2010年4月11日日曜日

秘密/東野圭吾

妻・直子と小学5年生の娘・藻奈美を乗せたバスが崖から転落。妻の葬儀の夜、意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、死んだはずの妻だった。その日から杉田家の切なく奇妙な"秘密"の生活が始まった。
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1人の女性が子供に戻って、人生をやり直す。
ただ、娘の体で、夫をお父さんとして・・・。

小学生の頃は、つい、大人として振舞ってしまう失敗をしたり、直子が後悔をやり直すために、勉学に励む姿など、微笑ましくプラスの部分も多くあった。

小学校の先生の写真を見つけたとき、直子は何も言わなかった。
再婚話が出た時は、「俺にはお前がいるから」と言った。

だが、高校生になる頃から一変する。

直子の父親の蕎麦を食べたとき。

娘が男の子と電話をしたり、デートの約束をしたりするのに干渉するお父さん。
この場合は彼にとっては妻であり、娘であり、、、複雑。

俺よりあいつといる方が楽しいのか?

「お前は普通にする権利なんかない」

自分で言葉を発しながら、気持ちのいいものではないだろうなぁ。

"あぁ、言っちゃったよ~~、でも気持ちは分かるなぁ"、っていう感じでした。


物語の終わり方としてはしつこくなく、スッキリしていて好きだなぁ、、、タッチのようなラストシーン。
広末さんも解説で言ってますが、カップルで感想を述べ合ったとすると、色んな議論が巻き起こりそうです。

やり直しの人生をどう生きるか、、、
再婚話が出たときに、どうするか、、、
綺麗な女性の写真を夫の本の間から見つけたときに、妻はどうするか、、、
娘(妻)が高校生の時の、夫の束縛をどう思うか、、、
夫の「藻奈美」として扱う決断をどう思うか、、、
その後の直子の決断をどう思うか、、、
直子の決断を推定したときに、どうするか、、、

事件の被害者に対する考えは、藤崎さんのルームミラーの2つの人形が、全てを語っていると思う

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