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2013年5月3日金曜日

MAKERS/クリス・アンダーソン

「デジタルによる革命は、これからが本番だ──」

『フリー』以上の衝撃──ベストセラー『フリー』『ロングテール』のクリス・アンダーソンが描く次のパラダイムシフトは〈メイカームーブメント〉だ!
21世紀の製造業は、アイデアとラップトップさえあれば誰もが自宅で始められる。ウェブの世界で起こったツールの民主化が、もの作りの世界でも始まったのだ。メイカーズ(モノ作る人々)の革命が、世界の産業構造を再び変える! ベストセラー『フリー』『ロングテール』の著者が描く、次のパラダイムシフト。
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メイカームーブメントには、3つの大きな特徴がある。
1.デスクトップのデジタル工作機械を使って、ものをデザインし、試作すること(デジタルDIY)
2.それらのデザインをオンラインのコミュニティで当たり前に共有し、仲間と協力すること。
3.デザインファイルが標準化されたこと。おかげで誰でも自分のデザインを製造業者に送り、欲しい数だけ作ってもらうことができる。また、自宅でも家庭用のツールで手軽に製造できる。これが発案から企業への道のりを劇的に縮めた。

ケーキミックスはお手軽すぎて、主婦の労働や技術が過小評価されると感じる人が居た。その後、食品会社はレシピを買え、ミックスに卵を加えるようにした。
行け我の家具を使った実験でも、自分で作ったイケア家具を買う場合と、自分以外の誰かが作ったものを買う場合の価格が67%も自分のものが高い事が分かった。

デビューして間もないメイカーたちが犯す間違いの一つは、無理に低価格で製品を販売してしまうことだ。それなりの利益を上げることが持続可能な企業を築く唯一の方法だからだ。
1.5x1.5=2.25くらいの設定が必要。

キックスターター

デスクトップの工作機械と製造請負サービスが手軽に利用できるようになったおかげで、アイデアさえあれば誰でも本格的に製造業を始められるようになったおかげで、アイデアさえあればだれでも本格的に製造業を始められるようになった。
ウェブのおかげで、こうした製品をグローバルに販売できるようになった。

DIYはバイオ研究向けの磁気攪拌機を作り、研究装置を購入する敷居を下げ、多くの人が研究に携われるようになる。

新しい時代とは大ヒット作がなくなる時代ではなく、大ヒット作による独占が終わる時代なのだ。より多くの人がより多くの場所で、より多くの小さなニッチに注目し、より多くのイノベーションを起こす。

・3Dデザインソフト
グーグルスケッチアップ(ウィンドウズ、マック)
オートデスク123D(ウィンドウズ)
ティンカーCAD(ウェブ)
ソリッドワークス(ウィンドウズ、マック)

・3Dプリント・ソリューション
メイカーボット・レプリケータ

・3Dスキャニング・ソリューション
ソフトウェア
オートデスク123Dキャッチ
メイカーボット3Dスキャナー

・推奨CNCソリューション
MyDIYCNC

・推奨エレクトロニクス機器
アダフルートのカクヤスアルドゥイーノ・キット
回路計:スパークファン・デジタルマルチメーター

本当の革命は、インターネットが実体経済に影響を及ぼすとき、つまりもの作りのやり方が変わるときに起こるのです。
ビットの世界で起きてきた革命がアトムの世界で起きる。
グローバルなサプライチェーンが個人にも開かれてきた。
材料を調達し、部品を製造し、それらを組み立てるプロセスは大企業に独占されてきた。それが、ボノコやシェイブウェイズなどのウェブの製造委託サービスや、アリババなどのマッチングサイトを利用することで、プロ用の工作機械を所有しなくても、個人が大企業と同じ製造能力を手に入れることができる。
自分が欲しいものを作って、他の人にそれを販売することもできる。ビット世界のニッチな音楽や書籍や映像と同じ事だ。そう、もののロングテールがやってきた。



2010年12月13日月曜日

キャズム/ジェフリー・ムーア

ハイテクをブレイクさせる「超」マーケティング理論
イノベータ、アーリー・アドプター、アーリー・マジョリティ、レイト・マジョリティ、ラガード

イノベータは新しい技術に関する製品を追い求める人たち。
アーリー・アドプターが購入しようとするのは、変革のための手段。
アーリー・マジョリティは、最新の発明と言われるものの多くが一過性の流行で終わることを十分認識しており、自分達が新製品を購入する前に、まず他者の動向をうかがおうとする。
レイト・マジョリティは、業界標準が確立されるのをひたすら待ち続け、手厚いサポートを受けるために、実績のある大企業から製品を購入したがる。
ラガードは、新しいハイテク製品には見向きもしない。

アーリー・アドプターとアーリー・マジョリティの狭間をキャズムと呼ぶ。

変革のための手段と生産性を改善する手段の違い。
アーリー・マジョリティへ市場を拡大する際には、「先行事例と手厚いサポートを必要とする顧客を、有効な先行事例と強力なサポートなしで攻略しようとしている」という事実を肝に銘じなければならない。

