2011年7月6日水曜日

モチベーション3.0/ダニエル・ピンク

『ハイコンセプト』のダニエル・ピンク最新刊!  停滞を打破する新発想!

〈モチベーション3・0〉とは何か?
コンピューター同様、社会にも人を動かすための基本ソフト(OS)がある。
〈モチベーション1・0〉…生存(サバイバル)を目的としていた人類最初のOS 。
〈モチベーション2・0〉…アメとムチ=信賞必罰に基づく与えられた動機づけによるOS。ルーチンワーク中心の時代には有効だったが、21世紀を迎えて機能不全に陥る。
〈モチベーション3・0〉…自分の内面から湧き出る「やる気!=ドライブ!」に基づくOS。活気ある社会や組織をつくるための新しい「やる気!」の基本形。

21世紀版『人を動かす』はこれだ!!
20世紀の半ば、数人の科学者が、人間には従来とは異なる動機づけもある、と主張するようになった――いわゆる「内発的動機づけ」だ。その後数十年の間、行動科学者はその原動力を解明し効能を説明してきたが、残念なことにビジネスの世界はこの新たな認識を十分に生かしきれていない。組織を強化し、人生を高め、よりよい世界を作るべく、ダニエル・ピンクが科学の知識とビジネスの現場の間に横たわるギャップを埋めた意欲作。
『ニューヨーク・タイムズ』『ワシントン・ポスト』ほか全米大ベストセラー
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本書のテーマは、モチベーションである。モチベーションについて信じられていることの大半が、とてもではないが真実とは言えない。ハーロウとデシが数十年前に明らかにした知見のほうがずっと真実に近い。これを本書で示したい。厄介なのは、動機づけについて、多くの企業が新しい知識に追いついていないという点だ。今なお、きわめて多くの組織――企業だけではなく、政府機関や非営利組織も同様に――が、人間の可能性や個人の成果について、時代遅れで検証されていない、科学というよりほとんど俗信に根ざした仮定に基づき運営されている。目先の報奨プランや成果主義に基づく給与体系は機能せず、有害な場合さえ多いという証拠が増えているにもかかわらず、こうした慣行を続けている。さらに悪いことには、このような慣行が学校にも行き渡っているのだ。勉強を「奨励する」ために、将来の働き手である子どもたちを、iPodや現金、ピザのクーポン券で釣っている。何かがおかしい。

モチベーション1.0・・・生的動機
モチベーション2.0・・・外発的動機
モチベーション3.0・・・内発的動機

モチベーション3.0の優位な例
MSNエンカルタ対Wikipedia

交換条件つきの報酬は、自律性を失わせる。

保育園お迎えの遅延の罰金で、遅刻が二倍に。

芸術家では、外的な報酬の追求を動機としなかったものほど、外的な報酬を得たことになる。

「報酬の用い方についての簡単なフローチャート」
START:仕事は主にルーチンワークか?
→YES→その仕事のやりがいを増やし多様化させることは可能か?機械的な側面を減らし、組織の大きな目的に関連付けることは可能か?
 →もちろん可能(→Noへ)
 →かなり難しい→報酬を利用する。「交換条件つき」の報酬でもかまわないが、次の点に注意
  →1.その仕事が必要だと言う根拠を示す。
  →2.その仕事が退屈なものだと認める。
  →3.それぞれのやり方で仕事を行うことを認める。

→NO→公平な賃金を保証し、自律性やマスタリーや目的を育む、健全で、長期的に動機を保てる環境作りに焦点をあわせる。「交換条件つき」の報酬は、ほぼ全ての状況で避ける。予期しない、状況のつかない、「思いがけない」報酬を検討しよう。そのような報酬は、次の場合にいっそう効果的になる。
 →1.商品や金銭よりも、賞賛やフィードバックをする。
 →2.相手をコントロールしようとするのではなく、相手に役立つ情報を伝える。

「自律性」
自律は独立とは異なる。自立性とは、選択をして行動することを意味する。つまり、他社からの制約を受けずに行動できるし、他者と円満に相互依存もできる、ということだ。

報酬が時間に基づいて生じているのなら、チャージできる時間こそが事務所が得ようとする目標となる。

ざっぽすの新規採用者は、まず一週間の研修を受ける。この研修終了後に、彼らにある提案をする。ざっぽすが自分に合わないと感じ、入社を思いとどまりたいと考えているものには、2000ドルを払う。
交換条件つき報酬を利用して、入社すべきでない人をフィルターにかけている。

「マスタリー(熟達)」
拡張能力観:努力は肯定的。能力は鍛えられると考えるので、努力を向上の手段とみなす。
固定能力観:容易な成功法を探ろうとする。努力する必要があるのは自分がうまく対処できないからとみなす。

根性が将来の生成期を予測する材料になる。
懸命な努力の重要性は理解されやすいが、目標を変えずにたゆまず時間をかけて努力を続けえることの重要性は、あまり認められていない。
ど分野においても、高い目標を成し遂げるには、才能と同じくらい根気と根性が重要となる。

フローは魂にとっての酸素。

ツールキット
自分を一言で表す文章とは?
昨日よりも、今日は、進歩しただろうか?
間掏ったリーへの5つのステップ
・意図的な訓練には、実力を挙げるという一つの目的しかない。
・とにかく反復する。
・批判的なフィードバックを絶えず求める。
・改善すべき点に激しく焦点をあわせる。
・訓練の過程の精神的、肉体的疲労を覚悟する。

補助輪つき<20%ルール>を試用。
タイプIの上司は手放す。
・目標設定を一緒に行う。
・支配的な言葉を用いない。
・時間を確保する。

内発的動機付けを利用するシステム設計。
・快適に参加できる環境を整える。
・ユーザーに自由裁量を与える。
・可能な限り、オープンシステムを保つ。

オフサイト・ミーティングの変わりに、フェデックス・デーを設ける。
従業員が選んだぷふロジェ区となら、どんなことでも、誰とでも取り組める日を終日設ける。

お小遣いと家事の手伝いを結び付けてはいけない。

まとめ
モチベーションの話となると、科学の知識とビジネスの現場にはギャップがある。
ビジネスにおける現在のOSは、外部から与えられるアメとムチ式の動機付けを中心に構築されている。
これはうまく行かないし、有害な場合も多い。アップグレードが必要。
科学者達の研究成果がその方法を示している。この新しいアプローチには3つの重要な要素がある。

<自律性>
自分の人生を自ら導きたいという欲求のこと。
<マスタリー>
自分にとって意味のあることを上達させたいという衝動のこと。
<目的>
自分よりも大きいこと、自分の利益を超えたことのために活動したい、という切なる思いのこと。

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