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2011年3月18日金曜日

陰日向に咲く/劇団ひとり

ホームレスを夢見る会社員。売れないアイドルを一途に応援する青年。合コンで知り合った男に遊ばれる女子大生。老婆に詐欺を働く借金まみれのギャンブラー。場末の舞台に立つお笑いコンビ。彼らの陽のあたらない人生に、時にひとすじの光が差す―。不器用に生きる人々をユーモア溢れる筆致で描き、高い評価を獲得した感動の小説デヴュー作。
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短編小説集.

少しは期待していましたが,さらにその上を行く,良い意味で期待を裏切られた作品.

この方は,芸人としてだけじゃなく,演技とか色々な才能を認められてますが,小説家としてもすごいです.

2011年3月6日日曜日

万能鑑定士Qの事件簿1/松岡圭祐

東京23区を侵食していく不気味な"力士シール"。誰が、何のために貼ったのか?謎を追う若き週刊誌記者・小笠原は、猫のように鋭く魅惑的な瞳を持つ美女と出会う。凛田莉子、23歳。瞬時に万物の真価・真贋・真相を見破る「万能鑑定士」だ。信じられないほどの天然キャラで劣等性だった莉子は、いつどこで広範な専門知識と観察眼を身につけたのか。稀代の頭脳派ヒロインが日本を変える!
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久しぶりに、松岡圭祐を読んで見た。
角川文庫に移り、千里眼シリーズを全て書き直しを始めてから、すっかり遠ざかってしまいました。

去年から店頭で新しいシリーズが並びだしていて、なかなか売れているようなので、読んでみました。

岬美由紀が強烈なキャラなので、新しい主人公はどんな感じかと思ったら、これまたなかなか面白いですね。

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凡庸な男など出る幕のない岬美由紀より、博学ではあるけれど少し純粋すぎて、つまずいては立ち上がる莉子の方が、等身大の魅力を湛えていて、親近感を持つ読者もいるかもしれない。
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解説より。。ですが、充分凡庸な男など出る幕のないほどの博学ですわ^^。

1巻で完結と思っていたら、2巻で1エピソード完結でした。
風呂敷広げられたままだから、どう畳まれるのか、気になって仕方がない。。

この人は、全てきっちり、畳みなおす人ですからねぇ。期待しています。


2011年1月12日水曜日

夜明けの街で/東野圭吾

渡部の働く会社に、派遣社員の仲西秋葉がやって来たのは、去年のお盆休み明けだった。僕の目には若く見えたが、彼女は31歳だった。その後、僕らの距離は急速に縮まり、ついに越えてはならない境界線を越えてしまう。しかし、秋葉の家庭は複雑な事情を抱えていた。両親は離婚し、母親は自殺。彼女の横浜の実家では、15年前、父の愛人が殺されるという事件まで起こっていた。殺人現場に倒れていた秋葉は真犯人の容疑をかけられながらも、沈黙を貫いてきた。犯罪者かもしれない女性と不倫の恋に堕ちた渡部の心境は揺れ動く。果たして秋葉は罪を犯したのか。まもなく、事件は時効を迎えようとしていた・・・。
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こんな話を生き生きと語ると、秋葉はこう尋ねてくる。
「今はそういうこと、しないんですか」

「いいことを教えてやる。赤い糸なんてのは、二人で紡いでいくものなんだ。別れずにどちらかの死を看取った場合のみ、それは完成する。赤い糸で結ばれてたってことになる。」

「あたしに夢を見させた。決して見てはいけないと自分に禁じてた夢だったのに。わかる?夢を見る前より、それが覚めたときのほうが心は寒くなるんだよ。」

「あなたの家庭のこと。それはあなたが何とかして。あたしはあなたを自分のものだと思うことにしたから。」


2010年12月23日木曜日

時生/東野圭吾

不治の病を患う息子に最後のときが訪れつつあるとき、宮本拓実は妻に、20年以上前に出会った少年との思い出を語り始める。どうしようもない若者だった拓実は、「トキオ」と名乗る少年と共に、謎を残して消えた恋人・千鶴の行方を追った。過去、現在、未来が工作するベストセラー作家の集大成作品。
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父親を傷害致死で殺し、刑務所に入った母親をなぜ許したのか?の問いへの竹美の答え。

