2008年8月27日水曜日

ラッシュライフ

伊坂幸太郎

5つの物語が、別々に進む。

A.拝金主義者の画商戸田と、彼に振り回される新進の女性画家志奈子。
B.空き巣に入ったら必ず盗品のメモを残して被害者の心の軽減を図る泥棒の黒沢。
C.新興宗教の教祖に惹かれている画家志望の河原崎と、指導役の塚本。
D.それぞれの配偶者を殺す計画を練る女性精神科医強固と、サッカー選手の青山。
E.四十社連続不採用の目に遭っている失業者の豊田。

それぞれのはなしが、徐々にシンクロしてきて、先の読めない展開へ・・・。

黒澤が良い。人物の考え方、はなしが面白い。

「原始的な動物ですら、同じ事の繰り返しよりも自殺することを選ぶ。人間なんてなおさらだよ。」
「俺はさっき、泥棒のプロフェッショナルだと言ったよな。」
「でもな、人生については誰もがアマチュアなんだよ。そうだろ?誰だって、初参加なんだ。。。。初めて試合に出た新人が、失敗して落ち込むなよ。」


「災害が起きたとき、たとえば大地震だとか、そういうときに親が落ち着いていると、子供はトラウマにならないらしいんだ。反対に、親がパニックになって大騒ぎすると、助かったとしても子供には精神的な傷が残るらしい。」
「親がしっかりしてれば、子は元気だって事だよ。」


「俺、豊田さんに教えてもらって、ここまで来ましたから」
「君はもとから才能があったんだ。」
「豊田さんのまねからはじめたんです。」



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