ビジョナリが求めているのはブレークスルー、実利主義者が求めているのは改善。

ビジョナリはプロジェクト指向であり、普遍性のある製品を作りたいベンダーにとっては不都合。
ビジョナリと一緒に仕事をして、双方が満足できる結果に持っていくことはほとんど不可能に近く、ビジョナリの期待を管理することに全精力を注ぐ。

まずニッチ市場から責めるというアプローチを取らないでキャズムを超えようとするのは、焚き付けを使わないで火をつけるようなものだ。
売り上げが期待できないような分野に手間隙を書けるつもりはない、と言うのではだめ。

キャズムの時期に、販売重視の戦略を立てるのは致命的である。
キャズムを超えようとするときには、顧客の数でターゲット・マーケットを決めるのではなく、顧客が感じている痛みの大きさで決める。
              支持派
               ↑
製品・ビジョナリ       |  企業・保守派
               |
スペシャリスト <=============================> ジェネラリスト
               |
テクノロジー・マニア     |  市場・実利主義者
               ↓

ニッチ市場を決定するとき、まず、その妥当性を裏付けてくれる競争相手を探す。

これは、「①」で問題を抱えている
「②」向けの、
「③」の製品であり、
「④」することができる。
そして、「⑤」とは違って、
この製品には、「⑥」が備わっている。


BtoBのマーケティングもなかなか面白いと思った。


2010年4月18日日曜日

イノベーションのジレンマ 日本「半導体」敗戦/湯之上隆

エルピーダメモリ1社を残してDRAMから撤退した日本半導体産業。
1980年代半ばに、世界を制した技術と品質は、いまや不況のたびに膨大な赤字を生み出す元凶と化した。
一体、なぜ、こんなことになってしまったのか?
半導体産業の技術者として出発した社会科学者が、今、その全てを解明する。
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非常に興味深かった。

過剰技術・過剰品質の病気。
半導体生産に関する3つの階層。
要素技術:プロセス技術(微細加工技術など)
インテグレーション技術:工程フロー構築技術
生産技術:製造・作りこみ技術(歩留まり)

日本の技術力は、他国に負けないと言うが、高性能、高品質に偏りがち。
要素技術は、技術開発力は高いが、オーバースペック気味。
インテグレーション技術は、高性能実現のため、工程数が多い。
生産技術は、歩留まりよりも高品質優先。

安く作る技術というのは、圧倒的に負けているが、日本の技術者は、「安く作る技術」という観点が無いようだ。

韓国に負けた日本半導体メーカーの言い訳。
「経営、戦略、コスト競争力で負けた」「技術では負けていなかった」という2点に集約。
このコスト競争力というのを、技術ではなく、規模の経済やそれを実現するための投資に影響すると考えている。

スパコン用に長期寿命保障のDRAMを作り、世界を凌駕した日本の半導体メーカ。

しかし、微細化が進むにつれて、パソコンというものが、一国に一台が、一社に一台になり、一家に一台になり、一人に一台になった。
そこで、どうなるかというと、高品質のDRAMなぞ、もはや必要ないということだ。

それに気づいた韓国や台湾、米国メーカは、低コストで要求に合う品質のDRAMを作る「技術」で対抗し、日本を抜き去っていった。

しかし、高品質・高性能が「技術」だと思い込んでいる日本のメーカーには、「技術では負けないのに、コスト競争力、戦略で負けた」という認識が出来上がる。

悪いところが分かっていないのを、直すというのは極めて難しい。


韓国サムスンの研究開発→量産開発のパイプライン組織構造は非常に面白い。
あとは、マーケティングが非常に多い。これは、単に市場調査を行うのではない。例えば、中国担当のまーけったならば、まず中国に1~2年住み、中国語を話せるようになり、中国人と同じものを食べ、中国人が一体どのような嗜好を持つのかを学ぶ。
日本では、各社に数人くらいのマーケッタで、窓際族扱いである。

エルピーダの坂本社長は業界以外でも有名かもしれないが、本書で実際の社員の声が圧倒的に変わっていく様を知って、見事な回復振りに驚いた。

半導体産業自体はなくならない。
ネジ・クギと同然になっていくだろうから、これからコスト競争力がいっそう高まるのは目に見えている。

2009年6月7日日曜日

急に売れ始めるにはワケがある/マルコム・グラッドウェル

ヒットを作るには、膨大な予算が必要というわけではありません。小さな変化が大きな結果を生むのです。本書は流行現象をクチコミによる感染と捉え、そのメカニズムを説き明かします。
「少数者の法則」「粘りの要素」「背景の力」は、マーケティングに興味を持つ人には、必須の知識。

先見性溢れる「ティッピング・ポイント」。
あるアイディアや流行もしくは社会的行動が、閾値を超えて一気に流れ出し、野火のように広がる劇的瞬間のこと。

ティッピング・ポイントの世界とは、予期せぬものが予期されるものとなる世界である。

・少数者の法則
80対20の法則。
これはどのような状況にあっても、「仕事量」のほぼ80%はそれに関わった人の20%によって達成されるという考えである。

マスコミが発達し、数百万ドルもの資金を投じた広告宣伝が珍しくない現代においても、クチコミが人間の意思疎通の最も重要な形式であることは間違いない。
食事・映画・洋服、あなたがお金を気前よく使うとき、友人の薦めで決断を下す場合がどれくらいあるだろうか?

見るグラムはほとんどの手紙が、相手に届くまでに、5段階か6段階経ていることを発見した。この実験から、関係の6段階分離という概念が産まれた。

- コネクター
社会的に河の役割を果たす。
関係の6段階分離説は、全ての人が自分をのぞく全ての人とちょうど6段階で繋がっていることを意味しているのではない。ごく少数の人がわずかな段階でその他全ての人と繋がっていることを意味する。
残る人々はこの特別な少数者を通じて世界と繋がっているのである。
どんな職種の人にも、友人や知人を作る並外れたコツを体得している一握りの人がそこかしこにちりばめられている。
例えば、コネクターは、豊かな人脈を形成するための直感的で自然な才能のようなものが備わっている。彼は過剰に社交的な人ではない。人に取り入ろうとする態度が見え見えのやたらに愛嬌を振りまくような人ではない。彼はむしろ観察家だ。

人とのつきあいを持続するようにして居るんだよ。
切手を集める人のように、知人を集めている。

ロッドスタイガーが全ての俳優と競演している俳優といえるのは、俳優として関わることができる様々な業界、サブカルチャー、隙間産業を股にかけ、レベルの違う仕事を縦横無尽にこなしてきたからである。

この人達は、可能性を見ているのだ。我々はつい忙しさに紛れて自分が知り合いになりたい人だけを選び、うさんくさい人や何年もあって居ない人などを捨ててしまうが、コネクターは全てを受け入れているのである。
弱い絆の達人。

- メイヴン
データバンクの役割を果たす。
どうすれば良い買い物ができるかが分かったら、それを他人に教えたがっている。
クチコミによる伝染を指導させるための膨大な知識と社交的技術が備わっている。

- セールスマン
説得する技術を持ったグループ
影響力の強い個性があるということは、他人を自分のリズムに引き込み、相互作用の流れを支配する力があるということなのだ。
カリスマ的な人だけが自分の感情を相手に感染させることができるのである。

私たちは、互いに似ているから友人になるだけでなく、同じ活動をしていることからも友人になる。

・粘りの要素
メッセージをより感染性の強いものにするにはどうしたらよいか、製品やアイディアをより多くの人に届けるにはどうすればいいか。
コミュニケーションの難しい部分は、つまるところ、あるメッセージが相手の一方の耳から入って、もう一方の耳から出て行かないようにするところにある。
つまり、記憶に粘り着く。

・背景の力
集団で居ると責任感が薄れ、行動を起こす人が少なくなる。
何かを語るときにそれを取り巻いている状況のほうが、語られた内容よりも重要になる場合があるのだ。
ヘッドホンの聴取試験だと行って、頭を左右と上下に振る被験者と、動かさない被験者の授業料値上げに対する意見の違い。


・粘りの要素
相手に覚えてもらおうと思ったら6回は繰り返さなければならないというのは、鉄則。金の箱というアイデア(広告に金の箱を書き込み、コマーシャルでその意味を宣伝する)というアイデアは、視聴者に粘りの要素を与えた。
情報提示の仕方にさりげなく、しかし有意義で実践的な情報を付加する。
セサミ・ストリートの製作背景、粘り測定装置(目線、実験)幼児は、ある事柄が2つの名前を持つことに困難を覚える(相互排他性)ブルース・クルーズの繰り返し効果、幼児の学習過程(理解と予測)に沿った番組作り。
・背景の力感染は、それが起こる時と場所の条件と状態に敏感に反応する。看守と囚人の実験、決定要因が一掃されるような状況が存在する。正直さのような特徴は、背景に大きく左右される。性格は、背景によって決まる。困った人を助ける実験、善きサマリア人を主題にした学生か否かではなく、急いでいるかいないかによって決まる。
・150の法則という背景脳の大きさは、グループの規模によって、決まってくるという説。霊長類の新皮質率と集団生活規模の関係から、人間は150という数字が割り出される。150以下であれば、規範なしでも同じ目標が達成できる。仲間内でのプレッシャーは、上司からの管理構造よりもはるかに強力。
・商品はどのように感染するのか?高度に専門化されたアイディアや製品を、一般の私たちにも分かりやすく説明してくれる翻訳者が重要。何か新しいことを始めるイノヴェータを発掘し、彼らの流行や考えを主流派に分かりやすく落とし込む。主流派の言葉を、主流派のために翻訳しては感染は終わる。
・自殺と喫煙喫煙は決してかっこよくない。タバコを吸う人がかっこいいのだ。感染要因と、習慣に粘る要因は異なる。喫煙をやめさせるためには、習慣に粘る要因のティッピングポイントを探し、変化を促せばよい。
・ティッピングポイントを押せば、世界は傾くその場しのぎのバンドエイド的な処理を侮ってはいけない。バンドエイドは、最低限の努力と時間と費用で、問題を解決してくれるという最善の策だ。自分の努力を一点に集中する。世界は直感とは一致しない。