2008年7月16日水曜日

地球幼年期の終わり

アーサー・C・クラーク

各国の宇宙開発競争をあざ笑うかのように、突如として、未知の大宇宙船団が地球に降下してきた。
彼らは、他の太陽系から来た超人で、地球人とは比較にならぬほどの高度の知能と能力を備えた全能者であった。
彼らは地球を全面的に管理し、戦争や病気や汚職といった人間の悪の全てを一掃し、戦争や競争などの醜い争いのない、地球にグローバルな理想社会が出現した。
この全納者たちの地球来訪の真意は?

カレレンはさげすむかのように、黙殺し、責任者たちに来もしない報復をハラハラ待たせておいた。
どんな刑罰行為より遙かに効果的であり、また人の気をくじく措置だったのである。

ここでは、既成観念は全然通用しない。五感を通じて頭の中に伝わってきたことは、たとえ理性が拒否しても、そのまま素直に受け取ること。分かろうとしてはいけない。ただ観察すればいいのだ。
いずれ後になって理解できることは理解できる。


0 件のコメント: