2008年9月1日月曜日

鈍感力

渡辺淳一

人間が成功するかしないかは、必ずしも才能だけではないということです。いいかえると、才能通りに成功するわけではない、といっても良いでしょう。
改めてなにが必要かと言うことになると、良い意味での鈍さです。

才能があり、プライドが高いために傷つくのも深く、容易に立ち上がれないのです。
そのとき、しみじみ感じたのは、なまじっか才能があり、自尊心の強すぎるやつほど手に負えない物はないということです。


だいたい、年齢をとっても元気な人は、ほとんど他人の話は聞きません。
悪く言うと、自分勝手、とも言えますが、この、あまり他人の言うことを気にしない、聞かないところが、健康の秘訣でもあるのです。

単純に図に乗って、いい気になる。この調子の良さこそ、まさに才能でもあるのです。
才能はあるなし、ではなく、いかに引き出されたか否か、の違いです。
世間で言っている、才能がある人とは、しかるべき時に、しかるべき方法で、才能を引き出された人のことです。

恋愛において、男はあくまでもせっかちです。でも、女性を口説くのに焦りは禁物です。
何度か会い、食事をしたり話をしながら、女性は男の誠意やその実態を探っているのです。この人なら心を、そして躰を許しても良いだろうか、ゆっくり瀬踏みし、テストをしているのです。
焦ると、「ダメよ」ときっぱり断ってきます。それだけで、男たちは、もはや脈がないと思って諦めてしまう。これでは、女性をゲットすることは難しい。

「これはうまい。これも美味しい。」といってパクパク食べる。これが男性的な魅力の一つなのです。

嫉妬されるのは、その人自身が優れているからで、相手はそれが羨ましくて嫉妬しているのです。
「ごめんね、俺ができすぎているので、君を苛々させて。君が妬む気持ちはよく分かるし、大変だと思うけど、ほどほどにしてね。」


0 件のコメント: