2012年5月14日月曜日

3年で辞めた若者はどこへ行ったのか/城繁幸

すでに平成二〇年。いまだに、多くの会社で、昭和の時代から続く風習や決まりごと、働き方が支配している。『若者はなぜ3年で辞めるのか?』でその状況を描いた著者が、辞めた後の、いわば「平成的な生き方」とは何なのかを指南する。“完全実力主義の企業で数千万円稼ぐ若者”“建築現場から人事部長に転身した若者”など、アウトサイダーたちの挑戦と本音が語られる。自分がいかに昭和的価値観にとらわれているか、そして、時代が本当に変わりつつあることを実感できる。
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「サラリーマンですから」労働者は自分のキャリアについては会社に下駄を預け、代わりに定年まで一定の出世付きで保護して貰える。

MBA「30過ぎで事業部長ポストにつくのが普通の企業」でないと、持ち帰った知識なんて無用の長物に過ぎない。
最低でもプロジェクトマネージャークラス。酒の席での話のネタくらいにしか成らない。前の会社では40代前半でそのクラス。
留学経験のある彼が、交渉時に相手は同年代の女性と、日の丸役員50代。最初は専門的でわかりにくい部分だけを通訳していたが、上司たちの煮え切らない態度に、自分の判断で交渉に乗り出す。
越権行為だが、交渉は順調に進み、相手からも有意義な会議でしたと、言われる。
しかしその後、上司に叱られる。

国立大学の法人化や、設立の相次ぐビジネススクール設立、いずれも日本の高等教育の質的向上を狙っているが、そもそもそういった知識を活かすキャリアパスが企業内にないからだ。

一プレーに掛ける覚悟が日本人とまるっきり違う。騙そうが何しようが、結果が良ければそれで良し。

日本の労働者の3つのヒエラルキー
・かつての定期昇給の恩恵を受け、20代の2倍以上の基本給を手にする中高年正社員。
・入社以来、定期昇給を知らない団塊ジュニア以降の正社員。
・非正規雇用労働者。



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