引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。初対面だというのに彼は、いきなり「一緒に本屋を襲わないか?」と持ちかけてきた。
鳥葬、アヒルと鴨は外国から来たかそうでないかの違い、神様を閉じこめる、カットバック形式、裏口から逃げられるのは嫌、
「ブータン人はハエも殺さないんだぜ。生まれ変わりを信じてるから、そのハエが自分のおじいちゃんじゃないか、おばあちゃんじゃないかって思って、殺さないんだ。」
「チベット仏教というのはそういうものなんだ。だからブータン人はあんなにおおらかで、穏やかで、優しいんだ。日本人は、報いをすぐにほしがるだろ?ブータン人はそうじゃない。」
「やっぱり、河崎君が心配だ。得意分野での失敗はショックが大きい。」
動物園の雰囲気は、時代に流されずに活動をつづける、ロックンローラーに似ている。地味で、余計なものが何もない。恬淡としたテーマパークだ。
善いことをすれば、報われる。河崎が言う宗教の教えは、僕には理解できなかったが、もしそうだったらいい、とは感じた。
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