「許すも許さへんもないわ。親子であることからは逃げられへんのやから。相手が申し訳ないと思ってくれてるのが分かったら、もうそれ以上は余計なこと考えんでもええのんと違う?」

「色々会ったけど、あんたのせいじゃねえよ。俺の人生だから、俺が落とし前をつけなきゃならねえ。もうあんたのせいにはしない。それが言いたかった。ええと、それからもう一つ。俺を産んでくれた事、感謝するよ。ありがとうな。」

「頑張っていき続けてください。きっと素晴らしい人生が待っているからって。」

主人公の拓実の喧嘩っ早い性格とかも含めて、バック・トゥ・ザ・フューチャっぽかったけど、面白かったな。

千鶴や時生、大阪の竹美や彼氏のジェシーも良いキャラしてます。
終わり方は、「秘密」並に綺麗なものでした。それしかないでしょ!っていう。

赤い指の次に読んだので、正反対な家族というものの物語を見た。


2010年10月22日金曜日

EXIT 売却/奈部真・勝間和代

実際に筆を取らずに、監修したのが面白さを生んだように思う。

小説とはいえ、ファンドの世界を疑似体験させていただきました。
凄い世界ですね。仕事にのめり込むのも分かる気がします。

自分の立ち位置として、どうなりたいか、考えさせられた小説でした。

ある日いなくなっても誰も困らないような仕事をしていた。

2010年10月17日日曜日

ウインクで乾杯/東野圭吾

パーティ・コンパニオン小田香子は、恐怖のあまり声も出なかった。仕事先のホテルの客室で、同僚牧村絵里が、毒入りビールを飲んで死んでいた!現場は完全な密室。警察は自殺だと言うが。やがて絵里の親友由香利が自室で扼殺され、香子にまで間の手が迫ってきた。誰が、なぜ、何のために・・・。ミステリー界の雄が放つ長編本格推理の傑作!
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軽く読める本格推理小説という感じでしょうか。2時間ドラマのようなイメージ。


パラレルワールド・ラブストーリー/東野圭吾

親友の恋人を手に入れるために、俺は一体何をしたのだろうか。「本当の過去」を取り戻すため、「記憶」と「真実」のはざまを辿る敦賀崇史。錯綜する世界の向こうに潜む闇、一つの疑問が、更なる謎を生む。精緻な伏線、意表をつく展開、ついに解き明かされる驚愕の事実とは!?傑作長編ミステリー
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記憶が改変される前後の話が、交互に展開され、最初から「どうなってるんだ?」と読者に抱かせる。
最先端のリアリティを研究している人達ならではの、友情、愛情、嫉妬の話。

女性は強いな。

2010年10月16日土曜日

変身/東野圭吾

平凡な青年・成瀬純一をある日突然、不慮の事故が襲った。そして彼の頭に世界初の脳移植手術が行われた。それまで画家を夢見て、優しい恋人を愛していた純一は、手術後徐々に性格が変わっていくのを、自分ではどうしようもない。自己崩壊の恐怖に駆られた純一は自分に移植されたドナーの正体を突き止める。
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物語として割り切りきれず、なかなか入り込めなかったが、下の台詞は印象に残った。

「生きているというのは、単に呼吸しているとか、心臓が動いているとかってことじゃない。脳波が出ているって事でもない。それは足跡を残すって事なんだ。後ろに足跡を見て、確かに自分がつけたものだとわかるのが、生きているということなんだ。後ろにある足跡を見て、確かに自分がつけたものだと分かるのが、生きているということなんだ。だけど今の俺は、かつて自分が残してきたはずの足跡を見ても、それが自分のものだとはどうしても思えない。20年以上生きてきたはずの成瀬純一は、もうどこにもいないんだ」

読んでいて、「これは!」って思える文章が出てくる。


2010年10月7日木曜日

宿命/東野圭吾

高校時代の初恋の女性と心ならずも別れなければならなかった男は、苦闘の青春を過ごした後、警察官となった。男の前に10年ぶりに現れたのは学生時代のライバルだった男で、奇しくも初恋の女の夫となっていた。刑事と容疑者、幼なじみの2人が宿命の対決を果すとき、余りにも皮肉で感動的な結末が用意される。
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2010年8月22日日曜日

分身/東野圭吾

函館市生まれの氏家鞠子は、18歳。札幌の大学に通っている。
最近、自分にそっくりな女性がテレビに出演していたと聞いた。小林双葉は、東京の女子大生で20歳。
アマチュアバンドの歌手だが、なぜか母親からテレビ出演を禁止される。
鞠子と双葉、この二人を結ぶものは何か?現代医学の危険な領域を描くサスペンス長篇。
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そっくりな女性、それぞれが自分の過去について調べ、徐々に明らかになっていく過程はそれほど意外性もなく、淡々と進んでいった。
「現代医学の危険な領域」といわれている部分の、当事者や研究者達の考えには、色々と考えさせられるものがあった。

「あなたが自分の未来にそろそろ限界を感じ始めた頃、今のあなたと全く同じ姿、同じ遺伝子を持った男が突然あらわれてごらんなさい。あなたはきっと、その若い男を激しく憎むわ。嫉妬すると言ってもいいかもしれない。」

2010年4月11日日曜日

秘密/東野圭吾

妻・直子と小学5年生の娘・藻奈美を乗せたバスが崖から転落。妻の葬儀の夜、意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、死んだはずの妻だった。その日から杉田家の切なく奇妙な"秘密"の生活が始まった。
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1人の女性が子供に戻って、人生をやり直す。
ただ、娘の体で、夫をお父さんとして・・・。

小学生の頃は、つい、大人として振舞ってしまう失敗をしたり、直子が後悔をやり直すために、勉学に励む姿など、微笑ましくプラスの部分も多くあった。

小学校の先生の写真を見つけたとき、直子は何も言わなかった。
再婚話が出た時は、「俺にはお前がいるから」と言った。

だが、高校生になる頃から一変する。

直子の父親の蕎麦を食べたとき。

娘が男の子と電話をしたり、デートの約束をしたりするのに干渉するお父さん。
この場合は彼にとっては妻であり、娘であり、、、複雑。

俺よりあいつといる方が楽しいのか?

「お前は普通にする権利なんかない」

自分で言葉を発しながら、気持ちのいいものではないだろうなぁ。

"あぁ、言っちゃったよ~~、でも気持ちは分かるなぁ"、っていう感じでした。


物語の終わり方としてはしつこくなく、スッキリしていて好きだなぁ、、、タッチのようなラストシーン。
広末さんも解説で言ってますが、カップルで感想を述べ合ったとすると、色んな議論が巻き起こりそうです。

やり直しの人生をどう生きるか、、、
再婚話が出たときに、どうするか、、、
綺麗な女性の写真を夫の本の間から見つけたときに、妻はどうするか、、、
娘(妻)が高校生の時の、夫の束縛をどう思うか、、、
夫の「藻奈美」として扱う決断をどう思うか、、、
その後の直子の決断をどう思うか、、、
直子の決断を推定したときに、どうするか、、、

事件の被害者に対する考えは、藤崎さんのルームミラーの2つの人形が、全てを語っていると思う

2010年2月16日火曜日

ナイチンゲールの沈黙/海堂尊

大人気、田口・白鳥コンビの活躍再び!今度の部隊は小児科病棟。病棟一の歌唱力を持つ看護師・浜田小夜の担当患者は、眼の癌---網膜芽腫の子供たち。眼球摘出をせざるを得ない彼らに心を痛めた小夜は、患児のメンタルケアを不定愁訴外来担当の田口に依頼し、小児愚痴外来が始まった。
手術前で精神的に不安定な子供たちのメンタルサポートを、不定愁訴外来担当の田口が行うことになった。時同じくして、小児科病棟の問題児・瑞人の父親が殺され、警察庁から出向中の加納警視正が病院内で捜査を開始する。緊急入院してきた伝説の歌姫と、厚生労働省の変人役人・白鳥圭輔も加わり、物語は事件解決に向け動き出す。読者を魅了する、海堂尊のメディカル・エンターテインメント
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前作が凄く良かっただけに、同じ登場人物でまた面白いものが書けるのかどうか、読む前から疑問でした。

少しSFの入った内容は、あまり好みではなかったですが、全体的には楽しめました。
加納・玉村の警察コンビや、その他の登場人物もそれぞれキャラが立っているのは、この作者の非常に面白いところだと思いました。

