2014年1月22日水曜日

幼稚園では遅すぎる―人生は三歳までにつくられる!/井深 大

   本書はソニーの創業者である井深大が、自ら取り組んできた乳幼児教育研究のまとめとして1971年に出版したものである。
 「幼児の可能性は3歳までに決まってしまう」
   この言葉の根拠は、大脳生理学や遺伝子の研究により、しだいに明らかになってきている。白紙の状態で生まれた赤ん坊の脳は、その脳を稼動させるための脳細胞の配線を3歳ころまでに終えるという。これはコンピュータでいう本体に相当する部分であり、能力や性格はこの時期に形成される。たとえば同じ教育を受けていても伸びる子と伸びない子の違いがでるのは、この本体(脳)の性能の良し悪しが決まっているためなのである。それゆえに、井深は乳幼児期の育て方の重要性を説き、乳幼児の持つ無限の可能性を引き出すことが何よりも大切なことだと訴える。そして、子供の性格や才能を血筋や遺伝と決めつけてあきらめている親たちに対して希望の光を投げかけている。
   では乳幼児にどのように接したらよいのか?という疑問を持つであろう親たちに対して、幼児の能力を最大限に伸ばす育て方と環境づくりをわかりやすく説明してくれる。ただ、本書の後半で論じられる幼児教育は母親の役割であるという考え方や、「子供を立派な人間に育てられるのは父親より母親である」といった記述は、出版当時から社会的背景が変化していることもあり、議論の余地の残るところと言えるだろう。(大角智美)

研究を進めれば進めるほど、私たちがこれまで抱いていた幼児に対する考え方がいかに誤っていたかを思い知らされました。私たちは、幼児のことはなんでも知っていると思い込んでいますが、その実、ほんとうの幼児の姿をほとんど知らないのです。そのため、幼児に対する教育も、脳細胞ができあがってしまう三歳以後になってはじめて、何を教えるべきかで大騒ぎを始めるのです。
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三歳前後、子供に何を与えるかより、いかに興味を持たせるかが重要。
幼児期の言葉の配線は強力(例:東北に預けられた子)
幼児教育に定型はない。母親は自分が良いと思ったことはどしどし与えれば良い。
催眠学習法。寝付く前の浅い眠りの時に、耳から色々情報を送ると、記憶にとどまる。
けんかは子供が他の集団の中に入る試験。大人の論理が入り込む余地なし。
興味は最良の意欲促進剤。
集中力、想像力がバイオリンで養われ、リーダーシップが身につく。
鉛筆やクレヨンは、持たせる時期が早ければ早いほうが良い。→創造力を解放してやる。
規格サイズの画用紙を与えれば、規格サイズの人間にしかならない。
赤ん坊の時も寝たままでなく、少し体を起こすなどで刺激を与える。
おもちゃは触って面白いもの。粘土や折り紙。
二歳までは動物的なしつけで教育ママ。それからは興味の赴くままに。





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