2008年1月28日月曜日

理系白書

毎日新聞科学環境部

日本の高度経済成長を支えながらも、文系優位の社会で、その存在がかすみがちな「理系」。
深刻な科学離れが叫ばれる今、その地位、報酬、研究、カルチャー、教育、結婚など、理系の全てを浮き彫りにした渾身のレポート。

科学離れ、日本の技術者自身の問題、文系優位な社会の問題、日本の学会・大学の閉塞性の問題、様々な問題が絡み合った問題。
科学離れは、科学技術立国として良い傾向であるはずがない。


  • 出世意欲
理系:31%、文系:52%、理系官僚の6割が「人事が不満だ」
  • 日本のトップの科学音痴
アメリカの大統領と日本の首相の演説の違い。サイエンスアドバイザーがいるかいないか。
  • 器用さ、粘り強さの欠如
学生に、自ら学ぶ知、失敗して次を前向きに考える粘りがなくなってきている。
  • 日本人は間違うのを恥だという意識がある
なぜ?で始まり、考えて獲得した知識は、本当に生きた知識になる。
セレンディピティ(失敗から大きな成果を獲得する)にまつわる成果もたくさんある。
  • 大学教授による不正の指示
「少しなら食い違っても良い」という良いわけは通用しない。
  • 研究者も社会の一員
倫理観と小さい頃からの「自分で考える」という能力が必要
  • 女性教授の門前払い
女性教授の割合が諸外国に比べて著しく少ない。セクハラ、嫌がらせなどの問題も。
既婚子持ちの女性が、独身の女性に「あなたを見ていると私の生き方が否定されているように感じる」
  • 大学発ベンチャー
大学の先生たちの、ベンチャーごっこ。会社とは何か、経営とは何かから考えて欲しい
  • 独創性を見極める評価眼を
日本発のヒトベノム構想に、巨額の予算を投じたのは日本ではなくアメリカだった。
分野を超えてやってくる新参者に冷たい。欧米はそれを独創的だとおもしろがってくれる。
  • フロントランナーに必要なのは「専門性」と「幅広い視野」
様々な研究期間を渡り歩いて、周りのレベルを知る。


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