2009年1月24日土曜日

最後の授業 ぼくの命があるうちに/ランディ・パウシュ

無重力の世界へ旅立つためには、指導教授を辞任し、ジャーナリストとしての申込書を出すまで、徹底して交渉の場に臨んだ。
とにかくものごとを交渉の場に持ち出すこと。そうすれば受け入れてもらいやすくなる。

「レンガの壁がそこにあるのは、それを真剣に望んでいない人たちを止めるためだ。自分以外の人たちを押しとどめるためにある。」

時間をお金と同じように管理する。
・計画はいつでも変えられるが、計画がなければ変えることも出来ない
・その電話は本当に必要か・・・(必要なものを机の上におき、それを見ながら立って電話をする)
・代理を頼む
・息抜きをする(新婚旅行中に、義理の両親を説得するような、連絡方法)

教育者の一番の役割は、学生が内省する手助けをすることだ。
人間が向上する唯一の方法は、自分を評価する能力を伸ばせるかどうかだ。自分を正確に評価できなければ、良くなっているのか、悪くなっているのか、知りようもない。

学生に二週間の課題を与えて、彼らはきちんと仕上げてきました。次はどうすればよいでしょう?
なるほど、それなら明日、教室に行って、学生の目を見ながら言いなさい。「課題はとてもすばらしかった。でも、君たちはもっとできる。」とね

「頭のフェイント」では、何かを教えるときに、別のことを学んでいると思わせる。

不満を口にしない
不満を費やすエネルギーの10分の1を、その問題を解決することにまわしたら、ものごとがいかにうまく進むか驚くだろう。
僕はいつもそう信じてきた。

四肢麻痺だと、手足を震わせることが出来ないから、気温の変化はこたえるのだと話した。
しかし、同じ話は二度としなかった。寒ければ、「毛布をとってくれ」と言うだけだった。

「僕が何を考えているか、心配する必要はない。いいことも悪いことも、考えていることは君に教えるから」

チームワークの大切さ
・初対面は礼儀正しく
・共通点を見つける
・集まるときは最高の状態で
・全員が発言する
・自意識は最初に封印
・代案として問いかける

「十分に時間をかけて待っていれば、人は君を驚かせて感動させるだろう」

ずいぶん時間がかかったけど、ようやく気づいたの。自分に言い寄ってくる男性がいたら、気をつけることは簡単。彼の言うことは全て無視して、彼のすることだけに注意すればいいのよ」

幸運は、準備と機会がめぐり合ったときに起こる。
古代ローマの哲学者、セネカの言葉

自分にできると思っても、できないと思っても、それは正しい。


経験とは、求めていたものを手に入れられなかったときに、手に入るものだ。

手書きの手紙を書いたほうがいいときはそうしている。誰かの郵便受けにそれが届いた後に、どんな魔法が起こるかは誰にもわからない。

「引き受けてくださってありがとうございます。同封のクッキーはお礼です。ただし、批評がすむまで食べないようにしてください。」

悪い謝罪の典型
・「僕のしたことであなたが傷ついたなら、申し訳ない」(相手の感情をなだめようとしているが、傷口に薬を塗るつもりがないことは明らかだ)
・「僕のしたことは謝る。でも、あなたも自分のしたことを謝るべきだ」(これは謝罪しているのではなく、謝罪を求めている)

適切な謝罪には3つの要素がある。
1.自分は間違ったことをした。
2.あなたを傷つけたことを申し訳なく思っている。
3.この状況を改善するためにどうすればいいか。

自分が謝罪しても相手が謝罪しないときは、どうすればいいかと、たずねる学生もいる。そんなとき、僕は彼らに言う。「君にはどうしようもないことだから、君が悩む必要はない」

10ドルの塩コショウ入れをお土産に買った。不注意で落としてしまい、割ってしまったが、お店の人は最初の包装が十分でなかったのは、自分たちが悪いのだ、とまで言ったのだ。
「たとえ20歳の人が興奮しすぎて落としても割れないくらい、しっかりお包みしなければいけませんでしたね。」

「郵便の仕分けは自分の能力に値しない仕事だから、うまくできません」という言い訳は、だれも聞きたくない。自分に値しない仕事などない。
郵便を仕分けできないなら、他の仕事ができるという証拠がどこにあるのか・・・。

新入りの能力や技術的な才能について否定的なことを言う上司は殆どない。否定的な評価がある場合、そのほぼ全ては、いかに自惚れているかというものだ。

二つの文化を歩くことができれば、両方の世界のいいところを手にできるときもある。畑違いという困難には、相手の立場からの利益をこちらからの立場で示す、ということだ。

「申し訳ありません、お金の問題だというつもりはありませんでした。全国で15人にしか認められない奨励金なので、ここで述べるのにふさわしい名誉だと思ったのです。お気に触ったのならば、謝ります。」

とにかく頼んでみる!
「バージニアからノースカロライナまでたずねたら、30分だけあっていただけますか?」

「ランディが生きている間に助けを求めてください。そうすれば彼との時間を楽しめます。彼がいなくなったときに助けを求めてください。そうすれば、大切なことのために強くなれます。」

僕が子供たちと関わったことを具体的に語りかけることが大切だと助言してくれた。

感情の保険も必要だな。掛け金は、時間だ。僕と子供たちが一緒にいるビデオをたくさん撮っておかなくてはいけない。

若いときに親を失った人たちは、母親や父親が自分をどれだけ深く愛していたかを知って、慰められたという。そのことを知るほど、その愛を感じることができる、と。
いなくなった親を誇りに思える理由も求めている。自分の親がすばらしい人だったと信じたいのだ。

我が家の決まりの一つは、単語一つだけの質問をしないこと。きちんとした文章で質問する。

親の仕事とは、子供が人生を楽しめるように励まし、子供が自分の夢を追いかけるように駆り立てることだ。親にできる最善のことは、子供が自分なりに夢を実現する方法を見つけるために、助けてやることだ。

講義の終盤で、人生で学んだ教訓をまとめながら、自分だけでなく他人のことを一生懸命に考えることがいかに大切かと話した。そして、部隊の袖を見ながら言った。
「誰かのことを考えている具体的な例があるかな?ここへ持ってきてくれるかい?」

ジェイの誕生日をお祝いしてなかったことを説明し、お願いした。全員で歌った。

がんは、大切なことをジェイと話し合う時間をくれた。心臓発作か交通事故で死ぬ運命だったら、それはかなわなかっただろう。

まず、人の世話をすることに関する最高のアドバイスとして、飛行機の客室乗務員の言葉を二人とも忘れないようにしている。
「周りの人を手伝う前に、自分が酸素マスクを付けてください。」
面倒見のいい人は、自分の面倒を見るのを良く忘れる。

ハイテク専門の僕には、アーティストや俳優を、完全には理解できなかった。
自分のなかにある「伝えなければならないもの」の話だ。
僕にはそれが独善的に思えたのだが、最後の講義が僕に教えてくれた。
僕の中に、どうしても伝えなければならないことがあったのだ。
僕は自分がやりたいから講義をしただけではない。やらなくてはいけなかったから、講義をしたのだ。

「頭のフェイント」

夢をどのように実現させるかという話をしたのではありません。
人生をどのように生きるかという話をしたのです。人生を正しく生きれば、運命は自分で動き出します。夢のほうから、君たちのところへやってくるのです。

この部屋にいる皆さんだけのために話したのではありません。「僕たちの子供のためなんです。」



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