え出す。
また、蔡京は拡大する梁山泊に危機感を抱き、対策を強化するため青蓮寺に聞煥章を送り込む。聞煥章は李富が恐怖を覚えるほどの才覚を持っていた。
聞煥章が最初に試みたのは、宋江の捕縛である。強力な操作網が宋江を追い詰めていく。

「人は誇りに生き、死するものだ。私の誇りは、誰にも踏み躙ることはできん」

水滸伝は、医者の安道全をはじめ、戦さだけでなく、裏で活躍する人物についても書かれている。
魯達の秘策でも登場する、字をまねるのが巧い蕭讓や、印鑑の偽装を担当する金大堅などだ。

かたちではない、なにか。真似るというより、自分のものにしてしまう。それで本当にその人間の字が書ける。

この巻では、馬の医者、皇甫端、走ることが得意な、王定六などが登場する。

七日かかるといわれたところを五日で双頭山まで駆けてきた。
「長く走ることについちゃ、誰にも負けねえんだよ。雷横とかいったな、おまえ。そう思わないか?」

こういった、戦以外でも活躍する人物がいることが物語を引き立てている。




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