2008年7月12日土曜日

20万円でスーパーコンピュータを作る

伊藤智義

サイエンスの世界の人間ドラマ。
分野が違うような人でも読みやすく書かれていると思いますし、おススメです。

GRAPEという天文学分野において使われるシミュレーター用に最適化されたスーパーコンピュータを作る、というノンフィクション。

  • 常のパソコンなどに比べて格段に速い計算を行うスーパーコンピュータ。
  • 数十億〜数百億円をかけて、時には国策として開発が行われるが、この分野でひときわ異彩を放つスーパーコンピューターが話題を呼んだ。
  • GRAPEと名付けられたそれは、開発費わずか20万円。天文学者たちによる手作りで、天文計算においては驚異的な計算速度を誇り、画期的な成果を挙げた。
  • 無味乾燥に見える科学の世界の裏側で繰り広げられた熱い人間ドラマ。

筆者の自伝的内容で、途中脱線したりしますが、漫画の原作者という経験があったからこそ、この研究内容も日の目を見ることになったのかもしれません。

「無知」はときとして、物事を動かす原動力となる。幸い伊藤も牧野と同様、与えられたテーマを「簡単そう」に思いこんだ。伊藤は、中級者ならば二の足を踏むようなテーマに、躊躇せずに取り組んでいく。
「完全主義にこだわるのを辞めると、新しい道が見えてくる。」
「世界一の研究を成し遂げるには方法が二つある。一つは世界一頭が良くなること。もう一つは世界中で誰もやっていないことをやること」

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