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2012年6月16日土曜日

文章がうまくなるコピーライターの読書術/鈴木康之

読ませる名文の書き手・コピーライターは、本の読み方が違う!広告史に残る名コピーから『こころ』『ハムレット』『ヴィヨンの妻』、アンデルセンからチャペック、藤沢周平まで、広く愛される名作の数々を紹介。その文章の一部分を抜き出し、1文字、1語、1文の効果を説きながら、名文が名文たる所以を解き明かす。「いい文章を上手に書くためには、いい文章を上手に読むことです」。
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活字だけで読んでもらうコピーの場合には、こうした1文字でそのセリフが情景を描き出すことになります。
以来、文章を書くとき、「です」で結んだ方が良いか「ですね」とした方が良いか、「根性」と書くべきか「ど根性」とすべきか、一文字にこだわるようになりました。

ウサギとカメ
兎さん、昼寝をしていてはダメですよ。起きなさいと一言声を掛けてやるべきだ。
お前は、兎は昼寝をしているという。けれども、ひょっとしたら、兎は心筋梗塞で苦しんでいるのかも知れない。起こしてやって初めてわかるのだ。

頭で思っているだけじゃなく、口に出して言うようにしています。




2011年6月4日土曜日

お手伝い至上主義でいこう!/三谷宏治

人気ビジネススクール教授直伝!わが子の生きる力を高める「与えすぎない」家庭教育論。
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「ヒマ・ビンボー・オテツダイ」

指示を与えすぎない→ほしいのは自己判断力と主体性
予定を与えすぎない→ほしいのは自己管理力
モノを与えすぎない→ほしいのは発想力
カネを与えすぎない→ほしいのは意欲
答えを与えすぎない→ほしいのは問題発見力
勉強を与えすぎない→ほしいのは学習能力
夢を与えすぎない→ほしいのは自己鍛錬機会

人生の原動力として、夢ほど強力なものは滅多にありません。でももしそれが他人に与えられたものだったら?夢を達成したとき、その次どうすればいいのでしょう。もしくは、夢破れたとき、誰が責任を取れるのでしょうか?
夢は98%破れます。つまり、「人生、夢が破れてからが勝負」なのです。
破れた夢を造り直すこと自体が、大切な人生の一部なのです。

暇を楽しむことで、人生に思いっきり悩むことで、子供達は大人への階梯を上っていくのです。

 忙しい        暇
         |
 ケージ鶏舎型 |   放牧型      貧乏
  (萎縮)   | (工夫と決断) 
<-------------------------------->
         |
  室内犬型  |   放流型      リッチ
  (能天気)  |  (奔放)


3女へ同じように10万円旅行計画を持ちかけたが、やる気がなさそうだったので即撤回。
やる気が出るまで待ちましょう。

子育て4原則・
クール・ルール・ロール・エール

クール:深刻にならず、猶予期間を持つ
・時間を置く。頭にきたら、一晩置いてみる。
・比較しない。兄弟姉妹や、他の家と比べるのをやめてみる。

ルール:個別でなく、ルールで対応する。
・成立条件をはっきりさせる
・必要なら罰則も決める
・ちゃんと明文化して記録する
・例外が発生したら、それもルール化するか、状況を詳しく書き留める。

ロール:夫婦で話はそろえるが、役割を分担する。
・叱る前に「お母さんはどういっていたのか」を確認する。
・「お母さんの言うことを聞かなかった」で叱る。

エール:監督でなく、応援団となる。
・試合は子供達自信のものです。そこに踏み込むのではなく、家族みんなで精一杯応援しましょう。親は応援団長として、応援団を纏め上げましょう。

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2011年3月18日金曜日

陰日向に咲く/劇団ひとり

ホームレスを夢見る会社員。売れないアイドルを一途に応援する青年。合コンで知り合った男に遊ばれる女子大生。老婆に詐欺を働く借金まみれのギャンブラー。場末の舞台に立つお笑いコンビ。彼らの陽のあたらない人生に、時にひとすじの光が差す―。不器用に生きる人々をユーモア溢れる筆致で描き、高い評価を獲得した感動の小説デヴュー作。
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短編小説集.

少しは期待していましたが,さらにその上を行く,良い意味で期待を裏切られた作品.

この方は,芸人としてだけじゃなく,演技とか色々な才能を認められてますが,小説家としてもすごいです.

2011年3月6日日曜日

万能鑑定士Qの事件簿1/松岡圭祐

東京23区を侵食していく不気味な"力士シール"。誰が、何のために貼ったのか?謎を追う若き週刊誌記者・小笠原は、猫のように鋭く魅惑的な瞳を持つ美女と出会う。凛田莉子、23歳。瞬時に万物の真価・真贋・真相を見破る「万能鑑定士」だ。信じられないほどの天然キャラで劣等性だった莉子は、いつどこで広範な専門知識と観察眼を身につけたのか。稀代の頭脳派ヒロインが日本を変える!
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久しぶりに、松岡圭祐を読んで見た。
角川文庫に移り、千里眼シリーズを全て書き直しを始めてから、すっかり遠ざかってしまいました。

去年から店頭で新しいシリーズが並びだしていて、なかなか売れているようなので、読んでみました。

岬美由紀が強烈なキャラなので、新しい主人公はどんな感じかと思ったら、これまたなかなか面白いですね。

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凡庸な男など出る幕のない岬美由紀より、博学ではあるけれど少し純粋すぎて、つまずいては立ち上がる莉子の方が、等身大の魅力を湛えていて、親近感を持つ読者もいるかもしれない。
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解説より。。ですが、充分凡庸な男など出る幕のないほどの博学ですわ^^。

1巻で完結と思っていたら、2巻で1エピソード完結でした。
風呂敷広げられたままだから、どう畳まれるのか、気になって仕方がない。。

この人は、全てきっちり、畳みなおす人ですからねぇ。期待しています。


2011年2月20日日曜日

ゴールデンスランバー/伊坂幸太郎

衆人環境の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。なぜだ?何が起こって居るんだ?俺はやっていないーー。首相暗殺の濡れ衣を着せられ、巨大な陰謀に包囲された青年・青柳雅春。暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走。行く手に見え隠れする謎の人物達。運命の鍵を握る古い記憶の断片とビートルズのメロディ。スリル炸裂超弩級エンタテインメント巨編。
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仕事仲間、親、元恋人など周りにいる人の助けによって、首相暗殺の濡れ衣という大きな組織の陰謀から逃げる主人公。

整形外科のそとで、お嬢ちゃんに「たいへんよくできました。」のはんこを押される。
「痴漢は死ね。」無事を知らせる、粋な手紙。
所々に出てくる「やったのか?」。

巨人の王子様を目の前にして、勝ち目はない。唯一できることは、逃げることだ。
「雅春、ちゃっちゃと逃げろ。」


ビートルズ、ケネディ暗殺、偉いものへ対抗するには、大外刈りの練習、付き合ってた頃の会話、クラブ活動、ロックな岩崎さん、青柳の父のインタビュー、最後の手紙、痴漢は死ね、

折りたたむ過程が一番つまらない。
でも、読む方としてはたたまれる過程が面白いな。そっち側にも風呂敷があったのか!っていう感じ。痴漢は死ね、とかね。

独特の描写。ワインの樽からワインが溢れ出るとか。若者五人の励まし。俺たちなんて、いつもやってねえことをやった、って言われてるんだ。

2010年12月23日木曜日

時生/東野圭吾

不治の病を患う息子に最後のときが訪れつつあるとき、宮本拓実は妻に、20年以上前に出会った少年との思い出を語り始める。どうしようもない若者だった拓実は、「トキオ」と名乗る少年と共に、謎を残して消えた恋人・千鶴の行方を追った。過去、現在、未来が工作するベストセラー作家の集大成作品。
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父親を傷害致死で殺し、刑務所に入った母親をなぜ許したのか?の問いへの竹美の答え。

「許すも許さへんもないわ。親子であることからは逃げられへんのやから。相手が申し訳ないと思ってくれてるのが分かったら、もうそれ以上は余計なこと考えんでもええのんと違う?」

「色々会ったけど、あんたのせいじゃねえよ。俺の人生だから、俺が落とし前をつけなきゃならねえ。もうあんたのせいにはしない。それが言いたかった。ええと、それからもう一つ。俺を産んでくれた事、感謝するよ。ありがとうな。」

「頑張っていき続けてください。きっと素晴らしい人生が待っているからって。」

主人公の拓実の喧嘩っ早い性格とかも含めて、バック・トゥ・ザ・フューチャっぽかったけど、面白かったな。

千鶴や時生、大阪の竹美や彼氏のジェシーも良いキャラしてます。
終わり方は、「秘密」並に綺麗なものでした。それしかないでしょ!っていう。

赤い指の次に読んだので、正反対な家族というものの物語を見た。


2010年10月22日金曜日

EXIT 売却/奈部真・勝間和代

実際に筆を取らずに、監修したのが面白さを生んだように思う。

小説とはいえ、ファンドの世界を疑似体験させていただきました。
凄い世界ですね。仕事にのめり込むのも分かる気がします。

自分の立ち位置として、どうなりたいか、考えさせられた小説でした。

ある日いなくなっても誰も困らないような仕事をしていた。

2010年10月11日月曜日

ジェネラル・ルージュの凱旋/海堂尊

チーム・バチスタの栄光、ナイチンゲールの沈黙、でおなじみ海堂尊が贈る、大人気<田口・白鳥シリーズ>三度登場。伝説の歌姫が東城大学医学部付属病院に緊急入院した頃、不定愁訴外来担当の田口公平の元には、匿名の告発文書が届いていた。
”将軍(ジェネラル)"の異名をとる、救命救急センター部長の速水晃一が特定業者と癒着していると言う。高階病院長から依頼を受けた田口は調査に乗り出す。
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ナイチンゲールの沈黙、と平行して起こっていた事件の話。

救命救急センター部長の速水や、医師の佐藤、看護士の花房、如月、エシックス・コミティの沼田。
皆、キャラが立っていて、周りの誰かに置き換えられそうだ。

特に、委員会でその色が際立つ。

速水の最優先事項を的確にズバッと射抜く言葉と、ネチッコ~イ沼田。
ロジカル・モンスター白鳥の論理的で嫌味のある話し方。
ここぞと言うときに、かっこいい田口。

議論しているシーンは、非常に面白かった。

一番印象に残っているのは、速水が佐藤副部長に対して行った口頭試問。

この回答にも、現役医師である著者ならではの、読者に伝えたいものがあったように思う。


2010年8月8日日曜日

天空の蜂/東野圭吾

奪取された超大型特殊ヘリコプターには、爆薬が満載されていた。無人操縦でホバリングしているのは、稼働中の原子力発電所の真上。日本国民全てを人質にしたテロリストの脅迫に対し、政府が下した非常の決断とは。そしてヘリの燃料が尽きるとき・・・。驚愕のクライシス、圧倒的な緊迫感で魅了する傑作サスペンス。
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東野圭吾、やはり面白い。

社会的メッセージを、高度な技術的要素を絡めて話を展開するあたり・・・個人的には凄く好きな作品でした。

フライ・バイ・ワイヤー技術を初めて搭載した、超大型特殊ヘリコプターのお披露目当日の朝、何ものかに遠隔操作され、原子力発電所の真上で停滞。
そして、犯人から、「全国の原子力発電所を止めよ、さもなければヘリを墜落させる」との脅迫状が届く。
わずか10時間足らずの間に、犯人捜しに奔走する警察や、ヘリに乗ってしまっていた子供を助けるシーンなど、手に汗握る展開だった。
そして、新型ヘリコプターや、原子力発電に関する技術的な記述はさすが。
個人的には、こういう現実的な技術が関連してくる小説を書き続けていって欲しいと思う。

「世の中には無くちゃ困るが、まともに目の前にあると嫌われるものがある。」

メインテーマは、原子力発電所。原子力発電所で働く人(清掃者、運営者)、発電所を作る技術者、反原発派の人々、そして無関心なその他大勢、と様々な視点からの原子力発電所が描かれている。

そして、一番大きな問題として浮かび上がってくるのが、犯人の動機に繋がってくる。

「沈黙する群衆の、あの不気味な仮面に向かって、石の一つでも投げつけることができないだろうか?」

2010年4月11日日曜日

秘密/東野圭吾

妻・直子と小学5年生の娘・藻奈美を乗せたバスが崖から転落。妻の葬儀の夜、意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、死んだはずの妻だった。その日から杉田家の切なく奇妙な"秘密"の生活が始まった。
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1人の女性が子供に戻って、人生をやり直す。
ただ、娘の体で、夫をお父さんとして・・・。

小学生の頃は、つい、大人として振舞ってしまう失敗をしたり、直子が後悔をやり直すために、勉学に励む姿など、微笑ましくプラスの部分も多くあった。

小学校の先生の写真を見つけたとき、直子は何も言わなかった。
再婚話が出た時は、「俺にはお前がいるから」と言った。

だが、高校生になる頃から一変する。

直子の父親の蕎麦を食べたとき。

娘が男の子と電話をしたり、デートの約束をしたりするのに干渉するお父さん。
この場合は彼にとっては妻であり、娘であり、、、複雑。

俺よりあいつといる方が楽しいのか?

「お前は普通にする権利なんかない」

自分で言葉を発しながら、気持ちのいいものではないだろうなぁ。

"あぁ、言っちゃったよ~~、でも気持ちは分かるなぁ"、っていう感じでした。


物語の終わり方としてはしつこくなく、スッキリしていて好きだなぁ、、、タッチのようなラストシーン。
広末さんも解説で言ってますが、カップルで感想を述べ合ったとすると、色んな議論が巻き起こりそうです。

やり直しの人生をどう生きるか、、、
再婚話が出たときに、どうするか、、、
綺麗な女性の写真を夫の本の間から見つけたときに、妻はどうするか、、、
娘(妻)が高校生の時の、夫の束縛をどう思うか、、、
夫の「藻奈美」として扱う決断をどう思うか、、、
その後の直子の決断をどう思うか、、、
直子の決断を推定したときに、どうするか、、、

事件の被害者に対する考えは、藤崎さんのルームミラーの2つの人形が、全てを語っていると思う

2010年2月28日日曜日

枕女優/新堂冬樹

「少し瞼が重いな。鼻ももう少し高い方がいい。歯並びも気になる。谷川、一ヶ月で、全部直させろ。売り込みはそれからだ」。
高校三年生の夏、一人の少女がある弱小芸能事務所のオーディションに合格し、芸能界への切符を手にした。芸能人・鳥居水香の誕生…しかし憧れの世界に入った彼女の前には、想像を絶する現実が立ちふさがっていた。
月収数千円の生活に耐える日々、バーター女優と蔑まれる屈辱、そして自らの身体を駆使して役を獲得する“枕営業”。親を、友を、故郷を捨て、そして「整形」により十七年間ともに歩んで来た「鈴木弘子」という“個”までも無くしてなお、少女はトップ女優になることを決意する。
プロデューサー、脚本家、企業の重役との「夜の営業」、ライバルのスキャンダルを画策、プロデューサーへの恐喝。そして数年後。四クール連続のドラマ出演、六本のCM、「なりたい芸能人の顔NO.1」…バーター女優・枕女優はいつしか、わがまま姫・独裁女王・女帝と呼ばれるようになり、芸能界のトップに君臨していた。しかし…。芸能プロダクション社長でもある著者が「芸能界」を舞台に初めて描いた、衝撃の問題作、ついに刊行。
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章毎に挿入されるショートストーリや、最初に回想シーンから入るところなど、構成に工夫がされていて、珍しいなと思った。


「弘子。別人みたいな顔になって売れて、それで幸せなの?」
「そう。あなたがいいなら、何も言わないわ。でも、母さんの知っている弘子は、もういなくなったわ。」

2010年2月16日火曜日

ナイチンゲールの沈黙/海堂尊

大人気、田口・白鳥コンビの活躍再び!今度の部隊は小児科病棟。病棟一の歌唱力を持つ看護師・浜田小夜の担当患者は、眼の癌---網膜芽腫の子供たち。眼球摘出をせざるを得ない彼らに心を痛めた小夜は、患児のメンタルケアを不定愁訴外来担当の田口に依頼し、小児愚痴外来が始まった。
手術前で精神的に不安定な子供たちのメンタルサポートを、不定愁訴外来担当の田口が行うことになった。時同じくして、小児科病棟の問題児・瑞人の父親が殺され、警察庁から出向中の加納警視正が病院内で捜査を開始する。緊急入院してきた伝説の歌姫と、厚生労働省の変人役人・白鳥圭輔も加わり、物語は事件解決に向け動き出す。読者を魅了する、海堂尊のメディカル・エンターテインメント
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前作が凄く良かっただけに、同じ登場人物でまた面白いものが書けるのかどうか、読む前から疑問でした。

少しSFの入った内容は、あまり好みではなかったですが、全体的には楽しめました。
加納・玉村の警察コンビや、その他の登場人物もそれぞれキャラが立っているのは、この作者の非常に面白いところだと思いました。

小児科医の奥寺教授、副島助教授、内山医師のやり取りが、今回メッセージを込めたかったところなのかもしれないと思いました。
小児科医(だけではないかもしれませんが。)の実情を訴えるという意味で。

「子供と医療を軽視する社会に、未来なんてないわ。」副島

「副島先生は、ご自分の生活に満足していらっしゃるんですか?」聖美
副島が心の奥底で圧殺し続けてきた何かが、密かに息を吹き返す。
緊急呼び出しのため着替えている自分の後姿を諦めたように見つめる夫の視線。自分の手をそっと握り、しがみついてくる幼い娘の手を振り解いて、冷たい夜の中に出かけていく自分の姿。

「内山君は間違っていない。医者だって人間だ。休みたいときもあるし、嘘をつく時だってある。だが今のままでは、君は将来禍根を残す。その禍根は、君自身の未来に傷痕を残す。悪いことは言わん。ここは老いぼれの顔を立てて、負けておきたまえ。」

「私が死ぬのは運命よ。だけどあなたの運命はまだあなたの手の中にある。あなたが私と同じ道を選ぶのはかってだけど、私はそんなことは望まない。だって、そのときこそ本当に私は死ぬの。私の存在を最後に消滅させるのは瑞人君、あなたなのよ。」

「全面協力知っている我々にそのような暴言を諮れるなら、当院にも考えがあります。」
「女が本気なら、そのときには男は見届けるしかない。それは力が要ることなんだ。」

時折見せる、強気な田口先生が良い。

「どうして俺は、どこでも田口先生なんか、といわれてしまうのだろう。」

ルールは破られるためにあり、それが赦されるのは、未来により良い状態を残せるという確信を、個人の責任で引き受けるときだ。

高階病院長

2010年1月4日月曜日

重力ピエロ/伊坂幸太郎

兄は泉水、2つ下の弟は春、優しい父、美しい母。
家族には、過去につらい出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。
連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。
そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは。
あふれ来る未知の感動、小説の奇跡が今ここに。
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家族の愛情が溢れている。

つらい過去があって、血のつながっていない兄弟。
絵画コンクールで弟が優勝したときの両親の行動や、小さい頃の弟の台詞「俺たち兄弟は最強なんだ。」。
そして、父親の口癖「二人で遊んできたのか?」、そして最後のほうの、「お前は俺に似て、嘘をつくのが下手糞だ。」

そして、動機やストーリーの中で出てくるちょっとした謎の答えは、まさに伊坂幸太郎らしい。
冷静に考えると腑に落ちないけど、何か小説の中では納得してしまう、まさに夢の中の出来事のような感じは重力ピエロにも健在でした。

2010年1月3日日曜日

チーム・バチスタの栄光(下)/海堂尊

東城大学医学部付属病院で発生した連続術中死の原因を探るため、スタッフに聞き取り調査を行っていた万年講師の田口。行き詰まりかけた調査は、高階病院長の差配でやってきた厚生労働省の変人役人・白鳥により、思わぬ展開を見せる。
とんでもない行動で現場をかき回す白鳥だったが、人々の見えなかった一面が次第に明らかになり始め・・・・・・。医療小説の新たな可能性を切り開いた傑作。
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下巻からさらに面白くなってきた。

白鳥、、、良いなぁ。こういう人、結構好きです。

上巻の段階で、キャラクターのイメージが明確にありましたけど、それは田口講師からの目線。
白鳥が入ってから、2回目の聞き取り調査で少しずつ変わっていく感覚がまたリアル。

作者は勤務医とのことですが、最後の桐生先生と田口先生のやり取りや、犯人の動機などは、医師ならではの視点を感じます。

<火事を消すために、爆弾を爆発させて風圧で吹き消すみたいなやり方。>
<おっしゃるとおりです。でも数字にも意味はあります。それは一人の外科医の航跡。未来の外科医が目指す、加賀や空ける銀嶺への道標なんです。>

チーム・バチスタの栄光(上)/海堂尊

東城大学医学部付属病院の"チーム・バチスタ"は心臓移植の大体手術であるバチスタ手術専門の天才外科チーム。
ところが原因不明の連続術中死が発生。高階病院長は万年講師で不定愁訴外来の田口医師に内部調査を依頼する。
医療過誤しか殺人か。田口の聞き取り調査が始まった。第4回「このミス」大賞受賞、一気にベストセラー入りした話題のメディカル・エンターテインメント。
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白鳥が登場する前まで。

チームバチスタの面々を初め、主人公の田口講師、病院長の高階、看護士の藤原さんなど、すごいキャラが立っていて、イメージがしやすい。
チームバチスタへの聞き取り調査や、酒井や近いところで働く兵藤など、田口との過去のイザコザを交えつつ、登場人物のイメージが浮かびあがってくる。

軽快に読めました。


<話すと言うのは一つの習慣だ。小さなきっかけではずみがつくと、こらえきれなくなる。
俺は、相手が何か言ってくれなければ、自分には何もできない、と答えた。>

<回答は拒否されてもかまわない。なぜなら拒否も、その人の姿勢を表しているから。大切なことは軽々しく口にすべきで得は無いと考えている人は、結構多いものだ。>


<火葬後に、死因を調べてくれって言っているようなものですよ。>


2009年8月7日金曜日

死神の精度/伊坂幸太郎

一週間の調査のうち、対象者の可否の判断を下し、翌8日目に死は実行される。
クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う六つの人生。

CDショップに入り浸り、苗字が町や市の名前であり、受け答えが微妙にずれていて、素手で他人に触ろうとしない・・・・そんな人物が身近に現れたら、死神かもしれません。

一心不乱にヘッドフォンを耳にあて、ちっとも立ち去ろうとしない客が居たら、おそらく私か私の同僚だろう。

・死神の精度
苦情処理係の女性の声に魅了された音楽プロデューサ。
彼女が音楽を作るのであれば・・・・ということで、見送り

人間というのは実に疑り深い。自分だけ馬鹿を見ることを非常に恐れていて、そのくせ騙されやすく、ほとほと救いようが無い。

・死神と藤田
ヤクザの構想
死ぬのは明日だから、今日は死なない。

・吹雪に死神
人影があっさり、「私の同僚」ということで、片付けられるあっけなさ・・・・・・

・恋愛で死神
「外見だって、本質でしょ?」

・旅路を死神
「ここはよ、川の上流、スタート地点だろ。それがこの滝だ。ここは派手だし、人も多いじゃねぇか。それってよ、俺たちが生まれてきたときとにてねぇか?」
「下流のほうも、悪くなかったと俺は思う。」

・死神対老女
なるほどねぇ。。。。つながってるのね。


2009年6月18日木曜日

世界の日本人ジョーク集/早坂隆

・ハイテク国家像
「不良品を1000個に1つにすること」
ロシア「不良品を1000個に一つというのは、大変困難な条件です。期日にどうしても間に合いません。」
日本「期日に向けて順調に進んでおります。ただ、不良品用の設計図が届いておりません。早急に送付してください。
青いキリン
もしも青いキリンを私に見せてくれたら、膨大な賞金を出そう。
イギリス人:そんな生物がいるかどうか、徹底的に議論を重ねた。
ドイツ人:そんな生物がいるかどうか、図書館へ行って文献を調べた。
アメリカ人:軍を出動させ、世界中に派遣して探し回った。
日本人:品種改良の研究を昼夜を問わず重ねて、青いキリンを作った。
中国人:青いペンキを買いに行った。
技術者の違い
ロシア:我が国では、機密性を試すために、猫を一晩車の中に入れておきます。次の日に猫が車の中にいれば、機密性は十分だと判断します。
日本:我が国では、機密性を試すために、猫を一晩車の中に入れておきます。次の日に猫が窒息死していたら、機密性は十分だと判断します。
ソ連の工場での話
始業時間10分後に来る人:怠慢で逮捕
始業時間10分前に来る人:西側のスパイで逮捕
始業時間ちょうどに来る人:日本製の時計を持っているに違いないから逮捕
最先端技術オリンピック
アメリカは直径1ミリのグラスファイバーチューブを作り、ドイツへ送った。
ドイツはチューブの内側に細いワイヤーを通し、香港へ送った。
香港は、さらに細いワイヤーを通し、日本へ送った。
日本は・・・香港チームのワイヤーに「MADE IN JAPAN」と刻印を彫った。
新製品の4段階
アメリカの企業が新製品を開発する。
ロシア人が「自分たちは同じものをもうすでに30年前に考え出していた。」と主張する。
日本人がアメリカ製以上のクオリティのものを作り、輸出し始める。
中国人が日本製のものに似せた偽物を作る
女性国家論
18〜20才:アフリカまたはオーストラリア。まだ手つかずの魅力溢れる大地。それは訪問者に感動を与える美しさである。
21〜25才:中国またはインド。成長期に歩くには将来の大いなる夢と希望を抱いている。
26〜30才:アメリカまたは日本。国土は隅々まで開発され、成熟期を迎えた政府は自由貿易を標榜する。現金と車を多く持つ相手であれば、貿易はより積極的なものとなる。
31〜35才:ブラジルまたはメキシコ。蒸れるほどの熱を持っていて、そこにあるのはまさに情熱である。
36〜40才:フランスまたはアルゼンチン。長きにわたる激しい戦闘により国土の半分ほどが痛んでいるが、それでもまだ訪れるものの数は少なくない。
41〜50才:ロシアまたはバルト三国。国は開かれているのに、訪れるものは少ない。
51〜60才:イラクまたはユーゴスラビア。戦いに敗れ、政府は過去の失敗にとりつかれている。大規模な再建工事が必要であるが、その費用は莫大なものとなりそうだ。訪れようとするものはよほどの変人である。
61〜70才:イギリスまたはモンゴル。過去の栄光ばかり思いふける日々。出てくるのは諸国征服の昔話ばかりである。未来はない。
・お金持ちの国
アメリカ=独善的、傲慢、自慢好き
イギリス=紳士、堅苦しい
ドイツ=真面目
フランス=好色、グルメ
イタリア=情熱的
ロシア=酒好き、ものがない
ユダヤ=狡猾、金儲けが巧み、議論好き
ポーランド=愚か者
スコットランド=ケチ、抜け目がない
ギリシャ=絶倫、男色
日本人=金持ち
電球ジョーク
電球を新しいものに変えるのに何人のポーランド人が必要か?
5人。一人が椅子の上に立って電球を持ち、4人が椅子を回す。
日本の不況
折り紙銀行=倒産(fold)
相撲銀行=倒産(belly)
盆栽銀行=支店を縮小(branch)
カラオケ銀行=捨て値で売られている(go for a song)
神風銀行=株価は暴落(nose-dive)
空手銀行=人員削減(chop)

・勤勉な人々

無人島にて
ある時、大型客船が沈没し、男2人と女一人という組み合わせで、各国の人々が無人島に流れ着いた。
イタリア人・・・男二人が女を巡って争いを続けた
ドイツ人・・・女は男のひとりと結婚し、もう一人が戸籍係を勤めた
フランス人・・・女は男のひとりと結婚し、もう一人と浮気した
アメリカ人・・・女は男のひとりと結婚して子供が生まれたが、その後に離婚し、真剣を争うために、もう一人の男に弁護士役を頼んだ。
オランダ人・・・男二人はゲイであり、結婚した。女は無視された。
日本人・・・男二人は、女をどう扱ったらよいか、東京本社に携帯電話で聞いた。
ブラジル人・・・3人で楽しそうにカーニバルを始め、飽きることなく踊り続けた。
ロシア人・・・女は愛していないほうの男と結婚し、3人で果てしなく嘆き悲しんだ。

・日本人的アイデンティティ

集団主義
豪華客船が沈みかけたとき、
アメリカ人、「飛び込めばあなたは英雄ですよ。」「飛び込んだときの保険はかかっている」
イギリス人、「飛び込めばあなたは紳士ですよ。」
ドイツ人、「飛び込むのがこの船の規則となっています。」
イタリア人、「飛び込むと女性にもてますよ。」
フランス人、「飛び込まないでください。」
日本人、「みんな飛び込んでますよ。」
有能な議長
インド人を黙らせ、日本人を喋らせるものである。
アジア最低の英語力
あるとき、ホワイトハウスに日本政府からバイアグラが一万ケースも送られてきた。なぜか?
「アメリカの選挙で深刻な問題が生じている」というニュースを聞いたから。
遅刻の対処法
国際的な会議で、遅刻してしまい、持ち時間が半分になったときの対応
アメリカ・・・内容を薄めて時間内に収める。
イギリス・・・普段通りのペースで喋り、途中で止める。
フランス・・・普段通りのペースで喋り、次の人の時間に食い込んでもやめない。
ドイツ・・・普段の2倍のペースで喋る。
イタリア・・・普段の雑談をカットすれば、時間内に収まる。
日本・・・遅刻はありえない。
・神秘の国日本