小児科医の奥寺教授、副島助教授、内山医師のやり取りが、今回メッセージを込めたかったところなのかもしれないと思いました。
小児科医(だけではないかもしれませんが。)の実情を訴えるという意味で。

「子供と医療を軽視する社会に、未来なんてないわ。」副島

「副島先生は、ご自分の生活に満足していらっしゃるんですか?」聖美
副島が心の奥底で圧殺し続けてきた何かが、密かに息を吹き返す。
緊急呼び出しのため着替えている自分の後姿を諦めたように見つめる夫の視線。自分の手をそっと握り、しがみついてくる幼い娘の手を振り解いて、冷たい夜の中に出かけていく自分の姿。

「内山君は間違っていない。医者だって人間だ。休みたいときもあるし、嘘をつく時だってある。だが今のままでは、君は将来禍根を残す。その禍根は、君自身の未来に傷痕を残す。悪いことは言わん。ここは老いぼれの顔を立てて、負けておきたまえ。」

「私が死ぬのは運命よ。だけどあなたの運命はまだあなたの手の中にある。あなたが私と同じ道を選ぶのはかってだけど、私はそんなことは望まない。だって、そのときこそ本当に私は死ぬの。私の存在を最後に消滅させるのは瑞人君、あなたなのよ。」

「全面協力知っている我々にそのような暴言を諮れるなら、当院にも考えがあります。」
「女が本気なら、そのときには男は見届けるしかない。それは力が要ることなんだ。」

時折見せる、強気な田口先生が良い。

「どうして俺は、どこでも田口先生なんか、といわれてしまうのだろう。」

ルールは破られるためにあり、それが赦されるのは、未来により良い状態を残せるという確信を、個人の責任で引き受けるときだ。

高階病院長

2010年2月11日木曜日

女王蘭/新堂冬樹

お前の中の天使を封印しろ。そして、夜の世界に咲き誇る女王蘭になれ。
自分を裏切り、父親を死に追い込んだ。「風俗王」藤堂への復讐を誓った優姫は、敵の主戦場である水商売に身を投じた。
日本一のキャバクラ・キャストを目指して、藤堂と対峙する立花の新宿フェニックスに入店。しかしそこには伝説のカリスマキャスト冬海がいた。風俗業界の覇権を巡り熱い火花を散らす二人の男。そして美しい毒牙を磨きあう二人の女。。。。
一瞬もとどまることのない戦いの中で魔性の魅力を身につけていく優姫に、いつしか立花は自らの野望をかけようとしていた。キャストの引き抜き、出店合戦と抗争が激化する中、冬海が突如引退を宣言した!
連続テレビドラマ化されたベストセラー「黒い太陽」の世界に、妖しくも華麗なヒロインが登場!
エンターテインメント会の鬼才・新堂冬樹が、風俗産業の闇に挑んだ傑作サスペンス最新作。
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黒い太陽は、ドラマ化される前に単行本を購入した。

徐々に夜の世界にのめり込み、変わっていく立花の眼つきや雰囲気まで伝わってくる小説でした。

今回は、立花と優姫の戦い。

途中でキャスト同士売り上げを競うグランプリが行われるが、嬢王のQ-1を思い出す。
エンターテインメントとしては、Q-1には遠く及ばないが、「憎しみ」が根底にあるこの作品は、黒い部分の描写は凄まじい。

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「私・・・・社長のことが・・・」
「言うな」
「俺に対しての気持ちで動くうちは、お前は冬海になれない。冬海を超えたいのなら、藤堂をもっと憎め。」
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その女は、女性と呼ぶにはあどけなく、少女と呼ぶには冥い瞳をしていた。
その女は、淑女で居るには傷つきすぎ、娼婦で居るには気高すぎた。
その女は、誰よりも純粋で、誰よりも残酷だった。
その女は、どこまでも優しくなれ、どこまでも非情になれた。
その女は、ある者の瞳には天使に映り、ある者の瞳には悪魔に映った。
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物語を作る際、倉科遼と新堂冬樹では、主題に持ってくる立ち居地が違う、、、
夜の世界での白新堂というのも見てみたいものです。

