2008年10月25日土曜日

デッドライン仕事術

吉越浩一郎

働く時間にも、仕事にも、デッドラインを設定する。
仕事の〆切は、○月○日という日付で入れる。
何を、誰が、いつまでにするかを明確にする。
デッドラインの基本は明日。
仕事の優先順位で悩まずに、デッドライン順番に片付けていく。
「おしりの時間」までに仕事を終えるため、朝一から全力で仕事をする。
川に飛び込んでから、渡り方を考える。

「仕事量が多いから残業せざるを得ない」のではなく、「残業すればいい」「休日出勤すれば何とかなる」と思っているから、就業時間内に仕事が終わらないのだと思う。
「終わるまで仕事をする」ではなく、「就業時間内に仕事を終わらせる」ことを考えるのが、効率アップの第一歩だ。

ホワイトカラーの生産性を上げようと思ったら、まずは各自の仕事の進捗状況を可視化することで、問題を顕在化させることだ。

社員の日常業務がスピードアップしても、会社全体として「何をすべきか」という意志決定が遅ければ、生産性は高まらない。

判断に時間をかければかけるほど、決定に必要な情報がたくさん集まると思っている。
しかし、ビジネスというのは、やってみなければ分からないことが沢山あるものだ。

仕事のアウトプット=能力x時間x効率

本気で貯金をしたいなら、「余ったお金を貯金する」ではなく「貯金のあまりで生活する」ようにしなければならない。
仕事の場合は、「アフターファイブ」が貯金に相当すると思えばよいだろう。

ドイツ人や中国人の働きぶりは、日本の会社員とはまるで異なっていた。
オフィス内がしーんと静まりかえっているし、夜になってもだらだらと仕事を続けているものは一人もいない。

書類を時系列でファイリングして、「今日やるべき事」を明確にする。
すべての仕事に締め切り日を入れる。

仕事は「宿題」にせず、熱いうちに打て。
一週間後の会合に必要な資料も、「明日まで」だ。

午前中の効率が、鍵を握る。
午後いち、二時間の頑張るタイムまでに仕上げる仕事を片付ける。

仕事のできない管理職ほど、情報を隠そうとする。
調整型リーダーが、組織の決断力を鈍らせる。

お互いのために一番良い判断をすることが、結果的には「会社にとって最悪の判断」となるケースが多い。

自分の間違いに気付いたら、すぐに方向を修正できることが、経営者の条件だと言っても良いだろう。

どんなに複雑にもつれたいとも、ほどいてみれば単純な一本の糸に過ぎない。
一カ所のもつれを緩ませただけで、意外にあっさりと全体がほどけることもある。
「よし、ここはシステムDでいこう。」という。

おそらく、効率を上げて残業をなくすことにあまり意義を感じない人たちというのは、「仕事さえ充実していれば、人生も充実したものになる」と感じているのだろう。
大半の人は「ここまで仕事に没入している俺って凄い。」と充実感さえ得ているのではないだろうか。

ワークライフバランスのライフとは、人生ではなく、私生活のこと。
私生活は仕事の手段ではない。私生活は死ぬまで続くが、仕事は必ず終わりが訪れるわけだ。

仕事の対局は、休みではなく、遊びである。

優秀な人間は、自分で仕事のやり方を身につけてきたのだ。

反対側を行くタクシー運転手の話。「運転手さんは、いつも成績が良いでしょう?」

人事ではよく「適材適所を心がけるべきだ」などというが、現実には、仕事のできる人間は何をやらせてもできるし、できない人間には何をやらせてもできない。
結局、技を盗める人間というのは、自分の頭で考えて行動できる人間のことなのだ。

どんなに小さな三角形であれ、自分がその頂点に立っているならば、目線を「下」に向けて仕事をするのがリーダーの責務だろう。「上」を変えることはできないが、「下」は自分の力でいくらでも変えることができるのである。

自分の掲げた高い目標は、周囲に公言してしまうのが有効だと私は思っている。人間は怠け者なので、自分を追い詰めて早く目標を達成しようとするなら、やはり宇右舷実行が一番だ。

プロセスまで含めて「情報を共有化」することで、現場の判断力を上げる。
会議は「終わったこと」を淡々と確認するような場ではなく、「これからの行動」を勢力的に推進していくための真剣勝負の場であるべきだ。

担当者がしっかりとしたたたき台を作っておかなければ、絶対に良い結論は出ない。ブレインストーミングは、時間の無駄になる。

生のデータは、パソコンからプリントアウトすれば誰でも手に入れられるのだから、それだけで仕事をしたつもりになっては困る。
その数字を自分で分析して問題点を洗い出し、その上で「本来はこうあるべき」という目標を設定して、そのためにやるべき事は何かと言うところまで考えるのが、担当者の仕事だろう。

会社のホワイトカラーも、実は見に見えない「たすき」を背負って走っている。
一人でも途中で立ち止まれば、会社全体の流れが止まるのだ。

ひとたびデッドラインを言いつけてしまえば、それまでは部下の仕事に手も口も出せなくなる。
つまり、デッドラインは部下の行動を制約するだけでなく、上司自身の行動も制約しているわけだ。
部下の嘘は絶対に許さず、厳しく対処する。

上司はいつも、ユーモアのセンスを磨くよう努力すべし。
笑いの共有は同じ釜の飯効果がある。

トップマネジメントの仕事というのは、一般の社員と同列に論じられるようなものではない。
「現場の近くにいるための努力」に多大な時間を割かれると言うことだろう。
トップマネジメントは、どの分野に関しても「現場の担当者」の次に詳しくあるべし。


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