2010年2月11日木曜日

女王蘭/新堂冬樹

お前の中の天使を封印しろ。そして、夜の世界に咲き誇る女王蘭になれ。
自分を裏切り、父親を死に追い込んだ。「風俗王」藤堂への復讐を誓った優姫は、敵の主戦場である水商売に身を投じた。
日本一のキャバクラ・キャストを目指して、藤堂と対峙する立花の新宿フェニックスに入店。しかしそこには伝説のカリスマキャスト冬海がいた。風俗業界の覇権を巡り熱い火花を散らす二人の男。そして美しい毒牙を磨きあう二人の女。。。。
一瞬もとどまることのない戦いの中で魔性の魅力を身につけていく優姫に、いつしか立花は自らの野望をかけようとしていた。キャストの引き抜き、出店合戦と抗争が激化する中、冬海が突如引退を宣言した!
連続テレビドラマ化されたベストセラー「黒い太陽」の世界に、妖しくも華麗なヒロインが登場!
エンターテインメント会の鬼才・新堂冬樹が、風俗産業の闇に挑んだ傑作サスペンス最新作。
------

黒い太陽は、ドラマ化される前に単行本を購入した。

徐々に夜の世界にのめり込み、変わっていく立花の眼つきや雰囲気まで伝わってくる小説でした。

今回は、立花と優姫の戦い。

途中でキャスト同士売り上げを競うグランプリが行われるが、嬢王のQ-1を思い出す。
エンターテインメントとしては、Q-1には遠く及ばないが、「憎しみ」が根底にあるこの作品は、黒い部分の描写は凄まじい。

----
「私・・・・社長のことが・・・」
「言うな」
「俺に対しての気持ちで動くうちは、お前は冬海になれない。冬海を超えたいのなら、藤堂をもっと憎め。」
----
その女は、女性と呼ぶにはあどけなく、少女と呼ぶには冥い瞳をしていた。
その女は、淑女で居るには傷つきすぎ、娼婦で居るには気高すぎた。
その女は、誰よりも純粋で、誰よりも残酷だった。
その女は、どこまでも優しくなれ、どこまでも非情になれた。
その女は、ある者の瞳には天使に映り、ある者の瞳には悪魔に映った。
----

物語を作る際、倉科遼と新堂冬樹では、主題に持ってくる立ち居地が違う、、、
夜の世界での白新堂というのも見てみたいものです。

0 件のコメント: