2013年4月13日土曜日

30代が覇権を握る!日本経済/冨山和彦


下山するなら自力で下りろ! 若い世代に負担を掛けるな――。
「団塊世代」など、おカネに余裕がある高齢者の意見がまかり通る日本。その裏側で、働き盛りの30代は、年金や医療費など社会保険費用の負担増を強いられ、上がらない給料をやりくりしながら苦しんでいる。
このままでは日本経済の活力が完全に失われる!
本書では、高齢社会のための負担増を真っ向から否定。「おカネがある人間は、自力で生き抜く」ことを前提に、消費増税、年金負担額アップ、医療費の増など、ビジネスマンを追い詰める愚策を柔軟なアタマで、ひっくり返す!
働き盛り世代のモチベーションが上がり、立ち上がる気力が湧く本。また、団塊世代が日本の未来のために、品格を見せる気分になる経済オピニオン書。
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団塊の世代の年金問題の例え。
上の世代は自力でおりるのではない。図々しくも若い人たちにおんぶしてもらって、背負って下ろしてもらおうとする。しかも下りるまでの道が長い。何十年も時間を掛けて下りてくるから、しまいには、おんぶしていた若い人たちも年を取ってしまう。
そこで、いざ下までたどり着いたときに、再び昇ろうとするかというと、疲れ果ててしまって「もういいや」ということになりかねない。

生産性年収と年齢の関係。
賃金は右肩上がりで、入社3年目ほどから生産性が賃金を追い越し、35歳頃でピークアウトする。
そして、徐々に生産性が下がり、45歳頃で再び賃金が生産性を追い越し、もらいすぎの状態に陥る。

宗教観。
日本人の平均的な宗教観では、神様はたくさんいるし、神様と1対1で退治するような真剣さはない。「個」という考え方自体が希薄で、つねに社会との「関係性」の中で自分の立ち位置が決まってくる。それに対して、西洋哲学の伝統がある欧米人は、自立した「個」の存在が先にあって、それがどう共同体と折り合いをつけていくかという「関係性」への議論へと繋がっていく。

職業訓練校としての高等教育。
中堅以下の大学でPh. Dを極めてもらうニーズなど社会にほとんどない。教えるプロを雇えば良いのである。
コンピュータや最新ITデバイスを使いこなし、インターネットのリテラシーを高め、コミュニケーション能力を磨き、英文メールを読み書きし、正しい契約の知識を身につける。
そういうことを高校や大学で教えれば良いのだ。

TOEFL。
実用英語能力の測定ツールとしては実に良くできている試験。





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