人生
最高の生活
「アメリカで給料をもらい、イギリスの住宅に住み、中国人のコックを雇い、日本人を妻にすることさ」
最低の生活
「中国で給料をもらい、日本の住宅に住み、イギリス人のコックを雇い、アメリカ人を妻にすることさ」
・歴史・政治・外交

軍隊比較
世界最強の軍隊
アメリカ人の将軍、ドイツ人の参謀、日本人の兵
世界最弱の軍隊
中国人の将軍、日本人の参謀、イタリア人の兵
日本を怒らせる方法

中国
「わが国は潜水艦で日本の領海を侵犯した。それでも日本は攻撃してこなかった」
韓国
「わが国は竹島を占領した。それでも日本は攻撃してこない。」
ロシア
「わが国はもう永きに渡って、北方領土を占拠している。それでも日本は攻撃しない。」
北朝鮮
「そんなこと簡単です。核兵器を日本に使いましょう。」
アメリカ
「無駄だね。それはもうやったもの。」

・世界で活躍する日本人アスリート

メジャーリーグの不思議
ヤンキースファン「ヤンキースの四番が日本人だ何て、なんかチーム名と合わないね。」
「そんなの、たいした問題ではないと思うがね」とインディアンズのファンが言った。
こんな人も居る
紅茶の嫌いなイギリス人
対人恐怖症のイタリア人
空手のできない日本人
自転車に乗れない中国人
踊りの苦手なブラジル人
サンタクロースを信じないフィンランド人
日本人のうそ
不況だと言うのに、グランドキャニオンは日本人旅行者だらけではないか。
忍者はもう存在しないというのに、シアトルに居たではないか。
グローバリズムとは?
イギリス王室に居た女性がエジプト人と故意に落ち、パリでドイツ製の車に乗っていたところを、日本製のバイクに乗ったフランス人のパパラッチに追い回され、その結果起きた事故のこと。
・新たなるニッポン像

日中の仲
日中の仲は最悪だと聞いていたパキスタン人が、日本の中華街を見て、驚いた。
「日中の仲が悪いなんてうそだ。パキスタンにインド街があったら廃墟になっている」

イギリスの哲学者、フランシス・ベーコンの言葉、「冗談は、しばしば真実を伝える手段として役立つ」



2009年2月4日水曜日

名作コピーに学ぶ読ませる文章の書き方/鈴木康之

文章は書くものではない、読んでもらうものである。

施しを集めた詩人の一言
「私は目が見えません。」→「春はまもなくやってきます。でも、私はそれを見ることができません。」

書くこと以上に難しいことが、読んでもらうことです。

コピーは、商品やサービスや企業のことを、優しく親切で分かりやすく、端的で要領が良くて読みやすく、言葉が魅力的で、面白くて気持ちよく、そして発信する広告主企業の方も、読者の方も、実際に顧客となった人の方も、それぞれに得をする。

広告の場合は、無からの想像ではなく、有の発見というアプローチとなる。

メガネは、涙をながせません。

片仮名三文字の「絵」と、漢字一文字の「絵」を表現している。
そのため、流すは、漢字ではない。

どんな文章であれ、どんな得であれ、読み人が得する話を書いてください。限りなくある「人が得すること」を想像してみてください。


地球温暖化ののどかな響きはおかしい。

最初の書き出しは、軽いほど良く、三行より一行。


どんな文章にも伝えたい話にふさわしい気持ちがあるはずです。
その気持ちで書きなさい。
読んでもらいたい人の前に出たらするはずの顔つきをして書きなさい。

「これは人にぜひ聴かせたい」と思わず膝を叩きたくなるいい話を聞き出せたら持ち帰って書く。
このことを「コピーは読者への土産話である」といっている。

一つのメッセージがどうやったら一番届くかという方法論を探ること。
個性を出すとか言う事じゃない。デザインを感じさせないデザイン。
それがデザインだと思う。

君が思わずすらすらと読んでしまった物、それを何度も読み返して、なんですらすら読めたのか、考えてみたらどうだ!

一行目はどうやって書けば良いんですか?
二行目を読みたくなるように書くことだよ。

是非誰かに聴かせたいという、強い衝動に襲われるまで待ちなさい。
聞き上手の後は、上手に読まれる書き上手になりなさい。

発想を変えると言うことは、なれない人にはなかなか難しいでしょう。
要領は視点を変えてみる、鳥のように空から見下ろすのを鳥瞰といい、虫のように地べたから見るのを虫瞰といいます。
男の目、女の目、老人の目、子供の目、外国人の目、色々な立場から物事を考えてみましょう。
一発で百点満点の完成品に到達することなどできるわけがない。
毎日毎日考えて、〆切時間が来たら、もうこの時点ではこれで良いだろうか・・・と不安なまま手放している。

今日から一年で十分、自分自身について色々な視点から短くて面白い文章で書き続けてみませんか?

