2008年8月6日水曜日

竜馬がゆく(三)

脱藩し、浪人となった竜馬。
幕府の養殖にある勝海舟とふれあい、勤王の志士とも幕府の開国論とも違う、独自の道を歩き始めた。

生麦事件など攘夷熱の高まる中で、竜馬は逆に日本は開国すべきと考える。

工事の監督になったときに、竜馬の持ち場だけバカに速く進んだ。
生き生きと土を運んだり、意志を積んだりしてしかもじつに陽気なのだ。
竜馬はまず、仕事の責任者を巧みに選び、それぞれ分掌させ、競争させた。

日本の風習では、行列の供先を横切ることは最大に非礼で、切り捨てても良いこととなっている。

命は一つしかないからどんどん投げ込むんだ。一つしかないと思って、尼さんが壺が寝でも抱いているように大事にしていたところで、人生の大事はなるか

「坂本様は、いったい、佐幕人でありますか、それとも、尊王攘夷のために命をお捨てなされようとしているお方でありますか?」
「へへ、日本人です。」

竜馬は、議論しない。もし議論に勝ったとせよ。相手の名誉をうばうだけのことである。
通常、人間は議論に負けても自分の緒論や生き方は変えぬ生き物だし、負けた後、持つのは、負けた恨みだけである。

「もう無茶はするな。脇差なんぞはいくらでも売っている。あんな金物を父の形見だとか武士の魂だとかいっているのは自分に自信のない阿呆の言うことだ。形見はお前さん自信さ。」

「人は何のために生まれてきたかしっちょるか?事を成すためじゃ。ただし、事をなすに当たっては、人のまねをしちゃいかん。」


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