2010年2月7日日曜日

ゲームの名は誘拐/東野圭吾

敏腕広告プランナー・佐久間は、クライアントの重役・葛城にプロジェクトをつぶされた。
葛城邸に出向いた彼は、家出して来た葛城の娘と出会う。"ゲームの達人"を自称する葛城に、二人はプライドをかけた勝負を挑む。娘を人質にした狂言誘拐。
携帯電話、インターネットを駆使し、身代金3億円の奪取を狙う。
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東野圭吾は読まず嫌い、というか作品が多いので、全てを制覇したくなる自分としては、手を出したくなかった作家でした。
でも、g@meを観て、それが凄く面白くて、「東野圭吾」ってこういう作品を書く人なんだと思い、読み始めるようになった。

本はだいぶ映画と内容が違ったけど、それでも面白かった。
どちらも違う作品として、面白い。

「登場人物みんなが悪い物語を書きたかった」という作者の意図は、確かにそのとおりで、そこが映画と違う要因となっていたように思う。

すごく論理的で、裏の裏まで読み、誘拐事件を仕立てていくところは、こちらもドキドキして、読み足が速まりました。

最後のどんでん返しからはもう、止まらなかったですねぇ。

葛城も佐久間も、非常に頭が良くて、なるほどなぁ、って素直に感心しながら読みました。

2010年2月4日木曜日

ZOO/乙一

カザリとヨウコ
母親の扱いが極端に違う、双子の姉妹のお話。
母親の家庭内暴力を受けても、無邪気なヨウコが痛々しい。
最後は一斉一代の提案で、恐ろしい結果に、、、
色々疑問や今後が気になるけど、それも短編の良いところか。

SEVEN ROOMS
姉弟が、何者かに襲われ、殺風景な部屋に閉じ込められる。
そこは、七つの部屋が並んであり、毎日一人ずつ殺されては、新しく囚われた人が追加されて行く。

犯人の意図は全くわからんけど、最後のシーンの高笑いは、声が聞こえて来そうだった。

SO-far そ・ふぁー
両親がお互いが見えないかのように、毎日を過ごす。
電車事故があった日。
この話は、かなしいなぁ~。
大人げ無いよ!

日だまりの詩
人類滅亡後のロボットの話。
この話は結構好き。
心というものは、よくわからないものだが、大切だな。

ZOO
まぁ、おかしなやつの話。
自己陶酔の強い人です。
最後は、伏線が多すぎたか、結末が読めた。
ずっと一人称で書かれているのが、不思議な感じでした。

2010年2月1日月曜日

探偵ガリレオ/東野圭吾

突然、燃え上がった若者の頭、心臓だけ腐った男の死体、池に浮かんだデスマスク、幽体離脱した少年・・・・警視庁捜査一課の草薙俊平が、説明のつかない何事件にぶつかったとき、必ず訪ねる友人がいる。帝都大学理工学部物理学科助教授・湯川学。常識を超えた謎に天才科学者が挑む、連作ミステリーのシリーズ第一作。
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本作は、福山雅治と柴咲コウが主演のドラマを見てから読んだ本で、原作は掲示役の草薙が男だったとは知らなかった。

ちょっと、湯川学のキャラがドラマとは違うように感じた。「実に面白い」の台詞とか出てこないし。。。
小説は結構普通だったなぁ。

"草薙は、聡美が使い捨てライターでタバコに火をつける様子を観察した。彼女の右手の中指と薬指に、指輪がはめられていた。"

聡美の指紋を採取したいという意図があったこのシーンの描写はなんか巧いなぁ。
文章の描写で、あえて登場人物の意図を逸らすような感じが、面白いと感じた。

2010年1月19日火曜日

手紙/東野圭吾

強盗殺人の罪で服役中の兄、剛志。弟・直貴のもとには、獄中から月に一度、手紙が届く。
しかし、進学、恋愛、就職と、直貴が幸せをつかもうとするたびに、「強盗殺人犯の弟」という運命が立ちはだかる過酷な現実。人の絆とは何か。。。
いつか罪は償えるのだろうか。犯罪加害者の家族を真正面から描き切り、感動を呼んだ不朽の名作。
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読み進めるうちに、なぜか主人公の直貴が山田孝之に、由美子が沢尻エリカに・・・そうだ、俺はこの小説の映画版を見ていた、っていうのを読み始めてしばらくしてから気づいた・・・。

