2008年12月28日日曜日

即戦力の人心術/マイケルアブラショフ

上司が常に部下に送り続けなければならない唯一の信号は、一人一人の存在と力が、自分にとって以下に大事であるかということである。実のところ、それ以上大切なものなど存在しない。

「こんな手があったのか!」と思わずひざを打つことばかり。

艦を離れていくものの理由、
「上司から大切に扱ってもらえないこと」
「積極的な行動を押さえ込まれること」
「意見に耳を貸してもらえないこと」
「給料への不満」

指揮を取り始めてから7ヵ月後、ベンフォルドが評価されたあと、私の上司である提督がメールで祝辞を送ってきたが同時に、自惚れてはならないと警告をした。
私は、部下たちにあえて何も言わず、その代わり、提督からのその電子メールを貼り付けておいた。


上司である私より現場の部下のほうが高いという前提をはっきりさせ、「君がしている仕事で、もっと良いやり方はないか?」と聞いて回った。
提督に部下のすばらしい提案を報告する際に、部下の皆が聞けるようにしていた。部下たちは、負けはしたが自分たちのために戦った私を支持してくれた。

自己PRをすることしか考えない少将との時間を中断し、長官を家族との面談へといざなった。

部下に「徹底的に考えさせる」ということだった。部下の行動や提案に対し、私はいつも「どうしてそういうやり方をしなければならないのか。もっと良い方法はないのか?」とたずねた。
私自身も新しいアイデアを上司に提言したし、その姿を部下に見せるように心がけた。

思うように部下からの結果が得られなかったときは、以下のことを内省する。
1.目標を明確に示したか?
2.その任務を達成するために、十分な時間と資源や材料を部下に与えたか?
3.部下に十分な訓練をさせたか?

私は目標を明確にし、それを行うだけの時間と設備を与え、部下がそれを正しく行うための適切な訓練を受けていることを確認しない限り、もう二度と命令を出すことはしないようにしようと誓った。

リーダーとは、立ち上がって自ら責任を追うべきときを知っている人間だと、私は信じている。

正しいやり方の判断方法は、
「もし、このことが明日の「ワシントン・ポスト」の一面に載って、全米中に知られることになったら、それを誇りに思うだろうか、それとも、恥ずべきことだと思うだろうか?」

あくまでも組織の一員として、それぞれの立場でベストの成果を出す。そのために、私は部下に自力で考えさせ、同じように自分で考えたことを上司にぶつけた。

全ての人間との全ての出会いを、一番大事なものとして扱おうと誓ったのだ。
その日から、一日5人の部下と一対一の面談を始めた。
名前、出身地、結婚しているか、職場の一番好きなところは、嫌いなところは、
高校の思い出、海軍での目標は?、将来の目標は?
この面談の結果、部下たちをとても尊敬するようになったのだ。
私は、彼らが人生に目標を見出し、そこにたどり着くまでの進路を描くのを手助けすることが最高の喜びとなった。

海軍で最も優れた艦にしようと決意した私は、そのことを部下たちに繰り返し言った。
艦を訪れる人に対して、「海軍で最も優れた艦へようこそ」といって、迎えるようにして欲しいと伝えた。

自分が指揮を取るようになったときには、確実に情報が伝わる意思伝達のシステムを作り出すことに集中しようと決めた。
情報伝達ルートの確保は、「組織の生産力を高める」ことに必要不可欠である。

通信トラブルを解決した英雄物語における私の唯一の役割は、部下の話に耳を傾け、彼のアイデアを評価し、それが良いものだと確信すると、その採用を懸命にアピールすることだった。

もし私が非生産的な仕事を生み出しているのだとしたら、私はそのことを知りたかった。もし私のしていることで部下に問題をもたらしているとしたら、私に伝えてもらいたかった。
批評解で私が自分自身を批判にさらすのを見て、部下たちも自分をさらけ出すようになった。

内部の論争や虚勢の張り合いは、業績には悪影響しか与えない。
私がまず行ったのは、その4人の部門長に、それぞれの海軍での未来が開けるかどうかは、ベンフォルド全体の成功にかかっていることを伝えることだった。

「我々は全ての人間は威厳と尊敬を持って扱われるべきだと信じており、君に対しても同様の態度を示すし、君からも同様の態度を得られるはずだと考えている。誰も君を見下したりしないし、もちろん君も他のものたちを馬鹿にしてはならない。

「艦に貢献した人間はすぐに認められる」
規則を破っていいのはどんなときは?を示すためには、すぐに功績を評価せねばならない。

上司に悪い知らせを伝えなければならないときは、一対一で話、彼らの怒鳴り声やが他の者にまで及ばないようにして、一人でその攻撃を受けた。
部下が失敗したときには、その過ちの責任を私が負った。