「人と同じ事を思い 人と違うことを考えよ」


一文一義。文章は読む人のため。

家族も家財も「動揺しない」家

名品は、どんな言葉の形容よりまさるから名品なのです。

説明のために、あらゆる言葉、あらゆる日本の文字を駆使しましょう。言葉を過信しないで、時には写真や絵や図表の力も。

クリエイティブの仕事を志望しているのなら、こんなテーマは他の人も書くだろうな、くらいのことは気付かなければダメです。
人と同じようなことをすることは恥ずかしいと思って避けなさい、独創的オンリーワンでありなさい。

Y式幕の内弁当
情報・整理・表現のチャート図

書くことは、書き直すことである。


文章は書くものではなく、読んでもらうものです。
読む人が、知って得するように、読んで満足するように書きなさい。
文章は中身が大事。
中身探しのために知らない話の世界を訪ねなさい。
書き上手になろうと思わずに、聞き上手になりなさい。
調べ上手になりなさい。
人と違うことを考えなさい。
書き直しなさい。文章を書くとは、書き直すことです。

2008年8月27日水曜日

ラッシュライフ

伊坂幸太郎

5つの物語が、別々に進む。

A.拝金主義者の画商戸田と、彼に振り回される新進の女性画家志奈子。
B.空き巣に入ったら必ず盗品のメモを残して被害者の心の軽減を図る泥棒の黒沢。
C.新興宗教の教祖に惹かれている画家志望の河原崎と、指導役の塚本。
D.それぞれの配偶者を殺す計画を練る女性精神科医強固と、サッカー選手の青山。
E.四十社連続不採用の目に遭っている失業者の豊田。

それぞれのはなしが、徐々にシンクロしてきて、先の読めない展開へ・・・。

黒澤が良い。人物の考え方、はなしが面白い。

「原始的な動物ですら、同じ事の繰り返しよりも自殺することを選ぶ。人間なんてなおさらだよ。」
「俺はさっき、泥棒のプロフェッショナルだと言ったよな。」
「でもな、人生については誰もがアマチュアなんだよ。そうだろ?誰だって、初参加なんだ。。。。初めて試合に出た新人が、失敗して落ち込むなよ。」


「災害が起きたとき、たとえば大地震だとか、そういうときに親が落ち着いていると、子供はトラウマにならないらしいんだ。反対に、親がパニックになって大騒ぎすると、助かったとしても子供には精神的な傷が残るらしい。」
「親がしっかりしてれば、子は元気だって事だよ。」


「俺、豊田さんに教えてもらって、ここまで来ましたから」
「君はもとから才能があったんだ。」
「豊田さんのまねからはじめたんです。」



2008年8月19日火曜日

うれしい悲鳴をあげてくれ

いしわたり淳治

スーパーカーの歌詞のあの独特な世界観を作り出す人だもの・・・。
絶対に名作な予感がしていて、やはりその通りだった。

今年一だな。

2005年2月26日に解散したロック・バンド、スーパーカーのギタリストかつ作詞担当のいしわたり淳治のエッセイ集。
著者のブログは、私のお気に入りの一つ。

そのブログでこの本の発売を知ったんですが、音楽雑誌に、ショートショート小説&エッセイを連載していたとは知らなかった・・・。

この本は、それを集めた51本のショートショート&エッセイが収録されています。


こういう文章書きたいなぁ・・・って心底思います。

お気に入りは、
・幽霊社員
 う〜ん、オーナーのアイデアに脱帽。
・人間のオーバースペック願望
 最後の台詞、ノッポのうまいこと良い具合には驚いた。
・どなたかお客様の中に・・・
 まさか、こういう落ちとは。
・from 新居 with love
 「部屋選び」≒「?」
・ポケットから生まれた男
 ネーミングは、「気が利いているかどうか」が一番重要だと思っている。
・Dance in the boooooom
 だいたい何についても言えると思うが、基本的に熱く語るのはまずい。雄弁に語る、それはイコール自分で自分を演出しているだけ、というケースが多い。
・第一印象を終わらせろ
 第一印象はだいたい合っている。だから、ちゃんと第一印象を終わらせてから、行動しよう。
・made in 自分
 何かのタイミングで、みんなが大事そうにしている「夢」や「自分らしさ」が、そもそも本当に「メイドイン自分」なのかどうか、考えてみても良いのではないか?
・正義の見方
 正義vs別の正義。正義という考え方自体がそもそもの間違いだった。
・空き巣さんいらっしゃい。
 ハートを盗まない泥棒。
・フジヤマインマイヘッド
 情報の集め方そのものが、そのひとの パーソナリティだとさえ僕は思う。