犯罪加害者の家族ということで、差別を受けて苦しい思いをしているときに、そんなことを何も知らない兄からの手紙が痛々しい。。。

徐々に、兄を拒絶していく主人公の変化と共に、いろいろ考えさせられます。

電気屋さんで働き出してから、倉庫の方へ飛ばされ、社長と出会ったときに、「どういう言葉を投げかけるのか・・・」って凄く気になりました。

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人には繋がりがある。愛だったり、友情だったりするわけだ。それを無断で断ち切ることなど誰もしてはならない。だから殺人は絶対してはならないのだ。そういう意味では自殺もまた悪なんだ。自殺とは、自分を殺すことなんだ。たとえ自分がそれで良いと思っても、周りの者もそれを望んでいるとは限らない。君のお兄さんはいわば自殺をしたようなものだよ。社会的な死を選んだわけだ。しかしそれによって残された君がどんなに苦しむかを考えなかった。衝動的では済まされない。君が今受けている苦難もひっくるめて、君のお兄さんが犯した罪の刑なんだ。

君が兄さんのことを憎むかどうかは自由だよ。ただ我々のことを憎むのは筋違いだといっているだけだ。もう少し踏み込んだ言い方をすれば、我々は、君の事を差別しなきゃならないんだ。自分が罪を犯せば家族をも苦しめることになる。全ての犯罪者にそう思い知らせるためにも・・・・
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この一言に、この本で書きたかったことが凝縮されていると思う。

小説が映画化された場合、たいてい小説の方がいいと思うんだけど、ラストシーンを考えると「手紙」に関しては、映画も悪くない。

2010年1月9日土曜日

放課後/東野圭吾

校内の更衣室で生活指導の教師が青酸中毒で死んでいた。
先生を二人だけの旅行に誘う問題児、頭脳明晰の美少女剣道部の主将、先生をナンパするアーチェリー部の主将---犯人候補は続々登場する。そして、運動会の仮装行列で第二の殺人が・・・・・・。乱歩章受賞の青春推理。
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東野圭吾、処女作って本格推理小説ど真ん中の作品だったんですね。。。

主人公前島の同僚の先生方は、ロールプレイングゲームに出てくる村人のような感じで、不自然にピンポイントな情報をくれるもんだなぁ。
現実的かどうかはともかく、完全に推理小説として愉しむモードに入りました。

アーチェリー部の県大会の件など、アーチェリーの小説が書きたかったんだなって、伝わってきた。

「彼女たちにとってもっとも大切なものは、美しいもの、純粋なもの、嘘の無いものだと思います。それは、時には友情であったり、恋愛であったりします。自分の肉体や顔の場合もあります。・・・逆に言えばこういう大切なものを破壊しようとするもの、彼女たちから奪おうとするものを、最も憎むということになります。」

トリックを確認するシーンや終わり方は好きだな。

読んでいる途中で、「ん?」って思うところが全てクリアになり、意外な終わり方。。。面白かったです。

2010年1月4日月曜日

替天行道-北方水滸伝読本-/北方謙三

人物設定集、年表、筆者のエッセイ・対談、そして担当編集者からの手紙など、貴重な文章が満載。
だが、この本を読み終えた人は、19巻を全て読破し愉しんだ人でも、少ないのではないだろうか・・・・・・。

19巻を読破した人にとっては、年表と人物事典だけでも、買う価値はあるかな。

重力ピエロ/伊坂幸太郎

兄は泉水、2つ下の弟は春、優しい父、美しい母。
家族には、過去につらい出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。
連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。
そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは。
あふれ来る未知の感動、小説の奇跡が今ここに。
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家族の愛情が溢れている。

つらい過去があって、血のつながっていない兄弟。
絵画コンクールで弟が優勝したときの両親の行動や、小さい頃の弟の台詞「俺たち兄弟は最強なんだ。」。
そして、父親の口癖「二人で遊んできたのか?」、そして最後のほうの、「お前は俺に似て、嘘をつくのが下手糞だ。」

そして、動機やストーリーの中で出てくるちょっとした謎の答えは、まさに伊坂幸太郎らしい。
冷静に考えると腑に落ちないけど、何か小説の中では納得してしまう、まさに夢の中の出来事のような感じは重力ピエロにも健在でした。