任務の延長が決まったということは、我々が一番優れているのだ。一番であるということは、責任を伴うものだ。がんばってくれてありがとう。

上司が自分を強く必要としているときに、最初に手を貸すというのは、大きな投資なのである。

下甲板で、部下と一緒に食事を取り、コミュニケーションをとった提督は、「これほど有意義な体験はしたことがない」と言った。

上司の誰にでも共通する心の引き金は、「経費の節約」である。

未経験の二人に、特別な訓練をやらせようとしたときに、「実は私も一度もないんだ。これから三人でやり方を学ぼう」といった。
「おい、今は君が館長だ。許可など取らなくていい。責任を持って自分でやるんだ」
「この館長は言いなりになる人間を求めていない。求めているのは、自発的にものを考える人間だ。」
正直、私はおびえていたが、自分が犯したリスクが成功したことに興奮せずに入られなかったのだ。この方法でやっていける。

寝坊遅刻違反を行った部下を、早急に罰を下すため、ヘリコプターで呼び寄せた。
そこで、彼は誠実に自分の不備を訴えた。そこで、彼に「どんな罰を科されるのがふさわしいと思うか」とたずねた。

経費や安全性や、部下たちの仕事振りともつりあわせるためには、規則を変えさせた。
マニュアルはお飛び五品行動の原因となる。そして本当に重要なものを見えなくしてしまう欠陥がある。

日ごろから自分たちの仕事において、「一番大事なこと(海軍では人の命を守る)」をおろそかにしないこと。

企業も、福祉活動を引き受けなければならないと考える。それは指揮にも良い影響を与えるし、評判も高めるし、精神的にも良い。

組織やシステムに何か悪い傾向が広まっているのを目にしたときは、大声で叫び、わめいて、人々がそれに注意を払うようにする必要がある。

「とにかく勉強しろ」と押し付けるより、少しでも部下が「自分のためになる」と思って積極的に取り組んでくれるような、モチベーションが必要だった。

企業においても、組織の各部門それぞれが以下に機能しているかを知っている社員を持つことに、マイナス面は一つとしてない。

どの誕生日カードにも、たとえ少々大げさだとしても、「あなたの旦那さん(あるいは奥さん)はすばらしい仕事をしています」と書いた。
さらに、特に部下たちが本当にほめるに値することをしたときには、彼らの親に手紙も書くようになった。

新人歓迎会のお粗末さを、隊員の子供がこういう扱いを受けたらどのような気持ちになる?と聞いて、改心させた。

熱意にあふれた新入りは、毒された企業文化と正面から衝突して、その熱意を搾り取られてしまうことが実に多い。私は新人たちに張り切り続けてもらって、日々の暮らしの”ぬるま湯”に使っているベテランたちの電池を、再充電してもらいたかった。

誰かの水準を引き下げることを目標とするべきではなく、それ以外のものたちを出来るだけ高くまで引き上げるようにすべきなのだ。

仲間が行っていることを教えあうクロス・トレーニングは多いに士気を高め、チームの技術が改善・強化された。

私は、評価するに際しては当て推量を排除し、評価基準がどういったものであるかをあらかじめ知らせて、部下たちが不公平感を持つことのないように徹底した。
評価が正しく行えたかどうかを見極める鍵は、自分の部下に点数を与えたときに、彼らが驚くかどうかにある。

業績が標準以下のものがいるときには、私は必ず彼らを向上させる計画を立てるようにした。
本人を部屋に呼んで、何が問題であるか、そしてそれをただすために何をしなければならないかを話し、必要ならば訓練を行った。

音楽はもっとも退屈な仕事まで楽しくするようだった。重要なのはどんな組織においても、友人たちと楽しむことは、お金では換算できない、はるかに大きな精神的つながりを生み出すということである。

部下の得、になることについては、上司は敏感でいるべきである。同じ労働に対し、見返りが大きいときのほうが士気が上がるのは、ごく自然のことなのだ。

社員が自分の職場を友人に見せたくなるような場所だと考えるようになれば、どんなにすばらしいだろう。

軍の歴史でもっとも短い指揮官交代のスピーチ「You know how I feel」

キーワード
1.「オープン」で「フェア」
ボトムアップも、トップがボトムまで行って、引き上げなければならない。
いい仕事をすれば誰でも認めてもらえる
上司はフェアに物事を見ている

2.ダイナミックな仕事に必要な4つの力
分析力・判断力・常識力・人間力

3.必要なときに全力を出し切るための万全の準備
体力・やるき/気力/意欲・能力



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